“尻上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しりあが57.1%
しりあ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼等は何処まで逃げても離れない、まるで自分自身の影のような「焼き」に始終追いかけられて、仕事をした。仕事が尻上しりあがりに、目盛りをあげて行った。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
ときにいつもはたものたれらつかまへて、尻上しりあがりの、すました調子てうしで、なにかものをいつてなかつたことはほとんどい、それにひとからいてたことはかつてないので
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
器械体操では、金棒かなぼう尻上しりあがりもできないし、木馬はその半分のところまでも届かないほどの弱々しさであった。
死屍を食う男 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
しかしこれは自分の問いに答えたのか、別の事を言ったのだかよくわからなかった。ただこの尻上しりあがりに発音した奇妙な言葉が強く耳の底に刻みつけられた。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)