しばら)” の例文
するとつゞいてお姫様ひめさま玄関げんくわんまで追掛おつかけまゐられて、円朝わたくし喚留よびとめたがうもりゝ々しくツて、なんとなく身体からだちゞあがり、わたくししばられでもするかと思ひました。姫
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さても/\卑怯なるかな、ソンな窮窟な事で人間世界が渡れるものか、世間の人が妙な処に用心するのはサゾ忙しいことであろう、自分は古人のおしえしばられる気はないと
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たとえくさりしばられていないにせよ、三人の悪者が此方に注意していないにせよ——何うしても逃げ出されないのだ。四面とも切り落したような峻嶺しゅんれいである。とてもこれをよじのぼって逃ることは六ヶ敷むずかしい。
捕われ人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
睨み隨分ずゐぶんしばらつしやい私はやせてもかれても三石八斗八升の御田地でんぢもち水呑村の三五郎と云殿樣の御百姓で御座りますはゞかりながら然樣さやういふうしろぐらい片贔屓かたひいきな御さばきは見た事が御座らぬと云うにぞ理左衞門堪へ兼イヤかれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)