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抓
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つか
ふりがな文庫
“
抓
(
つか
)” の例文
さか
鱗
(
うろこ
)
を立てて、
螺旋
(
らせん
)
に
蜿
(
うね
)
り、
却
(
かえ
)
つて石垣の穴へ引かうとする、
抓
(
つか
)
んで飛ばうとする。
揉
(
も
)
んだ、揉んだ。——いや、
夥
(
おびただ
)
しい
人群集
(
ひとだかり
)
だ。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
飢えた
蒼鷹
(
くまだか
)
が小鳥を
抓
(
つか
)
むのはこんな
塩梅
(
あんばい
)
で有ろうかと思う程に文三が手紙を
引掴
(
ひっつか
)
んで、
封目
(
ふうじめ
)
を押切ッて、
故意
(
わざ
)
と
声高
(
こわだか
)
に読み出したが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
火を
焚
(
た
)
く、
味噌
(
みそ
)
を
摺
(
す
)
る、
魚鳥
(
ぎょちょう
)
を料理する、
男世帯
(
おとこじょたい
)
の目つらを
抓
(
つか
)
む勝手元の忙しさを
傍目
(
よそめ
)
に、関翁はじめ余等一同、かわる/″\
川畔
(
かわばた
)
に往って風呂の
馳走
(
ちそう
)
になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
さつと吹く風大黒傘の上を
抓
(
つか
)
みて、宙へ引あげるかと疑ふばかり烈しく吹けば、これは成らぬと力足を踏こたゆる途端、さのみに思はざりし前鼻緒のずる/\と拔けて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
抓
(
つか
)
んだ手拭で額の汗を拭き/\、真赤になった白襦袢の
車夫
(
くるまや
)
の一人が、柿の木の下の
群
(
むれ
)
に来て尋ねる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
お歯ぐろ
溝
(
どぶ
)
の角より曲りて、いつも
行
(
ゆ
)
くなる細道をたどれば、運わるう大黒やの前まで来し時、さつと吹く風大黒傘の上を
抓
(
つか
)
みて、宙へ引あげるかと疑ふばかり
烈
(
はげ
)
しく吹けば
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
板のごとくに
硬
(
こわ
)
い、黒の筒袖の
長外套
(
なががいとう
)
を、
痩
(
や
)
せた
身体
(
からだ
)
に、
爪尖
(
つまさき
)
まで
引掛
(
ひっか
)
けて、耳のあたりに襟を立てた。帽子は
被
(
かぶ
)
らず、
頭髪
(
かみ
)
を
蓬々
(
ぼうぼう
)
と
抓
(
つか
)
み
棄
(
す
)
てたが、目鼻立の
凜々
(
りり
)
しい、頬は
窶
(
やつ
)
れたが、屈強な
壮佼
(
わかもの
)
。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
齒
(
は
)
ぐろ
溝
(
どぶ
)
の
角
(
かど
)
より
曲
(
まが
)
りて、いつも
行
(
ゆ
)
くなる
細道
(
ほそみち
)
をたどれば、
運
(
うん
)
わるう
大黒
(
だいこく
)
やの
前
(
まへ
)
まで
來
(
き
)
し
時
(
とき
)
、さつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
大黒傘
(
だいこくがさ
)
の
上
(
うへ
)
を
抓
(
つか
)
みて、
宙
(
ちう
)
へ
引
(
ひき
)
あげるかと
疑
(
うたが
)
ふばかり
烈
(
はげ
)
しく
吹
(
ふ
)
けば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
海軍の将卒が折々やると云う
驟雨浴
(
しゅううよく
)
「総員入浴用意!」の一令で、手早く
制服
(
ふく
)
をぬぎすて、
石鹸
(
しゃぼん
)
とタオルを両手に
抓
(
つか
)
んで、真黒の健児共がずらり甲板に列んだ処は、面白い見ものであろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
心ばかりは
急
(
あせ
)
れども、何としても
甘
(
うま
)
くはすげる事の成らぬ口惜しさ、ぢれて、ぢれて、袂の中から記事文の下書きして置いた大半紙を
抓
(
つか
)
み出し、ずん/\と裂きて
紙縷
(
こより
)
をよるに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なん
)
としても
甘
(
うま
)
くはすげる
事
(
こと
)
の
成
(
な
)
らぬ
口惜
(
くや
)
しさ、ぢれて、ぢれて、
袂
(
たもと
)
の
中
(
なか
)
から
記事文
(
きじぶん
)
の
下書
(
したか
)
きして
置
(
お
)
いた
大半紙
(
おほばんし
)
を
抓
(
つか
)
み
出
(
だ
)
し、ずん/\と
裂
(
さ
)
きて
紙縷
(
こより
)
をよるに、
意地
(
いぢ
)
わるの
嵐
(
あらし
)
またもや
落
(
おと
)
し
來
(
き
)
て
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
抓
漢検1級
部首:⼿
7画
“抓”を含む語句
引抓
一抓
掻抓
鼻抓
一抓一攫
一攫一抓
抓取
抓投
押抓
鷲抓