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筈
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はず
ふりがな文庫
“
筈
(
はず
)” の例文
二、三日中に、文芸春秋社から「新ハムレット」が出る
筈
(
はず
)
です。それから、すぐまた砂子屋書房から「晩年」の新版が出るそうです。
私の著作集
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
固
(
もと
)
より
纏
(
まとま
)
った話の筋を読ませる普通の小説ではないから、どこで切って一冊としても興味の上に
於
(
おい
)
て
左
(
さ
)
したる影響のあろう
筈
(
はず
)
がない。
『吾輩は猫である』上篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頼まれれば
篠笛
(
しのぶえ
)
を吹いたりするような心掛ですから、どんなに間違ったところで
伯父
(
おじ
)
の小田切三也が、娘の婿にする
筈
(
はず
)
もありません。
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それには、真に児童を知ることなくして、愛の生じよう
筈
(
はず
)
がない。作家は、先ず
須
(
すべか
)
らく児童の実生活を認識しなければならぬのです。
『お話の木』を主宰するに当たりて宣言す
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
尤
(
もっと
)
もこの物語の後に於て判るように、このことがどんな事実であるかということを
明瞭
(
めいりょう
)
に知っている
筈
(
はず
)
の二つの関係があるのですが
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
「
紺屋
(
こうや
)
じゃあねえから
明後日
(
あさって
)
とは
謂
(
い
)
わせねえよ。
楼
(
うち
)
の
妓衆
(
おいらん
)
たちから三
挺
(
ちょう
)
ばかり来てる
筈
(
はず
)
だ、もう
疾
(
とっ
)
くに出来てるだろう、大急ぎだ。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
泉原はそこまで歩いていったが、汽車の着いた時間からいっても、グヰンの一行が海岸にいる
筈
(
はず
)
はないと思ってもとの道へ引返した。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
ときどき立ち停って子供の名を呼んでみたが、子供も同様にどこかで立ち停っている
筈
(
はず
)
はないのだから返事はもとより聞えなかった。
厨房日記
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
初めて奈良へ旅し、多くの古寺を巡り、諸々の仏像にもふれた
筈
(
はず
)
なのに、結局私の心に鮮かに残ったのは百済観音の姿だけであった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
元来芸術上の客観主義は、本質に於て観照本位の文学である故に、レアリズムの立場は必然に「芸術のための芸術」であるべき
筈
(
はず
)
だ。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
……そんな私の心のなかの
動揺
(
どうよう
)
には気づこう
筈
(
はず
)
がなく、彼女は急に早足になった私のあとから、何んだか
怪訝
(
けげん
)
そうについて来ながら
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
しかしそれなら
尚更
(
なおさら
)
私
(
わたくし
)
の
申上
(
もうしあ
)
げる
事
(
こと
)
がよくお
判
(
わか
)
りの
筈
(
はず
)
で、
神社
(
じんじゃ
)
の
装置
(
そうち
)
もラジオとやらの
装置
(
そうち
)
も、
理窟
(
りくつ
)
は
大体
(
だいたい
)
似
(
に
)
たものかも
知
(
し
)
れぬ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
普通
(
なみ
)
のものが其様な発狂者を見たつて、それほど深い同情は起らないね。起らない
筈
(
はず
)
さ、別に
是方
(
こちら
)
に心を
傷
(
いた
)
めることが無いのだもの。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あの、お言葉中で恐れ入りますが、御忠告なら、御免を
蒙
(
こうむ
)
りたいと思います。御用事丈を承わる
筈
(
はず
)
であったのでございますから。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
私はただ書く機械でさえあれば、想念は容易に紙上の文章となって再現される
筈
(
はず
)
なのである。が、実際はそう簡単には運んでくれない。
文字と速力と文学
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
御主
(
おんあるじ
)
耶蘇様
(
イエスさま
)
は
百合
(
ゆり
)
のやうにお
白
(
しろ
)
かつたが、
御血
(
おんち
)
の
色
(
いろ
)
は
真紅
(
しんく
)
である。はて、
何故
(
なぜ
)
だらう。
解
(
わか
)
らない。きつと
何
(
なに
)
かの
巻物
(
まきもの
)
に
書
(
か
)
いてある
筈
(
はず
)
だ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
しかしこう云う学問はなかなか
急拵
(
きゅうごしら
)
えに出来る
筈
(
はず
)
のものでないから、少しずつ分かって来れば来る程、困難を増すばかりであった。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あんな大きな
腫物
(
はれもの
)
のあとなんてある
筈
(
はず
)
がないし、筋肉の内部の病気にしても、これ程大きな切口を残す様な
藪
(
やぶ
)
医者は
何所
(
どこ
)
にもないのだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「まあ、
大概
(
たいがい
)
のことは
判
(
わか
)
つてゐるつもりですが、
貴女
(
あなた
)
の
側
(
がは
)
からなら、
大久保
(
おほくぼ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
がいつそ
詳
(
くは
)
しく
判
(
わか
)
つてゐる
筈
(
はず
)
ぢやないですか。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「おや/\ひどいことをしますね。そんな
筈
(
はず
)
はありませんが、お前さん、
私
(
わたし
)
の言つたとほり五合の小豆を煮て喰べさせましたか?」
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
「木へ
吊
(
つ
)
るせ吊るせ。なあに証拠だなんてまだ挙がってる
筈
(
はず
)
はない。こいつ一人片付ければもう大丈夫だ。
樺花
(
かばはな
)
の
炭釜
(
すみがま
)
に入れちまへ。」
税務署長の冒険
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
科学はチェーホフから一切の希望を奪ったのだから、どうして彼が科学的方法論などを容認する
筈
(
はず
)
があろうか、というわけである。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
今年は小学校へ入学する
筈
(
はず
)
であるが、数字はやっと十一までしか数えられず、ひら
仮名
(
かな
)
で、自分の名前を書くことがやっとこさである。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
身に
纒
(
まと
)
ひ
何樣
(
どのやう
)
なる出世もなる
筈
(
はず
)
を娘に別れ孫を失ひ
寄邊
(
よるべ
)
渚
(
なぎさ
)
の
捨小舟
(
すてこぶね
)
のかゝる島さへ
無
(
なき
)
身
(
み
)
ぞと
叫
(
わつ
)
と
計
(
ばか
)
りに
泣沈
(
なきしづ
)
めり寶澤は
默然
(
もくねん
)
と此長物語を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
質問してしまえばもはや用の無い
筈
(
はず
)
だが、何かモジモジして
交野
(
かたの
)
の
鶉
(
うずら
)
を極めている。やがて差俯向いたままで鉛筆を
玩弄
(
おもちゃ
)
にしながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
又た四月の大会の為め、九州炭山坑夫の為め、経費募集のことの為めに苦心
焦慮
(
せうりよ
)
して居らるゝことは、諸君も御承知の
筈
(
はず
)
では無いか——
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
見ように
依
(
よ
)
っては随分不良らしくも見える
筈
(
はず
)
なので、一般の人から誤解されてもいるであろうことは、想像に難くないのであった。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
未だお昼前だのに来る人の有ろう
筈
(
はず
)
もなしと思うと
昨日
(
きのう
)
大森の家へ行って仕舞ったK子が居て呉れたらと云う気持が
一杯
(
いっぱい
)
になる。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
わたしの滅びの最後を待ちうけてゐてくれる所は巴里よりほかに無い
筈
(
はず
)
だつた。アンナとはポトマック河べりの散歩の途中で別れたのだ。
雪
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
従って、このマッチは、レッテルの文案に「関東煮」としてあるだけで、充分に東京の料理店のマッチでない事は
判
(
わか
)
る
筈
(
はず
)
だ。——
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
覚めて考うれば口をきかれなかったはもしや
流丸
(
それだま
)
にでも
中
(
あた
)
られて亡くなられたか、
茶絶
(
ちゃだち
)
塩絶
(
しおだち
)
きっとして祈るを御存知ない
筈
(
はず
)
も無かろうに
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さうして二十八の女には、七十に近いあの隠居よりは、二十四五の若者の方が、よく釣合ふべき
筈
(
はず
)
だつたといふのが、村の
輿論
(
よろん
)
であつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
月はなかったけれど、星は降るように乱れ、その
仄
(
ほのか
)
な光りで、崖の上からは、眼の下の海岸を歩く白服が、見えぬ
筈
(
はず
)
はなかった。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
自分の前方を仲間の作家が現在は獄中にいる
筈
(
はず
)
のNやTや、それから去年から……………Kなどが歩いている後姿だけが見える。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
すると軍事教育と言うものは事実上ないものと言わなければならぬ。事実上ないものの利害得失は勿論問題にはならぬ
筈
(
はず
)
である。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と
臀餅
(
しりもち
)
をつく
筈
(
はず
)
です、其の下にあったのは
押切
(
おしぎり
)
と云う物で、土踏まずの処を深く切込みましたから、新五郎ももう是までと覚悟しました。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
郷里
(
くに
)
を出るのに、
夷人
(
いじん
)
の船などに乗せられて、よいことのあろう
筈
(
はず
)
はない、
覿面
(
てきめん
)
でしたのう、船は霧に包まれて坐礁しかけたり
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
そんな馬鹿げた事があるものか、酒を飲みに行けば金の
要
(
い
)
るのは
当然
(
あたりまえ
)
の話だ。
夫
(
そ
)
ればかりの金のない
筈
(
はず
)
はないじゃないかと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
開墾
(
かいこん
)
の
手間賃
(
てまちん
)
を
比較的
(
ひかくてき
)
餘計
(
よけい
)
に
與
(
あた
)
へられる
代
(
かは
)
りには
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
は一つも
運
(
はこ
)
ばない
筈
(
はず
)
であつた。
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
はさういふことをも
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
嘘をおっしゃるのも、いい加減になさいまし、まだ一度もお逢いしたことがないのに、こがれ
死
(
じに
)
するなどとおっしゃる
筈
(
はず
)
はないでしょう。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
第二回目は
肋膜
(
ろくまく
)
で、京橋の福田病院と赤十字病院に、両方で約五十日ばかりいた。この時には、今村先生は五六百円程払って下さった
筈
(
はず
)
だ。
骨を削りつつ歩む:――文壇苦行記――
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「あの岩は、どうした。早く持つて来ないか。岩には、松が生えてゐた
筈
(
はず
)
だ。」と、
仰
(
おほ
)
せになりましたので、忠行の侍従も、困つてしまひ
岩を小くする
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
だが、
入院
(
にふゐん
)
するとしても、
誰一人
(
たれひとり
)
入院料
(
にふゐんれう
)
などを
持合
(
もちあは
)
してゐる
筈
(
はず
)
がないので、
施療
(
せれう
)
患者
(
くわんじや
)
を
扱
(
あつか
)
ふ
病院
(
びやうゐん
)
へ
入
(
い
)
れるより
仕方
(
しかた
)
がなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
それにしても、ここの店の雇人である以上、主人はその身許を知っている
筈
(
はず
)
でもあり、また相当の身許引受人もあるはずです。
鰻に呪われた男
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
昭和二十一年には博雄が小学校四年生であった
筈
(
はず
)
だが、六年生を終るまで彼は楽しく学校生活をし、本人としては
幸福
(
こうふく
)
を感じていたと思う。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
その話は面白いが、しかし吾輩は山登りの汗が引込むに
随
(
したが
)
い、だんだんと寒くなって仕方がなくなった。それもその
筈
(
はず
)
である。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
一本の
樹
(
き
)
から一日に
凡
(
およ
)
そ一ポンドの採収が出来ると云ふのが
真実
(
ほんとう
)
なら大した利益のある
筈
(
はず
)
である。人夫には
馬来
(
マレイ
)
人と支那人を使用して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
留さんは恥ずかしそうな顔をしたが、自分こそ恥じなければならない
筈
(
はず
)
だ、などと思い、浦粕へゆくのがにわかに重荷のように感じられた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何れの信仰でも
雑多
(
ざった
)
な信者はある。世界の信者が其信仰を
遺憾
(
いかん
)
なく実現したら、世界は
夙
(
とう
)
に無事に苦んで居る
筈
(
はず
)
だ。天理教徒にも色々ある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
お
銭
(
あし
)
をいただいて買ひ食ひをしたことなど、一度だつてなかつた。まして、お母さんから、そんなことを
云
(
い
)
ひ出したことなどあらう
筈
(
はず
)
がない。
お母さんの思ひ出
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
筈
漢検準1級
部首:⽵
12画
“筈”を含む語句
手筈
其筈
角筈十二社
矢筈
角筈
矢筈絣
角筈村
箭筈
筈高
筈長
筈本
筈故
筈巻
矢筈草
矢筈檀
矢筈敷
矢筈形
無之筈
御手筈
弓筈
...