トップ
>
用
>
つか
ふりがな文庫
“
用
(
つか
)” の例文
それでも夏はそれほどひどくは気にならないけれど冬羽織着物、下着、半衿とあんまり
違
(
ちが
)
う色を
用
(
つか
)
うのは千世子は
好
(
す
)
いて居なかった。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
死骸
(
しがい
)
のかたわらに
出刃庖丁
(
でばぼうちょう
)
が捨ててあった。
柄
(
え
)
の所に
片仮名
(
かたかな
)
のテの字の焼き印のある、これを調べると、出刃打ちの
用
(
つか
)
っていた道具だ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『然う?』と、静子は解きかけたネルの単衣に
尺
(
ものさし
)
を
用
(
つか
)
つて見て、『七寸……六分あるわ。短かなくつてよ、
幾何
(
いくら
)
電信柱さんでも。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
思うように
用
(
つか
)
えなかった、十一時に下りかける、然しまた、たまらなくなって、再び最高点の雪の上を歩きまわって見廻わした。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
『第九』の
緩徐調
(
アダジオ
)
の第二の主題のための草案
(65)
の中に「おそらく合唱をここに
用
(
つか
)
ったら歓喜がいっそう美しいだろう」
ベートーヴェンの生涯:02 ベートーヴェンの生涯
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
女学校で
用
(
つか
)
う手芸用の
箆
(
へら
)
だよ、此奴が裏の塀の根元を掘て手紙を埋めたり掘出したりした奴さ、塀の
内外
(
うちそと
)
は夜なら誰にも知れず一仕事やれるからね
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
「百まなこ」とは柳丸がよく
用
(
つか
)
った花見の目かづらのようなものだが、これが「百面相」を生んだ母胎だろう。
随筆 寄席風俗
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
部屋の中央にある机の側に立って、足立達の
用
(
つか
)
う教科書や字書を眺めた目を窓の外へ移し、毎日々々
塵埃
(
ほこり
)
になって器械体操なぞを教える広い運動場の方を眺めながら
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
村井は
五月蝿
(
うるさい
)
と云ひげに眉を
顰
(
ひそ
)
めしが「そりや、其のあれだ、手短に言へば皆ンなで働いて皆ンなで
用
(
つか
)
ふのだ、誰の物、彼の物なんて、そんな差別は立てないのだ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「ぢやあこの黄色いのは何を
用
(
つか
)
つた。」俺は髪の毛をもじやもじやと真黄色になすりつけたのだ。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「このラムプは九万燭光ですが、千時間
用
(
つか
)
ふと二割方光度が減じます。尤もそれは肉眼では感ぜられぬ程度でありますが、千時間毎に電球は付け換ることになつてゐます。」
或るハイカーの記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
運動の時間はずい分有効に
用
(
つか
)
っている。運動場の廻りを百回づつ走っているよ。では又来週!
新しき夫の愛:牢獄の夫より妻への愛の手紙
(新字新仮名)
/
若杉鳥子
(著)
「小式部さん、これを上げよう」と、初緑は金盥の
一個
(
ひとつ
)
を小式部が
方
(
かた
)
へ押しやり、
一個
(
ひとつ
)
に水を
満々
(
なみなみ
)
と
湛
(
たた
)
えて、「さア善さん、お
用
(
つか
)
いなさい。もうお湯がちっともないから、水ですよ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
緊羯羅
(
こんがら
)
童子を使うて、世間の新聞一切報告せしむる方を載せ、この童子用なき日は、一百金銭を持ち来り、持呪者に与う、しかしその銭は仏法僧のために
用
(
つか
)
い
却
(
はた
)
し、決して
吝
(
おし
)
んじゃいけないとは
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
弟夫婦は
年少
(
としわか
)
きまま
無益
(
むやく
)
の
奢侈
(
おごり
)
に財を
費
(
ついや
)
し、
幾時
(
いくばく
)
も経ざるに貧しくなりて、兄の
許
(
もと
)
に
合力
(
ごうりょく
)
を
乞
(
こ
)
ひに来ければ、兄は是非なく銭十万を与へけるに、それをも
少時
(
しばし
)
に
用
(
つか
)
ひ尽してまた合力を乞ひに来りぬ。
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
この男、
用
(
つか
)
える。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それ丈頭を無駄に
用
(
つか
)
ったわけだと今になって一寸口惜しいけれども又、相当に考える事も必用だからと自分でなぐさめて居る。
日記:01 一九一三年(大正二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
又自分の手柄は君等にしろ、無論僕にしろ、成るべく多くの人に知らせたいものだよ。
流行
(
はやり
)
言葉も
用
(
つか
)
つて見たしな。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「それにしても俺の名前などを
用
(
つか
)
ふなんて可笑しいな。いたづらにしては酷過ぎるし……」
秋・二日の話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「そもそも
半座
(
はんざ
)
を分けるなどとは、こういう
敵手
(
あいて
)
に
用
(
つか
)
う
易
(
やす
)
い文句じゃないのだ。」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
麻裏はどの穢多の
家
(
うち
)
でも作るので、『中抜き』と言つて、草履の表に
用
(
つか
)
ふ美しい藁がところ/″\の垣根の傍に乾してあつた。丑松は其を見ると、瀬川の家の昔を思出した。小諸時代を思出した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
皆それぞれさっぱりした
装
(
なり
)
をして袴をはいて居るのもある。いつになく儀式ばった様子で来るので箸のあげ下しにも気を
用
(
つか
)
って居る様に見える。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
××村の小学校では、小使の
老爺
(
おやぢ
)
に
煮炊
(
にたき
)
をさして校長の田辺が
常宿直
(
じやうしゆくちよく
)
をしてゐた。その代り職員室で
用
(
つか
)
ふ茶代と新聞代は宿直料の中から出すことにしてある。宿直料は一晩八銭である。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
組合せ香水とかといふので、七
種
(
いろ
)
ばかりの綺麗なハイカラな香水の瓶が、行儀よくづらりと並んでゐた。調合器が付いてゐて、何でも自分の好きな香ひを調合して
用
(
つか
)
ふやうになつてゐた。
香水の虹
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「こんな時にでも
用
(
つか
)
わなくッちゃ、君なんざ生涯
用
(
つか
)
う時は有りゃしない。」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其処は、ふだん使わない部屋で、参観人が、ちょっと休んだり、先生方の小さいお集りの時などに
用
(
つか
)
う処なのです。
いとこ同志
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
尤も
恁
(
かう
)
いふ都會では、女なら隨分資格の無い者も
用
(
つか
)
ツてる樣だけれど、男の代用教員なんか
可成
(
なるべく
)
採用しない方針らしいですから、果して肇さんが其方へ入るに
可
(
いゝ
)
か
怎
(
どう
)
か、そら解りませんがね。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ボンヤリと空をながめて居たり、うなだれて眼ばかり上眼を
用
(
つか
)
って物をねらう様な様子をしたりする。
秋毛
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
尤も
恁
(
かう
)
いふ都会では、女なら随分資格の無い者も
用
(
つか
)
ツてる様だけれど、男の代用教員なんか
可成
(
なるべく
)
採用しない方針らしいですから、果して肇さんが其方へ入るに
可
(
いい
)
か
怎
(
どう
)
か、そら解りませんがね。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其を食事の時、いろいろに
用
(
つか
)
って、春江ちゃんが「洋食洋食」と云った「然しまだ洋食のうちはいいさ」、「かわきがすぐ止る! かハハハハ」等と云うように用われた。
日記:07 一九二一年(大正十年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
茶は一斤半として九十銭、新聞は郵税を入れて五十銭、それを差引いた残余の一円と外に炭、石油も学校のを勝手に
用
(
つか
)
ひ、家賃は出さぬと来てるから、校長はどうしても月に五円
宛
(
づつ
)
得をしてゐる。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ヒマワリの油を
用
(
つか
)
うのでしょうか、私はあの不消化工合にはこまった覚えがあるのですが。ヒマワリの種をたべるところの庶民的食用油はヒマワリで、それはこなれにくいわ。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
絶望! そんな言葉を此の男は
用
(
つか
)
ふのか? 私はさう思つた。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
食堂との境は、左右に開く木扉で区切っても、単に大きい帳を
用
(
つか
)
ってもよいでしょう。
書斎を中心にした家
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
乳母はこんなことをそ
ぷ
(
ママ
)
を向きながら云って居る。紅は何となく眠気がさして来た。頭ばかり
用
(
つか
)
って眠る時間の少いために、うつむいたまま形をくずさないでしずかに眠って居る。
錦木
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
“用”の意味
《名詞》
(ヨウ)用事、用件。
(ヨウ)有用であること、有用性。役に立つこと。
(出典:Wiktionary)
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
“用”を含む語句
入用
費用
作用
不用
用達
用意
使用
用立
信用
雑用
要用
御入用
所用
用事
小用
御用
胸算用
御用達
御用聞
採用
...