“ぎをん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
祇園90.0%
祗園10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同志の会合は人の耳目を欺くためにわざと祇園ぎをん新地の揚屋あげやで催されたが、其費用を払ふのは大抵四郎左衛門であつた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
祇園ぎをんの方から鴨川を西に渡つて、右へ先斗町ぽんとちやうへ入らうとする向ひ角の三階家で、二階と三階を宿屋に使ひ、下の、四条通りに面した方に薬屋を開いてゐたのだつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
なんなら祗園ぎをんのまん中にでも、光悦くわうえつ蒔絵まきゑにあるやうな太いやつが二三本、玉立ぎよくりつしてゐてくれたら、猶更なほさら以て結構だと思ふ。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と思ふと、忽ち又町になる。殊に今云つた建仁寺けんにんじの竹藪の如きは、そののち祗園ぎをんを通りぬける度に、必ず棒喝ぼうかつの如く自分の眼前へとび出して来たものである。……
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)