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ぱな
ふりがな文庫
“
放
(
ぱな
)” の例文
見込み「
明
(
あ
)
けつ
放
(
ぱな
)
してだれも居ねえのか、この開帳で人の出るのに」とかます
烟草入
(
たばこいれ
)
と
真鍮
(
しんちゅう
)
の
煙管
(
きせる
)
を出し「何だ火もねえや」といひ
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
「奈良の公園に鹿が
飼
(
か
)
ひ
放
(
ぱな
)
しにしてあるのは気持が良い。吾々はお蔭で、動物の生活に
親
(
したし
)
んで彼等を愛する事が出来るやうになる。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此の
突
(
つ
)
ツ
放
(
ぱな
)
すやうな仕打をされたので、近子は
些
(
ちつ
)
と
拍子抜
(
ひやうしぬけ
)
のした氣味であつたが、
何
(
な
)
んと思つたのか、また
徐々
(
そろ/\
)
所天
(
をつと
)
の傍へ寄ツて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
と云ひつ
放
(
ぱな
)
して、それなり消えて仕舞つた。すると、
次
(
つぎ
)
の時間に又
何処
(
どこ
)
からか
現
(
あらは
)
れた。
今度
(
こんど
)
は何と思つたか、講義の
最中
(
さいちう
)
に、突然
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
汝
(
てめえ
)
馬を引いて
先方
(
むこう
)
へ往って、三藏を
此処
(
こゝ
)
迄乗せて連れて来たら、何か急に用が出来たと云って、馬を
置
(
おき
)
っ
放
(
ぱな
)
して逃げてしまってくれねえか
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
頬がこけて、鼻ばかり隆く聳えたち、広い額の下に、剥きだし
放
(
ぱな
)
しの大きい目の瞳が、硝子玉のやうに無気味に淀んでゐた。
和解
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ウィル旦那が初めにつかまえただが、すぐにまたおっ
放
(
ぱな
)
さなけりゃなんなかっただ。——そんときに咬まれたにちげえねえ。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
明けられる「まど」は少し位無理をしたって開けっ
放
(
ぱな
)
して客があったらすっかり
裡
(
なか
)
が見える様にしたまんま
書物
(
かきもの
)
をして居た。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「さあ、どうかね。この国だって、おとなしく原子弾にやられ
放
(
ぱな
)
しになっていたわけじゃあるまい。きっと敵国へも攻撃をするにちがいない」
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
死んだ人間はまだ沖に
放
(
ほう
)
りっ
放
(
ぱな
)
しになっているのに何が善後策だ。その弔慰の方法も講じないまま自分達の尻ぬぐいに取りかかるザマは何だ。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
倉地は
喉笛
(
のどぶえ
)
をあけっ
放
(
ぱな
)
した低い声で葉子の耳もとにこういってみたが、葉子は理不尽にも激しく頭を振るばかりだった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
門
(
もん
)
は
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
開
(
あけ
)
つ
放
(
ぱな
)
しだから
敲
(
たゝ
)
く
世話
(
せわ
)
も
入
(
いら
)
ず、
二人
(
ふたり
)
はずん/\と
内
(
うち
)
へ
入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
たが
草木
(
くさき
)
が
縱横
(
じゆうわう
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのでラクダルの
居所
(
ゐどころ
)
も
一寸
(
ちよつと
)
知
(
し
)
れなかつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ちょうど、この辺が彼を
縛
(
から
)
め捕った場所だという所で、駕から出して、行け! という手振りを示して
押
(
お
)
っ
放
(
ぱな
)
すと
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鼻
(
はな
)
の
穴
(
あな
)
が
開
(
ひら
)
きッ
放
(
ぱな
)
しになる
程
(
ほど
)
吸
(
す
)
い
込
(
こ
)
んでいた
春重
(
はるしげ
)
は、ふと、
行燈
(
あんどん
)
の
芯
(
しん
)
をかき
立
(
た
)
てて、
薄気味悪
(
うすきみわる
)
くニヤリと
笑
(
わら
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其時
(
そのとき
)
ぢいさんが
其
(
その
)
まんまで
控綱
(
ひかへづな
)
を
其処
(
そこ
)
ン
処
(
とこ
)
の
棒杭
(
ばうぐひ
)
に
縛
(
しば
)
りツ
放
(
ぱな
)
しにして
猿
(
さる
)
をうつちやつて
行
(
ゆ
)
かうとしたので、
供
(
とも
)
の
女中
(
ぢよちう
)
が
口
(
くち
)
を
出
(
だ
)
して、
何
(
ど
)
うするつもりだつて
聞
(
き
)
いた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
たいてい、こんな、机の引出しなんかへ
容
(
い
)
れっ
放
(
ぱな
)
しにして置くので、大掃除や転居の度毎に少しずつ
散逸
(
さんいつ
)
して、残っているのは、ごくわずかになってしまいました。
小さいアルバム
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
皆
(
みんな
)
おつかげばかし
喰
(
く
)
つ
附
(
つ
)
いてたの
引
(
ひ
)
つ
放
(
ぱな
)
して
來
(
く
)
んだから
足
(
あし
)
が
不揃
(
ふぞろ
)
ひだなどうしても、それに
坂
(
さか
)
が
急
(
きふ
)
だつちと
倒旋毛
(
さかさつむじ
)
おつ
立
(
た
)
てる
樣
(
やう
)
だから
畜生
(
ちきしやう
)
なんぼにも
足
(
あし
)
が
出
(
で
)
ねえな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
チリガンチリガンチリガーチテン、トツントツンルン、やあルルトンと右手で激しく
膝
(
ひざ
)
を
叩
(
たた
)
きながら口三味線で教えていたがついには
黙然
(
もくねん
)
として
突
(
つ
)
っ
放
(
ぱな
)
してしまった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それに、荻生君は毎日のようにやって来た。学校から帰ってみると、あっちこっちを
明
(
あ
)
けっ
放
(
ぱな
)
して顔の上に
団扇
(
うちわ
)
をのせて、いい心地をして昼寝をしていることもある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
このやり方で、憲法は
打
(
ぶ
)
つ
壊
(
こは
)
しツ
放
(
ぱな
)
しにして置いて、増税、増税、増税——何処まで行つて停止するのであるか。畢竟この日本の……………………御仕合せな話である。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ケンプ
博士
(
はくし
)
は、まだ
破
(
やぶ
)
られていない三つ目の
窓
(
まど
)
に目をはしらせると、ピストルをぶっ
放
(
ぱな
)
した。ガラスはたまに
撃
(
う
)
ちぬかれてひび割れ、三
角状
(
かくじょう
)
の
破片
(
はへん
)
となって内側へ落ちた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「奥さん。妙な事をお話するようですけれど……何も
彼
(
か
)
も明けッ
放
(
ぱな
)
しにお話しをしましょう。」と相手の顔色とあたりの様子とを
窺
(
うかが
)
いながら、「これはほんとに
内所
(
ないしょ
)
のお話ですよ。 ...
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
窓を
明
(
あけ
)
っ
放
(
ぱな
)
して涼しい風を
納
(
い
)
れながら、先生から
戴
(
いただ
)
いて来た
漱石
(
そうせき
)
研究を
膝
(
ひざ
)
の上にひろげて、読むでもなく読まぬでもない気持で、時々眼をあげると、瀬戸内海だったりしたこともあった。
由布院行
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
庭口
(
にはぐち
)
も
明
(
あ
)
け
放
(
ぱな
)
して、
嘸
(
さぞ
)
かし
貴郎
(
あなた
)
のお
怒
(
おこ
)
り
遊
(
あそば
)
した
事
(
こと
)
と
氣
(
き
)
が
氣
(
き
)
では
無
(
な
)
かつたなれど、
病人
(
びやうにん
)
見捨
(
みす
)
てゝ
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
もならず、
今日
(
けふ
)
も
此
(
この
)
やうに
遲
(
おそ
)
くまで
居
(
お
)
りまして、
何處
(
どこ
)
までも
私
(
わたし
)
が
惡
(
わろ
)
う
御座
(
ござ
)
んするほどに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
皆
(
みん
)
なが一
日
(
にち
)
二
日
(
か
)
で
其
(
そ
)
れを
殺
(
ころ
)
して
了
(
しま
)
ふに
違
(
ちが
)
ひない、それとも
打棄
(
うツちやり
)
放
(
ぱな
)
しにして
置
(
お
)
いても
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
かしら?』
愛
(
あい
)
ちやんが
尻上
(
しりあが
)
りに
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ひますと、
其
(
その
)
小
(
ちひ
)
さな
物
(
もの
)
が
唸
(
うな
)
り
出
(
だ
)
しました(
今度
(
こんど
)
は
嚏
(
くさめ
)
をせずに)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
おまけに先月あらいざらい何もかも無くしてしまってからあ、
寒蛬
(
こおろぎ
)
の悪く
啼
(
な
)
きやあがるのに、よじりもじりのその
絞衣
(
しぼり
)
一つにしたッ
放
(
ぱな
)
しで、
小遣銭
(
こづけえぜに
)
も置いて行かずに
昨夜
(
ゆうべ
)
まで
六日
(
むいか
)
七日
(
なのか
)
帰りゃあせず
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すなわち
袈裟掛
(
けさが
)
けにぶっ
放
(
ぱな
)
したのである。「キャッ」というとその土人は酒樽のようにぶっ
仆
(
たお
)
れたが、切り口からドクドク血を
零
(
こぼ
)
す。とたんに飛び出たのはホーキン氏で四番目の土人の腹を突いた。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「なアに、持ち物を賣りツ
放
(
ぱな
)
す、さ。」
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
華族と法律とを
拵
(
こしら
)
へる事を情慾のやうに心得てゐる国家が、何故「
音曲
(
おんぎよく
)
」に関する法律だけは
打捨
(
うつちや
)
り
放
(
ぱな
)
しにしてゐるのか
理由
(
わけ
)
が分らない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
点
(
つ
)
けっ
放
(
ぱな
)
しの百
燭光
(
しょっこう
)
に照らされたインキの文字がまだ青々していた。その原稿の上に、内ポケットから取出した裸のままの千円の札束を投げ出した。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「そんなに云われなきゃ、聞かなくっていい。中学校へはいって、上品も下品も区別が出来ないのは気の毒なものだ」と云って六人を
逐
(
お
)
っ
放
(
ぱな
)
してやった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
汝は馬を
置
(
おき
)
っ
放
(
ぱな
)
してなり引張ってなり逃げてしまいねえ、そうして百両金があったら其の内一割とか二割とか汝に礼をしようから、おれの仲間にならねえか
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「えッ、現状維持を——するとラジオは
昨夜
(
ゆうべ
)
から
懸
(
か
)
けっ
放
(
ぱな
)
しになっていたのか。しかし変だなア、昨夜ここへ来たときは、ラジオは鳴っていなかったが……」
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
葉子の目にはすべての人が、ことに男が底の底まで見すかせるようだった。葉子はそれまで多くの男をかなり近くまで
潜
(
もぐ
)
り込ませて置いて、もう一歩という所で突っ
放
(
ぱな
)
した。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「いやにお
茶
(
ちゃ
)
がつてるよ、生意気な。」と、軽く其の
頭
(
つむり
)
を
掌
(
てのひら
)
で
叩
(
たた
)
き
放
(
ぱな
)
しに、
衝
(
つ
)
と
広前
(
ひろまえ
)
を切れて、坂に出て、見返りもしないで、
扨
(
さ
)
てやがて此の茶屋に
憩
(
いこ
)
つたのであつた。——
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
重
(
しげ
)
さん。もし、
重
(
しげ
)
さんは
留守
(
るす
)
かい。——おやッ、
天道様
(
てんとうさま
)
が
臍
(
へそ
)
の
皺
(
しわ
)
まで
御覧
(
ごらん
)
なさろうッて
真
(
ま
)
ッ
昼間
(
ぴるま
)
、あかりをつけッ
放
(
ぱな
)
しにしてるなんざ、ひど
過
(
す
)
ぎるぜ。——
寝
(
ね
)
ているのかい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「いや、ここまでは
登
(
のぼ
)
ってこられませんよ。ねんのために、ぶっ
放
(
ぱな
)
したのです」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
隣
(
となり
)
の
妻
(
つま
)
の
入來
(
いりく
)
るを
見
(
み
)
るに、
懷
(
ふところ
)
には
町
(
まち
)
を
抱
(
いだ
)
きたり、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
胸
(
むな
)
さわぎのして、
美尾
(
みを
)
は
何處
(
どこ
)
へ
參
(
まい
)
りました、
此日暮
(
このひく
)
れに
燈火
(
あかり
)
をつけ
放
(
ぱな
)
しで、
買物
(
かひもの
)
にでも
行
(
ゆ
)
きましたかと
問
(
と
)
へば、
隣
(
となり
)
の
妻
(
つま
)
は
眉
(
まゆ
)
を
寄
(
よ
)
せて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
抑
(
そ
)
も
此男
(
このをとこ
)
は
父
(
ちゝ
)
の
死
(
しん
)
だ
後
(
あと
)
、
市街外
(
まちはづ
)
れに
在
(
あ
)
る
小
(
ちひ
)
さな
莊園
(
しやうゑん
)
を
承嗣
(
うけつい
)
だので、
此
(
この
)
莊園
(
しやうゑん
)
こそ
怠惰屋
(
なまけや
)
の
店
(
みせ
)
とも
謂
(
いひ
)
つべく、
其
(
その
)
白
(
しろ
)
い
壁
(
かべ
)
は
年古
(
としふり
)
て
崩
(
くづ
)
れ
落
(
お
)
ち、
蔦
(
つた
)
葛
(
かづら
)
思
(
おも
)
ふがまゝに
這纏
(
はひまと
)
ふた
門
(
もん
)
は
年中
(
ねんぢゆう
)
開
(
あけ
)
つ
放
(
ぱな
)
しで
閉
(
とぢ
)
たことなく
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
菜
(
な
)
は
畑
(
はたけ
)
へ
置
(
お
)
きつ
放
(
ぱな
)
しだつけべな」
勘次
(
かんじ
)
がいつた
時
(
とき
)
お
品
(
しな
)
も
驚
(
おどろ
)
いたやうに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
宅助は
押
(
お
)
ッ
放
(
ぱな
)
されたように、こっちへ飛んできて
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もっともこの
方
(
ほう
)
は暇がないので、
頼
(
たの
)
まれ
放
(
ぱな
)
しの
体
(
てい
)
であるが、大連に帰ればそう多忙らしく見せる訳には行かない。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの懸賞にサヤマが引っかかれあ大成功だよ。はっはっ……だから
俺
(
おら
)
あサヤマをぶっ
放
(
ぱな
)
すのを延期したよ。ここに来て見てそんな気になったんだ。なあに。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そこにはジュリアの衣服が脱ぎ
放
(
ぱな
)
しになっていた。ノックをして奥の仕切を押し開いたが、どうしたものかジュリアが居ない。噴泉はシャーッと勢いよく出ていた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あの方の事だから身請を
為
(
し
)
ッ
放
(
ぱな
)
してえ訳じゃア無いのだからお前も思い切ってお仕舞いなさい、
併
(
しか
)
し盛りの娘を手放すってえのだから無理だが、
後
(
あと
)
の為を考えるとね
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「君が自分で説明したら
可
(
い
)
いぢやないか、君は
何時
(
いつ
)
だつたか、
青銅
(
ブロンズ
)
で馬の
模型
(
モデル
)
を作りかけて鋳上げる事もしないで、
打捨
(
うつちや
)
り
放
(
ぱな
)
しにしたぢやないか、いい
恥晒
(
はぢさら
)
しだね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鬼門
(
きもん
)
へ
触
(
さわ
)
るように
恐
(
おそ
)
れていた
座敷
(
ざしき
)
だったが、
留守
(
るす
)
に
誰
(
だれ
)
かが
這入
(
はい
)
ったと
聞
(
き
)
いては、
流石
(
さすが
)
にあわてずにいられなかったらしく、
拵
(
こし
)
らえかけの
蜆汁
(
しじみじる
)
を、七
厘
(
りん
)
へ
懸
(
か
)
けッ
放
(
ぱな
)
しにしたまま
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
遣
(
や
)
り
放
(
ぱな
)
しの
書生
(
しよせい
)
さんの
部屋
(
へや
)
だから、
直
(
す
)
ぐにあつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その上に置いて在った
硝子
(
ガラス
)
製の
吸呑器
(
すいのみき
)
を
蹴散
(
けち
)
らしたり、百
燭
(
しょく
)
の電燈を
点
(
つ
)
けっ
放
(
ぱな
)
しにして出て行ったり、如何にも夢遊病者らしい手落ちを都合よく残しておられます。
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
台所には始終膳が二十人前ぐらいは出し
放
(
ぱな
)
しになって居り、出入のものが来ては食事を致します。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
放
常用漢字
小3
部首:⽁
8画
“放”を含む語句
放擲
放下
追放
放棄
放蕩
放縦
突放
解放
放心
放浪者
遣放
放火
開放
放肆
放免
奔放
放任
放埒
手放
出放題
...