つか)” の例文
かけ如何に左仲内記殿の方にてなんと云れしやどうぢや/\と急立せきたちて尋ぬるに左仲は未だ座にもつかさまゆゑ甚だ答へにこまりける主税之助は其次第を聞んとしきりに急ぎしかば左仲は太息といき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
教会が一層つかしくて——彼人あのかたの影が見えるとたゞ嬉しく、如何どうかして御来会おいでなさらぬ時には、非常な寂寞せきばくを感じましてネ、私始めは何のこととも気がつかなかつたのですが、或夜
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
真蔵は直ぐ書斎に返ってお源の所為しょさに就て考がえたが判断が容易につかない。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
四五分では、話のけりはつかないと覚ったろう。葛木は巻煙草をけた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第六回 どちらつかずのちくらが沖
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
勸めて看病かんびやう暫時しばし油斷ゆだん有ね共如何成事にや友次郎が腫物しゆもつは元の如くにて一かうくちあかいたみは少づつゆるむ樣なれども兎角に氣分きぶんよろしからずなやみ居けるぞいたましや友次郎も最早日付にしても江戸へつかるゝ處迄て居ながらなさけなき此病氣びやうきと心のみはやれども其甲斐かひなく妻のお花も夫の心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
始め若年寄わかどしより三奉行並に立合の役人席につかるゝや大岡殿中央にすゝまれ大目附兩脇りやうわきに附て立合るゝ時大岡殿には榊原家家來伊藤半右衞門とよばれ其方の吟味ぎんみにて傳吉は罪に伏したる由然樣なるかとありければ伊藤いとうはん右衞門つゝしんで彼段々と吟味ぎんみ仕つり候處其罪明白めいはくに伏し候段相違さうゐ御座なく然るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)