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こころや
ふりがな文庫
“
心遣
(
こころや
)” の例文
その
心遣
(
こころや
)
りが
報
(
むく
)
いられたのか、それとも、単に私の気の迷いか、近頃では、夫人は、何となく私の椅子を愛している様に思われます。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
馴々
(
なれなれ
)
しく
詞
(
ことば
)
をかける
位
(
ぐらい
)
を
切
(
せめ
)
てもの
心遣
(
こころや
)
りに、
二月
(
ふたつき
)
三月
(
みつき
)
を
過
(
すご
)
す
中
(
うち
)
に、飛騨の涼しい秋は早くも別れを告げて、寒い冬の山風が吹いて来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たとい
忌
(
いま
)
わしき
絆
(
きずな
)
なりとも、この縄の切れて二人離れ離れにおらんよりはとは、その時苦しきわが胸の奥なる
心遣
(
こころや
)
りなりき。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
新
(
あた
)
しい
住居
(
じゅうきょ
)
に
移
(
うつ
)
ってから一
年
(
ねん
)
とも
経
(
た
)
たない
中
(
うち
)
に、
私
(
わたくし
)
はせめてもの
心遣
(
こころや
)
りなる、あのお
墓参
(
はかまい
)
りさえもできないまでに、よくよく
憔悴
(
やみほう
)
けて
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
乳のみ児の世話や——配所へ送られる良人への
心遣
(
こころや
)
りに——妻の玉日の
前
(
まえ
)
は、ゆうべは、一睡もしなかったはずである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
鶴見は現在自分の内部に
沸
(
わ
)
き
立
(
た
)
っているこの幻想を、少し離れたところからながめていられるようになっている。それがせめてもの
心遣
(
こころや
)
りであろう。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
諸侯方を
辱
(
はずかし
)
めてお
心遣
(
こころや
)
りを遊ばすなどとは、太守の御身分としてまことに軽々しきお振舞い、……かようなことでは御家風にも障るでござりましょう
蕗問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何やっぱり道はおんなじで聞いたにも見たのにも
変
(
かわり
)
はない、旧道はこちらに相違はないから
心遣
(
こころや
)
りにも何にもならず、もとより
歴
(
れっき
)
とした図面というて
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三人が三人、
巴里
(
パリ
)
に
居
(
い
)
るわけに行きませんから、せめて息子だけ、巴里って恋人に添わせて置くのを
心遣
(
こころや
)
りに、私達は日本って母国へ帰って来ましたの。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これがせめてもの
心遣
(
こころや
)
りで御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「いささかの加増は、家康が
心遣
(
こころや
)
りじゃ。弥四郎の取りなしによるものでないことは、分っておろうが」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姥 恋人の晃の留守に、人形を抱きまして、
心遣
(
こころや
)
りに、子守唄をうたいまする。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
玉日
(
たまひ
)
……」思わず口の
裡
(
うち
)
でこう呼んでみて、せめてもの
心遣
(
こころや
)
りにすることすらあった。熱い息の中で
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
読んでいて段々分りましたが、筆談でないと通じないほどでもないが、余程耳が
疎
(
うと
)
いらしい。……あるいはそんな事で、世捨人同様に、——俳諧はそのせめてもの
心遣
(
こころや
)
りだったのかも知れません。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これも夫人の
心遣
(
こころや
)
りであった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“心”で始まる語句
心
心配
心地
心持
心算
心細
心得
心底
心臓
心許