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かかっ
賄の代金は大阪で
請取ると云う約束がしてあるからそれは宜しい。
何日掛ても構わぬ、途中から
上ることは出来ぬと云う。
金眸も
透さず黄金丸が、
太股を噛まんとす。噛ましはせじと
横間より、鷲郎は
躍り
掛て、金眸が
頬を噛めば。その隙に黄金丸は跳起きて、金眸が
脊に
閃りと
跨り、耳を噛んで左右に振る。
是れが文字とは
合点が
行かぬ。二十
何字を覚えて
仕舞うにも余程手間が
掛たが、学べば進むの道理で、次第々々に蘭語の
綴も
分るようになって来た。
牢屋に大地震の如し所で三十七日
掛て
桑港に
着た。航海中私は
身体が丈夫だと見えて怖いと思うたことは一度もない。