“からつぽ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
空虚88.9%
空白11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晴代は変だと思つて、起ちあがつて函を卸して見たが、中は空虚からつぽになつてゐた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
此二このふたつ悲劇ひげきをわつて彼是かれこれするうち大磯おほいそくと女中ぢよちゆうが三にんばかり老人夫婦としよりふうふ出迎でむかへて、その一人ひとりまどからわたしたつゝみ大事だいじさうに受取うけとつた。其中そのなかには空虚からつぽ折箱をりも三ツはひつてるのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
自分の中に沈潜してゆく愉しさ、自分の中にいくら遊んでも遊び切れない愉しさ、何も知らないで居れる愉しさ、空白からつぽの満足、健忘性わすれつぽの救ひ、不精と怠慢にさへ生かされてゐる愉しさ。
雑草雑語 (新字旧仮名) / 河井寛次郎(著)