“櫓声”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ろせい62.5%
ろごえ37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六挺のは、ただちに櫓声ろせいを揃えて波を切った。——播磨灘はりまなだを西南へ、潮流にも乗せて、その舟影は、みるまに海光のうちへうすれて行った。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余等はみちびかれて紅葉館のはたともに立てた小舟に乗った。宿引は一礼いちれいして去り、船頭はぎい櫓声ろせいを立てゝぎ出す。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
上り下りの河船かわふね櫓声ろごえに明け放れて、朝風をはらんで下る白帆の頂から薄らぎ初める霞の中に、中洲、箱崎、霊岸島の家々のいらかがきらめく頃、清吉は漸く絵筆をいて
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
阿能十は、櫓声ろごえのあいだに、そんなひとりごとをいって、独りふざけちらしている。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)