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めば
ふりがな文庫
“
芽生
(
めば
)” の例文
それが茶に対する風雅な熱意ばかりであるのかと思ふと、さうではなく、それに
芽生
(
めば
)
えたいろいろな俗情が頭を
擡
(
もた
)
げて来るのであつた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
ただこの花でむずかしいのは、
芽生
(
めば
)
えのうちから葉の形で
八重
(
やえ
)
と
一重
(
ひとえ
)
を見分けて、一重を
捨
(
す
)
てて八重を
残
(
のこ
)
すことであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
親切な感情などの
芽生
(
めば
)
えが最も良い生れの者と同じに彼等の心の内にもあるらしいといふことを忘れてはならない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
何しろお前たちは見るに痛ましい人生の
芽生
(
めば
)
えだ。泣くにつけ、笑うにつけ、面白がるにつけ淋しがるにつけ、お前たちを見守る父の心は痛ましく傷つく。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
私は、
久方振
(
ひさかたぶ
)
りのこうした安楽した気持におちついたので、願わくば、今二三月もこの土地で静養したいものだと、ふとそんな
贅沢
(
ぜいたく
)
な心が
芽生
(
めば
)
えてくるのだった。
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
ひそかな
芽生
(
めば
)
えを乙女の胸にもちながら、その芽を、あらぬ男に——あの吉岡清十郎にふみにじられて——住吉の海へまっしぐらに駈けこんだ時には、ほんとに
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「山県大弐、藤井右門、この人々の行ないこそは、あまりに行き過ぎたる行ないでござって、
芽生
(
めば
)
えんとした尊王
抑覇
(
よくは
)
の大切の若芽を苅り取りたるものでござる!」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして今その種の研究の
芽生
(
めば
)
えが、大陸で現実に育ちつつある姿を見て、非常に心強い気がした。
満洲通信
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
清正は
香染
(
こうぞ
)
めの
法衣
(
ころも
)
に隠した
戒刀
(
かいとう
)
の
欛
(
つか
)
へ手をかけた。
倭国
(
わこく
)
の
禍
(
わざわい
)
になるものは
芽生
(
めば
)
えのうちに除こうと思ったのである。しかし行長は
嘲笑
(
あざわら
)
いながら、清正の手を押しとどめた。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
少年ハイドンの楽才はモーツァルトのように
奇蹟的
(
きせきてき
)
ではなかったが、かなり早くから
芽生
(
めば
)
え、六歳のとき早くも遠縁の音楽家フランクの家庭に託されて、基礎的な教育を受け
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
父は貧しい
靴
(
くつ
)
職人であったが、折にふれて幼いアンデルセンにおとぎばなしや物語などを読んで聞かせた。文学への興味はこのころの父の感化によって
芽生
(
めば
)
えたといってもよい。
絵のない絵本:02 解説
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
父は貧しい
靴
(
くつ
)
職人であったが、折にふれて幼いアンデルセンにおとぎばなしや物語などを読んで聞かせた。文学への興味はこのころの父の感化によって
芽生
(
めば
)
えたといってもよい。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
オリヴィエの生命から
萌
(
も
)
え出たその若い
芽生
(
めば
)
えのうちに、彼は真新しくよみがえった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しみじみと深く心に感じたところにいい句が
芽生
(
めば
)
える。(『ホトトギス』、二四、九)
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ただ鼻の下に薄黒く
髯
(
ひげ
)
の
芽生
(
めば
)
えが植え付けてないのでさては別人だと気が付いた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
反動的な
嫌悪
(
けんお
)
の情が彼の総身に
寒気
(
さむけ
)
を立てさすであろうとは思ったが、それと同時に、何か
腹癒
(
はらい
)
せに彼女をさんざん
弄
(
もてあそ
)
んでやりたいような悪魔的な野心も
芽生
(
めば
)
えないわけに行かなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
だから、言って見れば、泡鳴に、霊の恋が
芽生
(
めば
)
えさえすれば
好
(
い
)
いのだ——
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
弘
(
ひろ
)
い意味においては是も発見であり、地理学の
芽生
(
めば
)
えであった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
北陸のある都市で澄子の恋愛は
芽生
(
めば
)
えたという。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
どこまでも俳句として
芽生
(
めば
)
え、発達存在しておる。他の一般文学とは類を異にする。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
かの女と逸作が、愛して愛して、愛し抜くことに
依
(
よ
)
って息子の性格にも吹き抜けるところが
出来
(
でき
)
、其処から正直な芽や、
怜悧
(
れいり
)
な
芽生
(
めば
)
えがすいすいと芽立って来て、逸作やかの女を
嬉
(
よろこ
)
ばした。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
人々はこのやさしい小さな
芽生
(
めば
)
えを、社交
裡
(
り
)
に引き入れたり芝居に連れていったりした。彼女はもう子どもではないのに、皆から子どもとして取り扱われ、自分でもやはり子どものように思っていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
咲かない土に
芽生
(
めば
)
えた花、それが、自分の恋ではなかろうか。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の動乱はそこから
芽生
(
めば
)
えはじめた。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
芽
常用漢字
小4
部首:⾋
8画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“芽生”で始まる語句
芽生月
芽生藻