しゃが)” の例文
いろいろ考えたうちに一番感じたのは、自分がこんな泥だらけの服を着て、真暗なあなのなかにしゃがんでるところを、艶子つやこさんと澄江すみえさんに見せたらばと云う問題であった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しゃがんだ。煖炉敷ハースラッグの前でしゅっと云う音がする。乱れた紙は、静なるうちに、惓怠けったるのびをしながら、下から暖められて来る。きな臭い煙が、紙と紙の隙間すきまのぼって出た。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて初さんは、ぐるりと引っ繰り返って、正式に穴の方へ尻を向けた。そうしてしゃがんだ。と思うと、足からだんだん這入はいって行く。しまいには顔だけが残った。やがてその顔も消えた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは天井の陥落を防ぐため、少し広い所になると突っかい棒に張るために、シチュウが必要な作事場へ置いて行くんだそうだ。その上に二人ふたあり腰を掛けて、残る一人がしゃがんで丸太へ向いている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)