“薄暗闇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすくらやみ75.0%
うすくらがり25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昼間何処いずくにか潜伏して、絶えて人にまみえず、黄昏こうこん蝦蟇の這出はいいづる頃を期して、飄然ひょうぜんと出現し、ここの軒下、かしこの塀際、垣根あたりの薄暗闇うすくらやみに隠見しつつ
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あいつ、何時いつもあゝなんだよ。弱虫なやつ」と云つてゐる同級生の冷笑と、建物のなかによどんでゐた例の欝々と病んだやうな梅の重たい匂とが、薄暗闇うすくらやみをとほして彼の感覚をかすめた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
薄暗闇うすくらがりの中から、後光ごくわうにつゝまれた顏を現はして、不思議な憐れみをこめて、私の上にかゞみかゝりはしないかと、心配になつて來たから。