“うすくらやみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
薄暗闇100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昼間何処いずくにか潜伏して、絶えて人にまみえず、黄昏こうこん蝦蟇の這出はいいづる頃を期して、飄然ひょうぜんと出現し、ここの軒下、かしこの塀際、垣根あたりの薄暗闇うすくらやみに隠見しつつ
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あいつ、何時いつもあゝなんだよ。弱虫なやつ」と云つてゐる同級生の冷笑と、建物のなかによどんでゐた例の欝々と病んだやうな梅の重たい匂とが、薄暗闇うすくらやみをとほして彼の感覚をかすめた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
薄暗闇うすくらやみなので、その男の年齢も容貌もよくは分らないが、片手に縄を持ち、片手にぎ澄ました大きな海軍ナイフを握りしめ、蒲団の上をきっと睨んだ、やがてナイフを逆手に持ち直し
鳩つかひ (新字新仮名) / 大倉燁子(著)