同伴いっしょ)” の例文
「御壕の処まで送りましょうよ、」とお秀はかまわず同伴いっしょに来る。二人の少女むすめの影は、薄暗いぬけろじの中に消えた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
玄関番ドアマン、ペエジ・ボウイ、無数の人間が被告マルコルムの首実検をして、エンマ・ダッシュと同伴いっしょに夫婦として来たあの時の紳士に違いないと断定している。
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
していたばかりに、今晩与茂七さんに逢うて、同伴いっしょに来る道で、与茂七さんにはぐれたから、それを探しに
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
千代子はほかに五六人の連れと同伴いっしょに定期乗車券を利用して、高田村の「窮行きゅうこう女学院」に通っているので、私は朝夕、プラットホームに立って彼女を送りまた迎えた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
お前も同伴いっしょに往けと云うから、同伴に踉いて歩きながら己を見ると、己は黄色な大きな鮒になっておる、どうも不思議でたまらんから、理由わけを聞きたいと思うたが、聞くこともできんから
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「貴様はおれと同伴いっしょにおりたいか」
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)