トップ
>
掛
>
が
ふりがな文庫
“
掛
(
が
)” の例文
また
或時
(
あるとき
)
、市中より何か
買物
(
かいもの
)
をなして
帰
(
かえ
)
り
掛
(
が
)
け、
鉛筆
(
えんぴつ
)
を借り
少時
(
しばらく
)
計算
(
けいさん
)
せらるると思ううち、アヽ
面倒
(
めんどう
)
だ面倒だとて鉛筆を
抛
(
なげう
)
ち去らる。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
宗助
(
そうすけ
)
にも
御米
(
およね
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
程
(
ほど
)
稀
(
たま
)
な
客
(
きやく
)
なので、
二人
(
ふたり
)
とも
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
があつての
訪問
(
はうもん
)
だらうと
推
(
すゐ
)
したが、
果
(
はた
)
して
小六
(
ころく
)
に
關
(
くわん
)
する
件
(
けん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
偶
(
ふ
)
と紫玉は、
宵闇
(
よいやみ
)
の森の
下道
(
したみち
)
で
真暗
(
まっくら
)
な大樹巨木の
梢
(
こずえ
)
を仰いだ。……思ひ
掛
(
が
)
けず空から
呼掛
(
よびか
)
けたやうに聞えたのである。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
厚さにも二枚
掛
(
が
)
け、三枚掛けと色々ある。これは私が仏師になった時代のことだが、
今日
(
こんにち
)
ではいろいろの大きさの箔が出来ていて調法になっています。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
と
素
(
もと
)
より勝手を知って居りますから、忽ちに市四郎が岩角に
捕
(
つか
)
まって這い上り、
樹
(
き
)
の根へ足を
蹈
(
ふ
)
ん
掛
(
が
)
けて
彼
(
か
)
のお藤を助けまして、水を飲ませ
脊
(
せな
)
を
撫
(
さす
)
り
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
爺さんは、むっつりと、苦虫を噛みつぶしたような面構えで、
炉傍
(
ろばた
)
に煙草を
燻
(
ふ
)
かしていた。弟の庄吾は、婆さんの手伝いで、
尻端折
(
しりはしょ
)
りになって
雑巾
(
ぞうきん
)
掛
(
が
)
けだった。
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
坊
(
ばう
)
さんは
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
好
(
い
)
いお
客
(
きやく
)
と
見
(
み
)
たらしく、
俄
(
にはか
)
に
手
(
て
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
小坊主
(
こばうず
)
を
呼
(
よ
)
び
茶
(
ちや
)
と
菓子
(
くわし
)
とを
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
させた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
それでも
隣
(
となり
)
では
其
(
その
)
木
(
き
)
の
始末
(
しまつ
)
をつける
時
(
とき
)
にそこらへ
散
(
ち
)
らばつた
小枝
(
こえだ
)
や
其
(
その
)
他
(
た
)
の
屑物
(
くづもの
)
はお
品
(
しな
)
の
家
(
いへ
)
へ
與
(
あた
)
へたので
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
薪
(
たきゞ
)
が
出來
(
でき
)
たのと、も
一
(
ひと
)
つは
幾
(
いく
)
らでも
東
(
ひがし
)
が
隙
(
す
)
いたのとで
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
今日
(
きょう
)
は
思
(
おも
)
い
掛
(
が
)
けない
人
(
ひと
)
を
連
(
つ
)
れて
来
(
く
)
るが、
誰
(
だれ
)
であるか
一
(
ひと
)
つ
当
(
あ
)
てて
見
(
み
)
るがよい……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それは村道に接した一軒家で、
藁
(
わら
)
でかこった小屋
掛
(
が
)
けがもうその隅にできていた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
繞石
(
ぜうせき
)
君に逢はうとは思ひ
掛
(
が
)
けなかつたので、
扉
(
と
)
を開けて
這入
(
はひ
)
つて来たのも、
少時
(
しばらく
)
話した
後
(
あと
)
で
曲
(
くね
)
つた梯子段を寒い
夜更
(
よふけ
)
に降りて
行
(
い
)
つたのも芝居の人物の出入りの様な気がしてならなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
何が開国論なものか、存じ
掛
(
が
)
けもない話だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何
(
なに
)
か
事
(
こと
)
が
起
(
おこ
)
つたのかと思つて、
上
(
あが
)
り
掛
(
が
)
けに、書生部屋を
覗
(
のぞ
)
いて見たら、
直木
(
なほき
)
と誠太郎がたつた
二人
(
ふたり
)
で、
白砂糖
(
しろざとう
)
を
振
(
ふ
)
り
掛
(
か
)
けた
苺
(
いちご
)
を
食
(
く
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯
(
たゞ
)
さへ、
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
人影
(
ひとかげ
)
であるのに、
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
が、
星
(
ほし
)
のない
外面
(
とのも
)
の、
雨氣
(
あまけ
)
を
帶
(
お
)
びた、
雲
(
くも
)
に
染
(
にじ
)
んで、
屋根
(
やね
)
づたひに
茫
(
ばう
)
と
來
(
き
)
て、
此方
(
こなた
)
を
引包
(
ひきつゝ
)
むやうに
思
(
おも
)
はれる。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
茶受
(
ちやう
)
けには
結構
(
けつこう
)
なお菓子でございますなア……どうも思ひ
掛
(
が
)
けないことで……とオロ/\泣きながら、口の中でムク/\
噛
(
か
)
んで
居
(
を
)
りましたが、お茶がプツと出て
来
(
き
)
たから
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あとの僕等と
女画家
(
ぢよぐわか
)
とはドリヷル夫婦の自動車に相
乗
(
のり
)
してモンマルトルへ帰つた。文豪の誕生日の一
夜
(
や
)
を想ひ
掛
(
が
)
けなく
斯様
(
かやう
)
に面白く過ごしたのは栄誉である。
而
(
さ
)
うして
此
(
この
)
日は僕の誕生日でもあつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼
(
かれ
)
は
其日
(
そのひ
)
役所
(
やくしよ
)
の
歸
(
かへ
)
り
掛
(
が
)
けに
駿河臺下
(
するがだいした
)
迄
(
まで
)
來
(
き
)
て、
電車
(
でんしや
)
を
下
(
お
)
りて、
酸
(
す
)
いものを
頬張
(
ほゝば
)
つた
樣
(
やう
)
な
口
(
くち
)
を
穿
(
すぼ
)
めて一二
町
(
ちやう
)
歩
(
ある
)
いた
後
(
のち
)
、ある
齒醫者
(
はいしや
)
の
門
(
かど
)
を
潛
(
くゞ
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けなくおために
成
(
な
)
つて……
一寸
(
ちよつと
)
、
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
よ
私
(
わたし
)
は。……
矢張
(
やつぱり
)
何事
(
なにごと
)
も
心
(
こゝろ
)
は
通
(
つう
)
じますのですわね。」と
撫子
(
なでしこ
)
を
又
(
また
)
路傍
(
みちばた
)
へ。
忘
(
わす
)
れて
咲
(
さ
)
いたか、と
小草
(
をぐさ
)
にこぼれる。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
へえー……
何
(
な
)
にかえ、
貴方
(
あなた
)
は
神幸
(
かみかう
)
といふ
立派
(
りつぱ
)
な
御用達
(
ごようたし
)
で
大
(
たい
)
したお
生計
(
くらし
)
をなすつたお
方
(
かた
)
か……えーまアどうも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けないことだねえ、
貴方
(
あなた
)
の
家宅
(
ところ
)
の三
畳
(
でふ
)
大目
(
だいめ
)
の、お
数寄屋
(
すきや
)
が
出来
(
でき
)
た時に
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう
少
(
すこ
)
しの
事
(
こと
)
で、
其
(
その
)
安井
(
やすゐ
)
と
同
(
おな
)
じ
家主
(
やぬし
)
の
家
(
いへ
)
へ
同時
(
どうじ
)
に
招
(
まね
)
かれて、
隣
(
とな
)
り
合
(
あは
)
せか、
向
(
むか
)
ひ
合
(
あは
)
せに
坐
(
すわ
)
る
運命
(
うんめい
)
にならうとは、
今夜
(
こんや
)
晩食
(
ばんめし
)
を
濟
(
すま
)
す
迄
(
まで
)
、
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
へえー……
河内屋
(
かはちや
)
さん……エーまア
道理
(
だうり
)
こそ、
此砂張
(
このすばり
)
の
建水
(
こぼし
)
がお
目
(
め
)
に
留
(
と
)
まるといふのは、
余程
(
よほど
)
お
嗜好者
(
すきしや
)
とは
存
(
ぞん
)
じましたが……
貴方
(
あなた
)
は
河内屋
(
かはちや
)
さんでございましたか……
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けないことで……。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いやだんだん事件が面白く発展してくるな、今日はあまり天気が
宜
(
い
)
いので、来る気もなしに来たのであるが、こう云う好材料を
得
(
え
)
ようとは全く思い
掛
(
が
)
けなんだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と云うから、礼を云って立っていると、初さんは景気よく
段木
(
だんぎ
)
を
捕
(
つかま
)
えて片足
踏
(
ふ
)
ん
掛
(
が
)
けながら
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此前
(
このまへ
)
も
寄
(
よ
)
る
筈
(
はづ
)
であつたが、つい
遅
(
おそ
)
くなつたので
急
(
いそ
)
いで
帰
(
かへ
)
つた。
今日
(
けふ
)
は其
積
(
つもり
)
で
早
(
はや
)
く
宅
(
うち
)
を
出
(
で
)
た。が、
御息
(
おやす
)
み
中
(
ちう
)
だつたので、又
通
(
とほ
)
り迄行つて
買物
(
かひもの
)
を
済
(
す
)
まして
帰
(
かへ
)
り
掛
(
が
)
けに
寄
(
よ
)
る事にした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
貴方
(
あなた
)
の
知
(
し
)
らない
間
(
ま
)
に、縁談が
何
(
ど
)
れ程
進
(
すゝ
)
んだのか、
私
(
わたし
)
にも
能
(
よ
)
く
分
(
わか
)
らないけれど、
誰
(
だれ
)
にしたつて、
貴方
(
あなた
)
が、さう
的確
(
きつぱり
)
御断
(
おことわ
)
りなさらうとは思ひ
掛
(
が
)
けないんですもの」と梅子は
漸
(
やうや
)
くにして云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“掛”を含む語句
引掛
掛合
突掛
仕掛
乗掛
心掛
追掛
倚掛
前掛
願掛
肩掛
行掛
卓子掛
出掛
腰掛
手掛
凭掛
立掛
掛茶屋
差掛
...