つか)” の例文
あの若いのもおぬしのように、おのが好色心すきごころに目が眩んでの、この婆につからせられた婆娑羅ばさらの大神にさかろうたてや。されば立ち所に神罰を蒙って、瞬く暇に身を
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
伯父といふものは借金かりを拵へたり、恋病こひやまひつかれたり、猫にたゝられたりするをひにとつては、少くとも一人は無くてならない実用品なのである。伯父は言つた。
正直に言えば、その瞬間からつかれたようになってしまッた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「つまりむす子も親もあの都会に取りつかれているのだ」
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)