使役つか)” の例文
屠手として是処に使役つかはれて居る壮丁わかものは十人ばかり、いづれまがひの無い新平民——殊に卑賤いやしい手合と見えて、特色のある皮膚の色が明白あり/\と目につく。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
使役つかふと見てもよし、僕はまた君から助けられると見られてもいゝ——かく、君は君で働き、僕は僕で働くのだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『いよ/\市村も侵入きりこんで来るさうだ。』と一人が言へば、『左様さう言ふ君こそ御先棒に使役つかはれるんぢや無いか。』と攪返まぜかへすものがある。弁護士の名は幾度か繰返された。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)