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𣠽
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つか
ふりがな文庫
“
𣠽
(
つか
)” の例文
その、美少女の左の胸のふくらみの下には、
何時
(
いつ
)
刺されたのか、白い
𣠽
(
つか
)
のついた
匕首
(
あいくち
)
が一本、無気味な刃を
衂
(
ちぬら
)
して突刺っているのだ。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
熱湯を浴びた
二人
(
ふたり
)
が先に、
𣠽
(
つか
)
に手を掛けた刀をも抜かずに、座敷から縁側へ、縁側から庭へ逃げた。跡の一人も続いて逃げた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
『おお‼』清水は突き出されたその短剣の
𣠽
(
つか
)
に目をやると、うめいた。其処には白く、菊花を彫った象牙の飾りが嵌められていたのである……
象牙の牌
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
そして中から
𣠽
(
つか
)
も刀身も共に鋼鉄製のピカピカとひかった二ふりの細長い
伊太利
(
イタリー
)
剣を取出して芝生にザックと突刺した。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
その脊の高い男が突然地面から起き上って、馬車をめがけて走って来た時、侯爵閣下は一瞬剣の
𣠽
(
つか
)
にはっと手をかけた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
▼ もっと見る
宮は
虚
(
すか
)
さず
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
りて、我物得つと手に為れば、遣らじと満枝の組付くを、
推隔
(
おしへだ
)
つる
腋
(
わき
)
の下より
後突
(
うしろづき
)
に、
𣠽
(
つか
)
も
透
(
とほ
)
れと刺したる急所、一声
号
(
さけ
)
びて
仰反
(
のけぞ
)
る満枝。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
声の
主
(
ぬし
)
は将軍だった。将軍は太い軍刀の
𣠽
(
つか
)
に、手袋の両手を重ねたまま、厳然と舞台を
睨
(
にら
)
んで居た。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
耳形
(
みゝがた
)
の
𣠽
(
つか
)
を
掴
(
つか
)
んで
其
(
その
)
劍
(
けん
)
をお
拔
(
ぬ
)
きゃれ、
速
(
はや
)
うせぬと
乃公
(
おれ
)
の
劍
(
けん
)
が
足下
(
おぬし
)
の
耳元
(
みゝもと
)
へお
見舞
(
みま
)
ひ
申
(
まう
)
すぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
尿
(
にょう
)
のように見えた液体は、丁子を煮出した汁であるらしく、糞のように見えた固形物は、
野老
(
ところ
)
や
合薫物
(
あわせたきもの
)
を
甘葛
(
あまずら
)
の汁で煉り固めて、大きな筆の
𣠽
(
つか
)
に入れて押し出したものらしいのであったが
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
丁度美しい小娘がジュポンの
裾
(
すそ
)
を
撮
(
つま
)
んで、ぬかるみを
跨
(
また
)
ごうとしているのを見附けた竜騎兵中尉は、左の手に
𣠽
(
つか
)
を握っていた軍刀を高く持ち上げて、極めて熱心にその娘の足附きを見ていたが
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
と、刀身近く刀の
𣠽
(
つか
)
を握りしめると、源氏の船に乗り移っては、「判官はおらぬか、判官、出て来い」と探し廻った。一寸でも手向う者はたちまち、鋭い教経の一太刀にばたばたと倒れていった。
現代語訳 平家物語:11 第十一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
剣の
𣠽
(
つか
)
に手をかけて目を配っていた。ルイ十五世広場には、馬にまたがりラッパを先頭にした四個中隊の重騎兵が、
弾薬盒
(
だんやくごう
)
をふくらし小銃や短銃に弾丸をこめ、今にも出動せんとしてるのが見られた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
刀の
𣠽
(
つか
)
に手を掛けて立ち上った三人の客を前に控えて、四畳半の
端
(
はし
)
近く坐していた抽斎は、客から目を放さずに、障子の開いた口を
斜
(
ななめ
)
に
見遣
(
みや
)
った。そして妻五百の異様な姿に驚いた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
𣠽
(
つか
)
に一片の紙が巻きつけてあって、その紙にはこう走り書きしてあった。——
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
三人は
互
(
たがい
)
に
目語
(
もくご
)
して身を起し、刀の
𣠽
(
つか
)
に手を掛けて抽斎を囲んだ。そしていった。我らの
言
(
こと
)
を信ぜぬというは無礼である。かつ重要の
御使
(
おんつかい
)
を承わってこれを果さずに
還
(
かえ
)
っては
面目
(
めんぼく
)
が立たない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
𣠽
部首:⽊
23画
“𣠽”を含む語句
剣𣠽
山𣠽
𣠽上