“櫓音”の読み方と例文
読み方割合
ろおと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おおきな柳樹やなぎの根を廻って、裏の方へ行ってみると若いおかみさんは、そこの床几しょうぎに腰かけて、川の櫓音ろおとでも聞いているようにじっとしていた。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「往復する櫓音ろおとでほぼ見当がつきますし、ほかに大きな船が泊っていないのですから、間違いはないと思います」
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ゴザをしいた船のどうに横いざりにすわった足を、袴はうまくかくして、深い紺青こんじょうの海の上を、船は先生の心一つをのせて、櫓音ろおとも規則ただしく、まっすぐに進んだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)