“掛(がゝ)” の例文
清「己(おれ)は今通り掛(がゝ)って雨に遇(あ)って逃げる処がねえのに、雷様(らいさま)が鳴って来たから魂消(たまげ)てお前(めえ)らが家(うち)へ駈込んで、今囲炉裡へ麁朶ア一燻(ひとくべ)したゞ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
美術館(ピナコテカ)では沢山(たくさん)あるリユニイの絵を面白いと思つた。ラフワエルの「処女のマリア」は呼物(よびもの)であるに拘(かゝは)らず芝居掛(がゝ)つた有難くない絵であつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
「どうしたつちこともねえがなよ、俺(お)らこつちの方(はう)通(とほ)つたもんだから一寸(ちよつくら)踏(ふ)ん掛(がゝ)つて見(み)た處(ところ)さ」おつたは何(なに)か理由(わけ)の有相(ありさう)な口吻(くちつき)で輕(かる)くいつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうして夫等(それら)の愛(あい)に生(い)きるものが重(かさ)ならない許(ばかり)に隙間(すきま)なく清水谷(しみづだに)から辨慶橋(べんけいばし)へ續(つゞ)いて、互(たがひ)に睦(むつ)まじく浮(うい)てゐると、通(とほ)り掛(がゝ)りの小僧(こぞう)だの閑人(ひまじん)が、石(いし)を打(う)ち付(つ)けて
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)