“退身”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たいしん50.0%
ひけみ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
退身たいしん流浪るらうの身と成りしが二君に仕へるは武士さむらひ廉恥はぢいる所成れ共座してくらへば山もむなし何れへか仕官しくわんつかんと思ひしに不幸にも永のわづらひに夫も成らず困苦こんくに困苦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌日よくじつ鴨川かもがはとか、千倉ちくらとか、停車場前ていしやぢやうまへのカフエーへ退身たいしん、いや、榮轉えいてんしたさうである。むし痛快つうくわいである。東京とうきやううちなら、郡部ぐんぶでも、わたしたづねてつて、まうとおもふ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
らんとした眼の向くところ、タジタジと退身ひけみに動く相手の気配が、敵ながらもどかしそうであった。——と弦之丞は一方の物かげへ向かって
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この身は、煩悩悪業ぼんのうあくごうの身なればなどと、大慈悲光のもとに、要らざる退身ひけみなど持ち給うなよ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)