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空虚
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くうきよ
ふりがな文庫
“
空虚
(
くうきよ
)” の例文
然し
彼
(
かれ
)
は
此
(
この
)
空虚
(
くうきよ
)
な感じを、一つの経験として日常生活中に
見出
(
みいだ
)
した迄で、其原因をどうするの、
斯
(
か
)
うするのと云ふ気はあまりなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
緒
(
しよ
)
に
飯
(
めし
)
なぞ
食
(
た
)
べると、
彼
(
かれ
)
はいつでも
心
(
こゝろ
)
の
空虚
(
くうきよ
)
を
訴
(
うつた
)
へるやうな
調子
(
てうし
)
でありながら、さう
言
(
い
)
つて
寂
(
さび
)
しい
顔
(
かほ
)
に
興奮
(
こうふん
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べてゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
再び
空虚
(
くうきよ
)
な沈默。時計が八時を打つた。その音に、我に歸つて、彼は、組合はせてゐた足を揃へ、
眞直
(
まつすぐ
)
に坐りなほすと、私の方を向いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
製作
(
せいさく
)
に付きては内部の
充實
(
じうじつ
)
したる物と
空虚
(
くうきよ
)
なる物との二種有り
形式
(
けいしき
)
に付きては
全体
(
ぜんたい
)
に
太
(
ふと
)
りたる物と前後より
押
(
お
)
し平めたるが如き物との二種有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
だけど、
子供
(
こども
)
なんか
要
(
い
)
らないなどゝ
仰言
(
おつしや
)
るのは、
要
(
えう
)
するに
空虚
(
くうきよ
)
な
言葉
(
ことば
)
にちがひありません。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
お
互
(
たがひ
)
になんとなくつまらない、とりとめもない
不安
(
ふあん
)
と
遣瀬
(
やるせ
)
なさが、
空虚
(
くうきよ
)
な
心
(
こゝろ
)
を
包
(
つゝ
)
んでゐるやうであつた。
二人
(
ふたり
)
は
家
(
いへ
)
にゐることが
淋
(
さび
)
しく、
夜
(
よる
)
になつて
寢
(
ね
)
ることがものたりなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
ある朝——其頃私は甲の友達から乙の友達へといふ風に友達の下宿を
轉
(
てん
)
々として暮してゐたのだが——友達が學校へ出てしまつたあとの
空虚
(
くうきよ
)
な空氣のなかにぼつねんと一人
取殘
(
とりのこ
)
された。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
入り見れば
蝉
(
せみ
)
の
脱
(
ぬ
)
け
殻
(
がら
)
同様人を見ず、され共古びたる箱類
許多
(
あまた
)
あり、
蓋
(
ふた
)
を
開
(
ひら
)
き見れば皆
空虚
(
くうきよ
)
なり、人夫等曰く多分
猟師小屋
(
れうしこや
)
ならんと、
図
(
はか
)
らず天井を
仰
(
あほ
)
ぎ見れば
蜿蜒
(
えん/\
)
として数尺の大蛇
横
(
よこた
)
はり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
私はふと、私のぼんやりしたその
空虚
(
くうきよ
)
な心のなかから、
急
(
きふ
)
に、かうしてゐてもはじまらない、今日
中
(
ぢゆう
)
に家を
見
(
み
)
つけなければ、と思ふあわたゞしい
気持
(
きも
)
ちが、
泡
(
あわ
)
のやうにぽつかりと浮き上つて来た。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
單
(
たん
)
に
頭
(
あたま
)
から
割
(
わ
)
り
出
(
だ
)
した、
恰
(
あたか
)
も
畫
(
ゑ
)
にかいた
餠
(
もち
)
の
樣
(
やう
)
な
代物
(
しろもの
)
を
持
(
も
)
つて、
義理
(
ぎり
)
にも
室中
(
しつちゆう
)
に
入
(
い
)
らなければならない
自分
(
じぶん
)
の
空虚
(
くうきよ
)
な
事
(
こと
)
を
耻
(
は
)
ぢたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
消えかけの火が、この長い
空虚
(
くうきよ
)
な部屋に彼女が
入
(
はひ
)
つてくるのを示した。彼女は私の
珈琲
(
コーヒ
)
とパンを持つて來てくれたのだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
しかし、私はたゞ
何
(
なに
)
も
知
(
し
)
らずに
煙草
(
たばこ
)
を吹かせてぼんやりとしてゐただけである。このぼんやりとしたゆるんだ
心理
(
しんり
)
の
続
(
つゞ
)
いてゐる
空虚
(
くうきよ
)
な
時間
(
じかん
)
に、
黙
(
もく
)
々として
私達
(
わたしたち
)
の
運命
(
うんめい
)
を
動
(
うご
)
かせてゐた
何物
(
なにもの
)
かがあつた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
英國
(
イングランド
)
を離れる事は、愛するが、しかし
空虚
(
くうきよ
)
な國を離れることだ——ロチスターさまは此處にはゐらつしやらないのだから。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
特別の事情があつて、
三千代
(
みちよ
)
がわざと
来
(
こ
)
ないのか、又は平岡が
始
(
はじ
)
めから御世辞を
使
(
つか
)
つたのか、疑問であるが、それがため、代助は
心
(
こゝろ
)
の
何処
(
どこ
)
かに
空虚
(
くうきよ
)
を感じてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
虚
常用漢字
中学
部首:⾌
11画
“空”で始まる語句
空
空地
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手
空蝉