“紅入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
べにいり66.7%
べにい33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信如は田町の姉のもとへ、長吉は我家のかたへと行別れるに思ひのとどまる紅入べにいりの友仙は可憐いぢらしき姿を空しく格子門の外にととどめぬ。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「はい、何を差上げます。」と言う声が沈んで、泣いていたらしい片一方の目を、俯向けに、紅入べにいり友染ゆうぜんの裏が浅葱あさぎの袖口で、ひったりおさえた。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お庄は日焼けのした丸い顔や、田舎田舎した紅入べにい友染ゆうぜんの帯を胸高むなだかに締めた自分の姿を見て、ぼッとしていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
信如は今ぞ淋しう見かへれば紅入べにいり友仙の雨にぬれて紅葉もみぢかたのうるはしきが我が足ちかくちりぼひたる、そぞろにゆかしき思ひは有れども、手に取あぐる事をもせずむなしう眺めて憂き思ひあり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)