“芽生”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
めば63.6%
めばえ33.3%
がせい3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただこの花でむずかしいのは、芽生めばえのうちから葉の形で八重やえ一重ひとえを見分けて、一重をてて八重をのこすことであった。
何しろお前たちは見るに痛ましい人生の芽生めばえだ。泣くにつけ、笑うにつけ、面白がるにつけ淋しがるにつけ、お前たちを見守る父の心は痛ましく傷つく。
小さき者へ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それが茶に対する風雅な熱意ばかりであるのかと思ふと、さうではなく、それに芽生めばえたいろいろな俗情が頭をもたげて来るのであつた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「山県大弐、藤井右門、この人々の行ないこそは、あまりに行き過ぎたる行ないでござって、芽生めばえんとした尊王抑覇よくはの大切の若芽を苅り取りたるものでござる!」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何か腹癒はらいせに彼女をさんざんもてあそんでやりたいような悪魔的な野心も芽生めばえないわけに行かなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
日本の魔法使も、埃臭ほこりくさ飛田とびたの土の中から、コスモスの芽生めばえには似てもつかない色々いろんな物を見せてくれる。
それは、芽生めばえを摘んだら、親木が余計成長するだろうと思って、芽生を摘み摘みするうちに、親木が枯れて来たという話で、ひどく私は身にツマされた。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
勿論もちろん、根を抜かれた、肥料こやしになる、青々あおあおこなを吹いたそら豆の芽生めばえまじって、紫雲英れんげそうもちらほら見えたけれども。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんなですから私も自然見真似みまねをして、小さな鉢に松や南天などの芽生めばえを植え、庭に出る事が多いのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
折しも秋の末なれば、屋根にひたる芽生めばえかえで、時を得顔えがおに色付きたる、そのひまより、鬼瓦おにがわらの傾きて見ゆるなんぞ、戸隠とがくやま故事ふることも思はれ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かく多数となっても芽生がせいしたままで、親子、兄弟の身体が互いに連絡しているゆえ、同一の血液が全団体を通じて循環している。
理想的団体生活 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
苔虫類は芽生がせいで繁殖してつねに周囲に向こうてふえてゆくゆえ、戦線に立つものはいずれも屈強な壮年者ばかりであるが、国の内部に留まっている老年者の中にはむろん漸々ぜんぜん衰弱して死ぬ者もある。
理想的団体生活 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)