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掛
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かけ
ふりがな文庫
“
掛
(
かけ
)” の例文
染出
(
そめいだ
)
したる
萌黄緞子
(
もえぎどんす
)
の
油箪
(
ゆたん
)
を掛て二棹宰領四人づつ次に
黒塗
(
くろぬり
)
に
金紋
(
きんもん
)
付
紫
(
むらさ
)
きの
化粧紐
(
けしやうひも
)
掛
(
かけ
)
たる先箱二ツ徒士十人次に黒天鵞絨に白く
御紋
(
ごもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おつかは
幾
(
いく
)
らも
引
(
ひ
)
つ
掛
(
かけ
)
ねえつちやつたから、まあだまるつきり
新
(
あたら
)
しいやうだ
見
(
み
)
ろ、どうした
手
(
て
)
ランプまつとこつちへ
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
せえまあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
またちっとでも
強情
(
ねだ
)
りがましい了見があったり、一銭たりとも御心配を
掛
(
かけ
)
るような
考
(
かんがえ
)
があるんなら、私は誓って口は利かんのです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それですッかりおびやかされた彼は、もう伊兵衛よりスタスタと先に立って、柳町の
掛
(
かけ
)
小屋の裏から飛び込むように姿をかくしました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
か
)
の
電話機械
(
でんわきかい
)
といふものが始めて
参
(
まゐ
)
つた時に、
互
(
たがひ
)
に
掛
(
かけ
)
やうを知らぬから、両方で話をしようと思つても、
何
(
ど
)
うしても
解
(
わか
)
らなかつたといふ。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
細君
(
さいくん
)
の名を
互
(
たがひ
)
に知つて
仕舞
(
しま
)
つて居るので三浦工学士のペンを走らせて居る
後
(
うしろ
)
から「たま子さんに
宜
(
よろ
)
しく」などと声を
掛
(
かけ
)
る者もある。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
又
鎧潟
(
よろひがた
)
に近き
横戸
(
よこと
)
村の長徳寺、
谷根
(
たにね
)
村の行光寺も
怪力
(
くわいりよく
)
のきこえたかし。此人々はいづれも
独
(
ひとり
)
して
鐘
(
つりがね
)
を
軽
(
かろ
)
く
掛
(
かけ
)
はづしするほどの力は有し人々なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
刀の儀難
レ
有御厚禮申上候。何卒
便宜
(
べんぎ
)
を以て御遣し被
レ
下度奉
二
合掌
(
がつしやう
)
一
候。
掛
(
かけ
)
而
重疊
(
かさね/″\
)
自由の儀申上不都合千萬に御座候得共、御仁宥可
レ
被
レ
下候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
叔父
(
おじ
)
にさえあさましき
難題
(
なんだい
)
云い
掛
(
かけ
)
らるゝ世の中に赤の他人で
是
(
これ
)
ほどの
仁
(
なさけ
)
、胸に
堪
(
こた
)
えてぞっとする程
嬉
(
うれ
)
し悲しく、
咽
(
む
)
せ返りながら、
吃
(
きっ
)
と思いかえして
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お客へ出す前に玉子の黄身へ塩胡椒とレモンの汁を絞り出して混て白身を泡立せて加えたものをソースにして
掛
(
かけ
)
ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
意
(
おも
)
いのほか金が散かったり品物が
掛
(
かけ
)
になったりして、資本の運転が止ったところで、去年よりも一層不安な年の暮が、
直
(
すぐ
)
にまた二人を見舞って来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
元園町の女中に遣らうと思つて四十五銭と云ふ
紅入
(
べにいり
)
のを一
掛
(
かけ
)
買つたが、外にも何か買はせようとする
熱誠
(
ねつせい
)
と云ふものが主人と小僧さんの顔に満ちて居るので
六日間:(日記)
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
荒凉
(
くわうりやう
)
の
氣
(
き
)
に
打
(
う
)
たれた
彼
(
かれ
)
は、
何
(
なに
)
かなして
心
(
こゝろ
)
を
紛
(
まぎ
)
らさんと、イワン、デミトリチの
寐臺
(
ねだい
)
の
所
(
ところ
)
に
行
(
い
)
つて
腰
(
こし
)
を
掛
(
かけ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
丸い
卓
(
テーブル
)
には、
薔薇
(
ばら
)
の花を模様に
崩
(
くず
)
した五六輪を、淡い色で織り出したテーブル
掛
(
かけ
)
を、
雑作
(
ぞうさ
)
もなく引き
被
(
かぶ
)
せて、末は同じ色合の
絨毯
(
じゅうたん
)
と、
続
(
つ
)
づくがごとく、切れたるがごとく
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少し
我達
(
おれたち
)
の
利益
(
ため
)
になることを
云
(
いふ
)
と、『中止ツ』て言やがるんだ、其れから後で、弁士の席へ押し
掛
(
かけ
)
て、警視庁が車夫の
停車場
(
きやくまち
)
に炭火を許す様に骨折て
欲
(
ほし
)
いつて頼んでると
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
浴槽
(
ゆぶね
)
の一
端
(
たん
)
へ
後腦
(
こうなう
)
を
乘
(
のせ
)
て一
端
(
たん
)
へ
爪先
(
つまさき
)
を
掛
(
かけ
)
て、ふわりと
身
(
み
)
を
浮
(
うか
)
べて
眼
(
め
)
を
閉
(
つぶ
)
る。
時
(
とき
)
に
薄目
(
うすめ
)
を
開
(
あけ
)
て
天井際
(
てんじやうぎは
)
の
光線窓
(
あかりまど
)
を
見
(
み
)
る。
碧
(
みどり
)
に
煌
(
きら
)
めく
桐
(
きり
)
の
葉
(
は
)
の
半分
(
はんぶん
)
と、
蒼々
(
さう/\
)
無際限
(
むさいげん
)
の
大空
(
おほぞら
)
が
見
(
み
)
える。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
昨日
(
きのう
)
は
富家
(
ふうか
)
の門を守りて、
頸
(
くび
)
に真鍮の輪を
掛
(
かけ
)
し身の、今日は
喪家
(
そうか
)
の
狗
(
く
)
となり
果
(
はて
)
て、
寝
(
いぬ
)
るに
窠
(
とや
)
なく食するに肉なく、
夜
(
よ
)
は辻堂の
床下
(
ゆかした
)
に雨露を
凌
(
しの
)
いで、
無躾
(
ぶしつけ
)
なる
土豚
(
もぐら
)
に驚かされ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
幸運
(
こううん
)
悲運
(
ひうん
)
のけじめは
勿論
(
もちろん
)
あるとしても、
勝
(
か
)
つ者が
勝
(
か
)
つには
必
(
かなら
)
ず當
然
(
ぜん
)
の
理
(
り
)
由がある。
蹴落
(
けおと
)
されて
憐憫
(
れんびん
)
を
待
(
ま
)
つ如き心
掛
(
かけ
)
なら、
初
(
はじ
)
めから如何なる
勝負
(
せうふ
)
にも
戰
(
たゝか
)
ひにも出る
資格
(
しかく
)
はない
譯
(
わけ
)
だ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「少しばかりの
掛
(
かけ
)
を集めて、あんまり汗になったから途中で一と風呂入って戻りました」
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
拠無
(
よんどころな
)
く夕方から徒歩で
大坂
(
おおさか
)
まで
出掛
(
でかけ
)
る途中、
西
(
にし
)
の
宮
(
みや
)
と
尼
(
あま
)
が
崎
(
さき
)
の
間
(
あい
)
だで非常に
草臥
(
くたび
)
れ、
辻堂
(
つじどう
)
の
椽側
(
えんがわ
)
に腰を
掛
(
かけ
)
て休息していると、脇の細道の方から
戛々
(
かつかつ
)
と音をさせて何か来る者がある
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
してみると、
乃公
(
わし
)
らも二千五百万年後には矢張今のやうにお前さんの店で
午飯
(
ひるめし
)
を食つてゐる筈なのだ。ところで、物は相談だが、この勘定をそれまで
掛
(
かけ
)
にして置いては呉れまいかね。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
偐紫田舎源氏
(
にせむらさきいなかげんじ
)
』の
版元
(
はんもと
)
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
の
地本問屋
(
じほんどんや
)
鶴屋
(
つるや
)
の
主人
(
あるじ
)
喜右衛門
(
きうえもん
)
は先ほどから
汐留
(
しおどめ
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
に
行燈
(
あんどう
)
を
掛
(
かけ
)
ならべた
唯
(
と
)
ある
船宿
(
ふなやど
)
の二階に
柳下亭種員
(
りゅうかていたねかず
)
と名乗った
種彦
(
たねひこ
)
門下の若い
戯作者
(
げさくしゃ
)
と二人ぎり
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
金銭なんぞ取扱うよりも読書一偏の学者になって居たいという
考
(
かんがえ
)
であるに、
存
(
ぞん
)
じ
掛
(
かけ
)
もなく
算盤
(
そろばん
)
を
執
(
とっ
)
て金の数を数えなければならぬとか、
藩借
(
はんしゃく
)
延期の談判をしなければならぬとか
云
(
い
)
う仕事で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
どれも大きな
髷
(
まげ
)
に結って、綺麗な
簪
(
かんざし
)
をさし、緋の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
に広くない帯、緋繻子の広い
衿
(
えり
)
を附けた
掛
(
かけ
)
という姿です。すっかり順に並びますと、その前へ
蒔絵
(
まきえ
)
の煙草盆と長い
煙管
(
キセル
)
とを置きます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
彼の感得せし水晶の珠数は
掛
(
かけ
)
て今なほ襟にあり、
護身刀
(
まもりがたな
)
の袋の緒は常に
解
(
とき
)
て
右手
(
めて
)
に引着けたり、法華経八軸は暫らくも身辺を離れず、而して大凡悩大業獣に向ふこと
莫逆
(
ばくぎやく
)
の朋友に対するが如し。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
苔
(
こけ
)
のしたにて
聞
(
き
)
かば
石
(
いし
)
もゆるぐべし、
井戸
(
ゐど
)
がはに
手
(
て
)
を
掛
(
かけ
)
て
水
(
みづ
)
をのぞきし
事
(
こと
)
三四
度
(
ど
)
に
及
(
およ
)
びしが、つく/″\
思
(
おも
)
へば
無情
(
つれなし
)
とても
父樣
(
とゝさま
)
は
眞實
(
まこと
)
のなるに、
我
(
わ
)
れはかなく
成
(
な
)
りて
宜
(
よ
)
からぬ
名
(
な
)
を
人
(
ひと
)
の
耳
(
みゝ
)
に
傳
(
つた
)
へれば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
掛
(
かけ
)
まくも
文
(
あや
)
に
恐
(
かしこ
)
き、いはまくも穴に尊き、
広幡
(
ひろはた
)
の
八幡
(
やはた
)
の
御神
(
みかみ
)
、此浦の
行幸
(
いでまし
)
の宮に、
八百日日
(
やおかび
)
はありといへども、
八月
(
はつき
)
の今日を
足日
(
たるひ
)
と、行幸して遊び
坐
(
いま
)
せば、
神主
(
かみぬし
)
は御前に立ちて、
幣帛
(
みてぐら
)
を捧げ
仕
(
つか
)
ふれ
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
近年は湯銭の五銭に対して蕎麦の
盛
(
もり
)
・
掛
(
かけ
)
は十銭という倍額になった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
染物をならべて
掛
(
かけ
)
る柳かな 路健
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
そりゃア貴方
仮令
(
たとえ
)
炭屋でも婚礼の席は立派にしなければなりませんから、嫁も
地赤
(
じあか
)
に縫い模様の振袖に白の
掛
(
かけ
)
位は着なければなりません
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
土間に、置きすててある
笈
(
おいずる
)
を、老人はひっくり返して、あわただしく
検
(
あらた
)
めた。赤い
涎
(
よだ
)
れ
掛
(
かけ
)
をした地蔵如来、幾つもの巾着、
守札
(
まもりふだ
)
、椿の花——
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
晩方
来
(
う
)
せた旅僧めも、その同類、茶店の
婆
(
ばば
)
も怪しいわ。手引した宰八も抱込まれたに相違ない。道理こそ化物沙汰に輪を
掛
(
かけ
)
る。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其方儀
主人
(
しゆじん
)
妻
(
つま
)
何程
(
なにほど
)
申付候共又七も主人の
儀
(
ぎ
)
に
付
(
つき
)
致方
(
いたしかた
)
も
有之
(
これある
)
べき處主人又七に
疵
(
きず
)
を
付
(
つけ
)
剩
(
あまつ
)
さへ
不義
(
ふぎ
)
の申
掛
(
かけ
)
を致さんとせし段
不屆至極
(
ふとゞきしごく
)
に付
死罪
(
しざい
)
申
付
(
つく
)
る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
勘次
(
かんじ
)
もおつぎもみそ
萩
(
はぎ
)
の
小
(
ちひ
)
さな
花束
(
はなたば
)
の
先
(
さき
)
を
茶碗
(
ちやわん
)
の
水
(
みづ
)
に
浸
(
ひた
)
して
其
(
そ
)
の
水
(
みづ
)
をはらりと
芋
(
いも
)
の
葉
(
は
)
へ
盛
(
も
)
つた
茄子
(
なす
)
へ
振
(
ふ
)
り
掛
(
かけ
)
けた。
勘次
(
かんじ
)
は
雨戸
(
あまど
)
を一
杯
(
ぱい
)
に
開
(
あ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
又
鎧潟
(
よろひがた
)
に近き
横戸
(
よこと
)
村の長徳寺、
谷根
(
たにね
)
村の行光寺も
怪力
(
くわいりよく
)
のきこえたかし。此人々はいづれも
独
(
ひとり
)
して
鐘
(
つりがね
)
を
軽
(
かろ
)
く
掛
(
かけ
)
はづしするほどの力は有し人々なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
殊更
憂
(
うれい
)
を含む
工合
(
ぐあい
)
凄味
(
すごみ
)
あるに
総毛立
(
そうけだち
)
ながら
尚
(
なお
)
能
(
よ
)
くそこら
見廻
(
みまわ
)
せば、床に
掛
(
かけ
)
られたる一軸
誰
(
たれ
)
あろうおまえの姿絵
故
(
ゆえ
)
少し
妬
(
ねた
)
くなって一念の
無明
(
むみょう
)
萌
(
きざ
)
す途端
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
別に薄切のパンをバターでいためてその上へ焼いたシブレを載せてフレッシバターを鍋で
焦
(
こ
)
がして上から
掛
(
かけ
)
たのがこのシブレグレーオーコロトンというものです
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
荒凉
(
こうりょう
)
の
気
(
き
)
に
打
(
う
)
たれた
彼
(
かれ
)
は、
何
(
なに
)
かなして
心
(
こころ
)
を
紛
(
まぎ
)
らさんと、イワン、デミトリチの
寐台
(
ねだい
)
の
所
(
ところ
)
に
行
(
い
)
って
腰
(
こし
)
を
掛
(
かけ
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
堂内はゴシツク式建築の大寺院の例に漏れず薄暗い中に
現世
(
げんせ
)
と
掛
(
かけ
)
離れた
幽静
(
いうせい
)
を感ぜしめ、幾つかの窓の
瑠璃
(
るり
)
の
地
(
ぢ
)
に五
色
(
しき
)
を
彩
(
いろど
)
つた色
硝子
(
ガラス
)
が天国を
覗
(
のぞ
)
く様に
気高
(
けだか
)
く美しい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「少しばかりの
掛
(
かけ
)
を集めて、あんまり汗になつたから途中で一と風呂入つて戻りました」
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝夕
(
あけくれ
)
黄金丸が傍に
傅
(
かしず
)
きて、何くれとなく
忠実
(
まめやか
)
に働くにぞ、黄金丸もその
厚意
(
こころ
)
を
嘉
(
よみ
)
し、
情
(
なさけ
)
を
掛
(
かけ
)
て使ひけるが、もとこの阿駒といふ鼠は、去る
香具師
(
こうぐし
)
に飼はれて、
種々
(
さまざま
)
の芸を仕込まれ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
格子の
外
(
そと
)
から声を
掛
(
かけ
)
ると、
洋燈
(
ランプ
)
を持つて下女が
出
(
で
)
た。が平岡は夫婦とも留守であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
例の通りこの刑を
行
(
おこな
)
いしが、その婦人の霊、護送者の家へ尋ね行き、
今日
(
こんにち
)
は御主人にお
手数
(
てかず
)
を
掛
(
かけ
)
たり、御帰宅あらば
宜敷
(
よろしく
)
と
云置
(
いいお
)
き、
忽
(
たちま
)
ち影を見失いぬ、妻不思議に思いいるところへ
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
そ、そんな
事
(
こと
)
考
(
かんが
)
へちやいけない。
僕達
(
ぼくたち
)
はせめてさういふ
夢
(
ゆめ
)
でも
楽
(
たの
)
しんでゐたいぢやないか。——それにまた、
思
(
おも
)
ひ
掛
(
かけ
)
ない巡り
合
(
あは
)
せで、人にはどんな
好運
(
かううん
)
が向いて※ないとも
限
(
かぎ
)
らないからね……
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
三
角
(
すみ
)
さんは、
休屋
(
やすみや
)
の
浜
(
はま
)
ぞひに、
恵比寿島
(
ゑびすじま
)
、
弁天島
(
べんてんじま
)
、
兜島
(
かぶとじま
)
を、
自籠
(
じごもり
)
の
岩
(
いは
)
——(
御占場
(
おうらなひば
)
の
真
(
ま
)
うしろに
当
(
あ
)
たる)——
掛
(
かけ
)
て、ひとりで
舟
(
ふね
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
頭の高いのがよく見えるのだから
可笑
(
おか
)
しい。彼女が、今の家に、
囲碁指南
(
いごしなん
)
のかんばんを
掛
(
かけ
)
ると、かねがね、眼をつけていたのが早速に集まった。
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は
漸
(
やつと
)
のことで
戸口
(
とぐち
)
に
立
(
た
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
を
喚
(
よ
)
ばうとして
見
(
み
)
たら
内
(
うち
)
はひつそりと
闇
(
くら
)
い。
戸口
(
とぐち
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ
見
(
み
)
たら
鍵
(
かぎ
)
が
掛
(
かけ
)
てあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
持
(
もち
)
たる
木鋤
(
こすき
)
にて和尚を
掘
(
ほり
)
いだしければ、和尚大に
笑
(
わら
)
ひ
身
(
み
)
うちを見るに
聊
(
いさゝか
)
も
疵
(
きず
)
うけず、
耳
(
みゝ
)
に
掛
(
かけ
)
たる
眼鏡
(
めかね
)
さへつゝがなく
不思議
(
ふしぎ
)
の命をたすかり給ひぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其方儀
養子
(
やうし
)
又七に
疵
(
きず
)
付
(
つけ
)
剩
(
あまつ
)
さへ不義の申
掛
(
かけ
)
致候樣下女きくに申
付
(
つけ
)
る段人に
母
(
はゝ
)
たるの
行
(
おこな
)
ひに
非
(
あら
)
ず
不埓
(
ふらち
)
至極
(
しごく
)
に
付
(
つき
)
遠島
(
ゑんたう
)
申
付
(
つく
)
る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
打
(
ぶた
)
るゝ程憎まれてこそ
誓文
(
せいもん
)
命
掛
(
かけ
)
て移り気ならぬ真実をと早速の
鸚鵡
(
おうむ
)
返し、
流石
(
さすが
)
は
可笑
(
おか
)
しくお辰笑いかけて、身を縮め声低く、
此
(
この
)
手を。離さぬが悪いか。ハイ。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“掛”を含む語句
引掛
掛合
突掛
仕掛
乗掛
心掛
追掛
倚掛
前掛
願掛
肩掛
行掛
卓子掛
出掛
腰掛
手掛
凭掛
立掛
掛茶屋
差掛
...