退身ひけみ)” の例文
らんとした眼の向くところ、タジタジと退身ひけみに動く相手の気配が、敵ながらもどかしそうであった。——と弦之丞は一方の物かげへ向かって
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この身は、煩悩悪業ぼんのうあくごうの身なればなどと、大慈悲光のもとに、要らざる退身ひけみなど持ち給うなよ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)