“喰縛”の読み方と例文
読み方割合
くいしば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、久しく忘れていたものに、眼がしらが潤むのを、唇を喰縛くいしばってこらえた。その時、がたッと背後うしろの方で音がした。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ずや北斎は獄門にかけたる罪囚の梟首きょうしゅに対して、その乱れたる長き頭髪は苦悩の汗にれ、喰縛くいしばりたるくちびるより真白き歯の露出せるさまを見ても、なほかつ平然としてこれを写生せるが如き
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
鷺太郎は、折角せっかく犯人がわかりながら、それをとりがしたのではないか、と思うと、歯を喰縛くいしばった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)