つか)” の例文
が、その反動で五間ばかり走つたかと思ふと、今度は右手の山の岩壁に、凄じくぶつつかつたのである。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
取る事出來ずと云ふをかたはらより一人が往手の道に立ちふさがいやなら否で宜事いゝことなりつかれるとがは少しもなし何でも荷物をかつがせてもらはにや成らぬとゆすり半分喧嘩けんくわ仕懸しかけに傳吉は何とか此場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此老人はつかれてより顔をしかむる間も無きうちに事切ことぎれりしなりと、し真に顔を蹙むる間も無かりしとせば如何いかにして MONISモニシ の五文字をそのゆか書記かきしるせしぞ、しぬるほどの傷を負い
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
三人の生命を託した車台は、急廻転をして、海へおちることから免れた。が、その反動で五間ばかり走ったかと思うと、今度は右手の山の岩壁に、すさまじくぶっつかったのである。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
つかへ申けるは徳川と名乘なのらせ給ふにはさだめて仔細しさいある御方なるべしそれがし事は信濃國諏訪すはの者にて遠州屋ゑんしうや彌次六と申し鵞湖散人がこさんじんまた南齋なんさいとも名乘候下諏訪しもすは旅籠屋はたごや渡世とせい仕つれり若も信州邊しんしうへんへ御下りに成ば見苦みぐるしくとも御立寄あるべし御宿仕らんと云にぞ寶澤は打點頭うちうなづきさて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)