トップ
>
何分
>
なにぶん
ふりがな文庫
“
何分
(
なにぶん
)” の例文
見捨
(
みすて
)
たと云
廉
(
かど
)
があるゆゑ
道具
(
だうぐ
)
衣類
(
いるゐ
)
は云までもなく百兩の
持參金
(
ぢさんきん
)
はとても返す
氣遣
(
きづか
)
ひなしと思ふゆゑ
夫
(
それ
)
は
損
(
そん
)
をしても
構
(
かまは
)
ぬが
何分
(
なにぶん
)
離縁状
(
りえんじやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(青金で
誰
(
だれ
)
か
申
(
もう
)
し上げたのはうちのことですが、
何分
(
なにぶん
)
汚
(
きた
)
ないし、いろいろ
失礼
(
しつれい
)
ばかりあるので。)(いいえ、何もいらないので。)
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
何分
(
なにぶん
)
にも乗組員の数が少ないから、各人はそれぞれ相当重い役割をつとめなければならない。それは覚悟して置いてもらいましょう
火星探険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
歳は私より
十
(
とお
)
ばかり上だが、
何分
(
なにぶん
)
気分が子供らしくて、ソコデ私を中津に
還
(
か
)
えすような計略を
運
(
めぐ
)
らしたのが、私の身には一大災難。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
男「
大
(
おお
)
きに
待遠
(
まちどお
)
だったろうな、もっと早く出ようと心得たが、
何分
(
なにぶん
)
出入
(
でいり
)
が
多人数
(
たにんず
)
で、奉公人の手前もあって出る事は出来なかった」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「
何分
(
なにぶん
)
お願ひ申す。」と、松村も同意した。小幡は先づ
用人
(
ようにん
)
の五左衞門を呼び出して調べた。かれは今年四十一歳で譜代の家來であつた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これと
申
(
もう
)
すも
偏
(
ひとえ
)
に
御指導役
(
ごしどうやく
)
のお
爺
(
じい
)
さまのお
骨折
(
ほねおり
)
、
私
(
わたくし
)
からも
厚
(
あつ
)
くお
礼
(
れい
)
を
申上
(
もうしあ
)
げます。この
後
(
のち
)
とも
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しうお
依
(
たの
)
み
申
(
もう
)
しまする……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかるに世間というものはここが話じゃ、今来たのは一名の立派な紳士じゃ、夜会の帰りかとも思われる、
何分
(
なにぶん
)
か酔うてのう。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何分
(
なにぶん
)
空氣
(
くうき
)
が
棺
(
かん
)
の
中
(
なか
)
へ
侵入
(
しんにゆう
)
するので、
今日
(
こんにち
)
これを
開
(
あ
)
けて
見
(
み
)
ても
骨
(
ほね
)
の
遺
(
のこ
)
つてゐるのはごく
稀
(
まれ
)
であつて、わづかに
齒
(
は
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐるくらゐであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
あの部屋は
何分
(
なにぶん
)
われわれに適当しないから、約束の一週間の終わるまでここにいることは出来ないと言い聞かせると、女は平気でこう言うのだ。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
で、ただその供養を見ただけで
法会
(
ほうえ
)
には行きません。なぜ行かないかというに
何分
(
なにぶん
)
急込
(
せせこま
)
しくってなかなか
坐
(
すわ
)
る場所がない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
何分
(
なにぶん
)
此頃
(
このごろ
)
飛出
(
とびだ
)
しが
始
(
はじ
)
まつて
私
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉
(
たきち
)
と
倉
(
くら
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらゐの
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
引
(
ひき
)
とめられぬ
働
(
はたら
)
きをやるからの、
萬一
(
まんいち
)
井戸
(
ゐど
)
へでも
懸
(
かゝ
)
られてはと
思
(
おも
)
つて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
母はただ
叔父
(
おじ
)
に万事を頼んでいました。そこに
居合
(
いあわ
)
せた私を指さすようにして、「この子をどうぞ
何分
(
なにぶん
)
」といいました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私にもあまり
好
(
い
)
い気持がしなかったが、
何分
(
なにぶん
)
安値
(
やす
)
くもあるし、
賑
(
にぎや
)
かでもあったので、ついつい
其処
(
そこ
)
に居たのであった。
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
これは前記『日本アルプス』の中の
何
(
ど
)
の辺に出ている言葉であるか、
何分
(
なにぶん
)
今から十二三年前の作であるから、引用した私にも分らない、覚えていない。
それからそれ:書斎山岳文断片
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
何分
(
なにぶん
)
地震で屋根がこわれ落ちているところへ、どんどん火の子をかぶるのですからたまったものではありません。
大震火災記
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
何分
(
なにぶん
)
各人の願い望みがまちまちであるために、今では名ばかりのこって、一年に一どの
物詣
(
ものまい
)
りにつき合うだけ、またはほうぼうから集まってくるのみで
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「中世の伝説を集めた本でしてね。十四五世紀の
間
(
あいだ
)
に出来たものなんですが、
何分
(
なにぶん
)
原文がひどい
羅甸
(
ラテン
)
なんで——」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何分
(
なにぶん
)
にも明治初年か
慶応
(
けいおう
)
頃の
撮影
(
さつえい
)
であるからところどころに星が出たりして遠い昔の
記憶
(
きおく
)
のごとくうすれているのでそのためにそう見えるのでもあろうが
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お
豊
(
とよ
)
は
何分
(
なにぶん
)
よろしくと頼んでお
滝
(
たき
)
が
引止
(
ひきと
)
めるのを
辞退
(
じたい
)
して
其
(
そ
)
の
家
(
いへ
)
を出た。春の
夕陽
(
ゆふひ
)
は赤々と
吾妻橋
(
あづまばし
)
の
向
(
むか
)
うに傾いて、花見帰りの混雑を一層
引立
(
ひきた
)
てゝ見せる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「そういえば、お昼過ぎ、何だか大きな音がした様にも思いますが、
何分
(
なにぶん
)
直ぐ裏の山で始終鉄砲の音がしているものですから、別に気にも止めませんでした」
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「いや、
何分
(
なにぶん
)
お願いします。でも、却って余り騒がない方がいいと思います。じゃあ、もうこれ位で……」
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
何分
(
なにぶん
)
とっぴで、ちょっとチンドン屋みたいでおかしいところへ、チョコチョコと駆けだす恰好が、玉乗りのため妙な腰つきになったのか、ヘンにおかしいのだが
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
その書類はわたしの部屋……いや、われわれの部屋の机の
抽斗
(
ひきだし
)
にはいっているのだが、
何分
(
なにぶん
)
にも秘密の使いだから弁護士や雇い人を出してやるわけにいかないのだ。
世界怪談名作集:15 幽霊
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
養和の頃の出来事であったと覚えているが
何分
(
なにぶん
)
にも古い事ではっきりした時は云われないのだが、その頃の二年の間と云うもの実にひどい飢饉のあった事があった。
現代語訳 方丈記
(新字新仮名)
/
鴨長明
(著)
何分
(
なにぶん
)
九十近い老体のことだから、起居が
不自由
(
ふじゆ
)
に、どうかすると坐つたまま小水をもらすこともあるが、そんななかにも和尚は手にした筆だけは放さうとしなかつた。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何分
(
なにぶん
)
こつちに充分な時間的な証拠がないので、とうとう新しい事実は一つもつかみ出せなかつた。
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
当時
旭
(
あさひ
)
の昇るような勢いの『ヘルキュレス』、勝目のところはよく行って
四分六
(
しぶろく
)
、せいぜい七分三分の兼ね合いというところ、
何分
(
なにぶん
)
にも望みのすくない話でごぜますが
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
どうかして
敵
(
かたき
)
を
打
(
う
)
ちたいと
思
(
おも
)
いますが、
何分
(
なにぶん
)
向
(
む
)
こうは
三上山
(
みかみやま
)
を
七巻
(
ななま
)
き
半
(
はん
)
も
巻
(
ま
)
くという
大
(
おお
)
むかでのことでございますから、よし
向
(
む
)
かって行っても
勝
(
か
)
つ
見込
(
みこ
)
みがございません。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
先方
(
さき
)
でも
何言
(
なにごと
)
も云わずにまた
後方
(
うしろ
)
へ
居
(
お
)
って、
何処
(
どこ
)
ともなく出て行ってしまった、
何分
(
なにぶん
)
時刻が時刻だし、第一昨夜私は寝る前に確かに閉めた
闥
(
ドア
)
が外から
明
(
あ
)
けられる道理がない
闥の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
遠方
(
ゑんぱう
)
までわざ/\
出迎
(
でむか
)
へを
受
(
う
)
けて、
大儀
(
たいぎ
)
であつた。
何分
(
なにぶん
)
新役
(
しんやく
)
のことだから、
萬事
(
ばんじ
)
宜
(
よろ
)
しく
頼
(
たの
)
む。しかしかうして、
奉行
(
ぶぎやう
)
となつて
見
(
み
)
れば、
各々
(
おの/\
)
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
は、
余
(
よ
)
の
子
(
こ
)
のやうに
思
(
おも
)
ふ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
カピ長
先度
(
せんど
)
申
(
まう
)
した
通
(
とほ
)
りを
繰返
(
くりかへ
)
すまでゞござる。
何分
(
なにぶん
)
にも
世間
(
せけん
)
知らず、まだ十
四度
(
よど
)
とは
年
(
とし
)
の
變移目
(
かはりめ
)
をば
見
(
み
)
ぬ
女
(
むすめ
)
、せめてもう
二夏
(
ふたなつ
)
の
榮枯
(
わかばおちば
)
を
見
(
み
)
せいでは、
適齡
(
としごろ
)
とも
思
(
おも
)
ひかねます。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
小浜と
愛野
(
あいの
)
間
僅
(
わずか
)
に五
哩
(
マイル
)
を走る小鉄道で、島原鉄道と連絡しているので、雲仙登山には好都合の訳であるが、
何分
(
なにぶん
)
一時間半以上の間隔をおいて発車するので、実用には縁遠く
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
「そうか。では、気の毒じゃが、
何分
(
なにぶん
)
頼むよ」と言ったまま、そわそわと宿を出てしまった。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
合衆国
(
がっしゅうこく
)
の
桑港
(
サンフランシスコ
)
から、国の中央を横切っている、かの横断鉄道には、その時、
随分
(
ずいぶん
)
不思議な
談
(
はなし
)
もあったが、
何分
(
なにぶん
)
ロッキー
山
(
さん
)
の山奥を通過する際などは、その
辺
(
あたり
)
何百里というもの
大叫喚
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
娘は
終
(
つい
)
にその
俳優
(
やくしゃ
)
の
胤
(
たね
)
を宿して、女の子を産んだそうだが、
何分
(
なにぶん
)
にも、
甚
(
はなは
)
だしい難産であったので、三日目にはその生れた子も死に、娘もその
後
(
のち
)
産後の
日立
(
ひだち
)
が
悪
(
わ
)
るかったので
因果
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
門灯の光で、千種の
風体
(
ふうてい
)
には怪しいところは無いと見た様子ですが。
何分
(
なにぶん
)
にも遅過ぎます。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
柳川君
(
やながはくん
)
、
然
(
さ
)
らば
之
(
これ
)
にてお
別
(
わか
)
れ
申
(
まう
)
すが、
春枝
(
はるえ
)
と
日出雄
(
ひでを
)
の
事
(
こと
)
は
何分
(
なにぶん
)
にも——。』と
彼
(
かれ
)
は
日頃
(
ひごろ
)
の
豪壯
(
がうさう
)
なる
性質
(
せいしつ
)
には
似合
(
にあ
)
はぬ
迄
(
まで
)
、
氣遣
(
きづか
)
はし
氣
(
げ
)
に、
恰
(
あだか
)
も
何者
(
なにもの
)
か
空中
(
くうちゆう
)
に
力強
(
ちからつよ
)
き
腕
(
うで
)
のありて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
余も感心せざるにあらねど余は
何分
(
なにぶん
)
にも今まで心に集めたる彼れが無罪の
廉々
(
かど/\
)
を忘れ兼れば
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
総督は
逆手
(
さかて
)
をとって、彼がいつぞや土木局の連中を相手にもちあげたさる
醜聞
(
しゅうぶん
)
を、わざわざ言い出したので、彼は弁明これ努めて、
何分
(
なにぶん
)
にもあの
頃
(
ころ
)
はまだ未経験だったので——と
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
何分
(
なにぶん
)
ヘッドライトもないし次の瞬間には
車内燈
(
ルームライト
)
の光りの外に闇に消えてしまっていたというのですが、これを聞いた時、私たちさっきの青大将を見た連中は唇の色を失っていました。
穴
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
何分
(
なにぶん
)
じっとしていられなくなって、室内をあちらこちらと歩きはじめました。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
何分
(
なにぶん
)
にも
老先
(
おいさき
)
の短かい身に頼り少いのが心細く、養子を貰ったそうだ。
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
何分
(
なにぶん
)
戦後
(
せんご
)
で、
品物
(
しなもの
)
がないのですから。
窓の内と外
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そうですか、では、
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しく」
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「では、
何分
(
なにぶん
)
よろしく願います。」
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
『
難有
(
ありがた
)
いね、
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しく。』
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
重
(
かさ
)
ね右の
趣
(
おもぶ
)
きまで願書に
認
(
したゝ
)
め居たるに加賀屋長兵衞入り來り我等
何分
(
なにぶん
)
にも取扱ひ候間
今
(
いま
)
少
(
すこ
)
し御待ち下さるべし白子屋方へ
能々
(
よく/\
)
異見
(
いけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
例のごとくその夜は山の間に露宿してさてその翌日は東北の方向を取ればある
駅場
(
えきば
)
に出られる訳ですが、
何分
(
なにぶん
)
にも磁石がないから方角が分らない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
余はそれを通読するつもりで
宅
(
うち
)
へ持って帰ったが、
何分
(
なにぶん
)
課業その他が忙がしいので段々延び延びになって、
何時
(
いつ
)
まで立っても目的を果し得なかった。
博士問題とマードック先生と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“何分”で始まる語句
何分共
何分宜
何分時
何分御頼