尻上しりあが)” の例文
彼等は何処まで逃げても離れない、まるで自分自身の影のような「焼き」に始終追いかけられて、仕事をした。仕事が尻上しりあがりに、目盛りをあげて行った。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
ときにいつもはたものたれらつかまへて、尻上しりあがりの、すました調子てうしで、なにかものをいつてなかつたことはほとんどい、それにひとからいてたことはかつてないので
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みんなが一にちれをころしてしまふにちがひない、それとも打棄うツちやりぱなしにしていても大丈夫だいじやうぶかしら?』あいちやんが尻上しりあがりにひますと、そのちひさなものうなしました(今度こんどくさめをせずに)
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
上調子うわっちょうし尻上しりあがりにって、すわりもやらず莞爾にっこりと笑いかける。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)