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空虚
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くうきょ
ふりがな文庫
“
空虚
(
くうきょ
)” の例文
ただいつまでも
試合場
(
しあいじょう
)
の
中央
(
ちゅうおう
)
が大きな
空虚
(
くうきょ
)
になりッぱなしとなって、人ばかり
右往左往
(
うおうさおう
)
しているので、さかんにガヤガヤもめている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
くちびるのことばは目のことばに
比
(
くら
)
べては小さなものである。目つきに比べて、ことばのいかに
冷
(
つめ
)
たく、
空虚
(
くうきょ
)
であることよ。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
失望と
空虚
(
くうきょ
)
とさびしい生活とから起こった
身体
(
からだ
)
の
不摂生
(
ふせっせい
)
、このごろでは何をする元気もなく、散歩にも出ず、雑誌も読まず、同僚との話もせず
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ただ
無性
(
むしょう
)
に弱くなった気持ちが、ふと
空虚
(
くうきょ
)
になった胸に押し重なって、疲れと空腹とを一度に迎えたような
状態
(
じょうたい
)
なのだ。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
幸に語学の方は
怪
(
あや
)
しいにせよ、どうかこうかお茶を
濁
(
にご
)
して行かれるから、その日その日はまあ無事に済んでいましたが、腹の中は常に
空虚
(
くうきょ
)
でした。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その隣にはお千の
空虚
(
くうきょ
)
の
寝床
(
ねどこ
)
があった。これはいけないと思って、彼は前後の見境もなく、今まで寝ていた自分の寝床を畳んで横の方に近づけた。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
でも、その笑い声には、何かしら
空虚
(
くうきょ
)
な、からいばりみたいなひびきがまじっていました。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
国家という語は、ケルゼンのいうごとく、「最も
空虚
(
くうきょ
)
な言葉が最も便利な言葉」
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
それが、次第に着物をつけ、着物を重ぬるに従って、人間の身体から力が、輝いた力がぬけて来たんだ。そして失った力の跡に大きい
空虚
(
くうきょ
)
が残されたんだ。空虚や微力はいつも悪徳なんだ。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いや、そんな
空虚
(
くうきょ
)
な
夢
(
ゆめ
)
ではない。
兄の声
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空虚
(
くうきょ
)
な目つきをしています。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そしてその頭部が開かれ、頭骸骨がお
碗
(
わん
)
のようになって、中身が
空虚
(
くうきょ
)
なことをしめしていた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、郷左衛門の声が、闇の中で
空虚
(
くうきょ
)
にひびいた。しかし、すぐにはっとして立ち上がった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は疲れたように、
空虚
(
くうきょ
)
になった身を村に向かった。もう耕地には稲を刈り残してある田は一枚も見えなかった。
組稲
(
くみいね
)
の立ってる
畔
(
あぜ
)
から、各家に稲をかつぐ人達が、おちこちに四五人も見える。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
舞台しばらく
空虚
(
くうきょ
)
。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
お座敷の方を
空虚
(
くうきょ
)
にして置いただけで、電話が終ると酒田と婆やさんとは再びお座敷の方へ戻って来て、婆やさんは
雨戸
(
あまど
)
の残りを戸袋から
繰
(
く
)
り出すし、酒田はラジオをちょっとひねって
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、博士は、
空虚
(
くうきょ
)
な頭の
殻
(
から
)
の中を指さした。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
空虚
(
くうきょ
)
のベッド
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
虚
常用漢字
中学
部首:⾌
11画
“空”で始まる語句
空
空地
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手
空蝉