何分なんぶ)” の例文
紺の臭いのする新しい印絆天しるしばんてん皮並かわな何分なんぶという股引、首にくい込むようないなせな腹掛け、白木の算盤玉の三尺に豆絞りの手拭で向こう鉢巻。
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
学問のある人の書くような読み易い字で、帳面をば附けたなら私共の商売は上ったりで……。つまり何分なんぶかの口銭こうせんを取った上に、数える時に儲ける。帳面に附ける時に又輪をかける。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
だれが何分なんぶ延びたというしるしを鉛筆で柱の上にしるしつけて置いた。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)