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疲
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つか
ふりがな文庫
“
疲
(
つか
)” の例文
そして、ここがいちばん
安心
(
あんしん
)
だというふうに、
頭
(
あたま
)
をかしげて、いままでさわいで
疲
(
つか
)
れたからだを、じっとして
休
(
やす
)
めるのでありました。
山へ帰ったやまがら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
疲
(
つか
)
れてきた
羽
(
はね
)
にバサバサと
力
(
ちから
)
を
罩
(
こ
)
めて、
追
(
お
)
ひつかうとするけれど、ラランのやつはさつさと
先
(
さき
)
へ
飛
(
と
)
びながら、
着
(
お
)
ち
つ
(
つ
)
いたもので
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
それはたべ物をとってしまっても啼くのをやめない。またやすまない。どうして
疲
(
つか
)
れないかと思うほどよく飛びまたよく啼くものだ。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
康頼 わしはこの間も権現様に
通夜
(
つや
)
をして祈りました。そして祈り
疲
(
つか
)
れてうとうとしました。するとわしは不思議な夢を見たのです。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「へエ——、私はよろしう御座いますが、旦那がお氣の毒で、何しろ晝の
疲
(
つか
)
れですつかり寢込んで居るところをやられたんですから」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
そのうち最前からの
疲
(
つか
)
れが出て、ついうとうと寝てしまった。何だか騒がしいので、
眼
(
め
)
が覚めた時はえっ
糞
(
くそ
)
しまったと飛び上がった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頼光
(
らいこう
)
はそれを
聞
(
き
)
いてやっと
安心
(
あんしん
)
しました。そしてしばらく
小屋
(
こや
)
の中に
入
(
はい
)
って足の
疲
(
つか
)
れをやすめました。その
時
(
とき
)
三
人
(
にん
)
のおじいさんは
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
兵營
(
へいえい
)
から
既
(
すで
)
に十
里
(
り
)
に
近
(
ちか
)
い
行程
(
かうてい
)
と、
息詰
(
いきづま
)
るやうに
蒸
(
む
)
し
蒸
(
む
)
しする
夜
(
よる
)
の
空氣
(
くうき
)
と、
眠
(
ねむ
)
たさと
空腹
(
くうふく
)
とに
壓
(
お
)
されて、
兵士達
(
へいしたち
)
は
疲
(
つか
)
れきつてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
お
品
(
しな
)
は
林
(
はやし
)
を
幾
(
いく
)
つも
過
(
す
)
ぎて
自分
(
じぶん
)
の
村
(
むら
)
へ
急
(
いそ
)
いだが、
疲
(
つか
)
れもしたけれど
懶
(
ものう
)
いやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
幾度
(
いくたび
)
か
路傍
(
みちばた
)
へ
荷
(
に
)
を
卸
(
おろ
)
しては
休
(
やす
)
みつゝ
來
(
き
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
哀れな小さい囚人はかうして泣き
疲
(
つか
)
れたあと、
何時
(
いつ
)
もその
潤
(
うる
)
んだ
眶
(
まぶた
)
に幽かな燐のにほひの沁み入る薄暗い空氣の氣はひを感じた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
でも、そのうちに
疲
(
つか
)
れきって、とうとう、
畑
(
はたけ
)
と
牧場
(
まきば
)
をとりかこんでいる、枝を
刈
(
か
)
られたヤナギの
木立
(
こだち
)
のほうへおりていきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
また他の時はすこし
疲
(
つか
)
れを帯びたように
沈
(
しず
)
んで、
不透明
(
ふとうめい
)
で、その
皮膚
(
ひふ
)
の底の方にはなんだか
菫色
(
すみれいろ
)
のようなものが漂っているように見えた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
彼
(
かれ
)
は
赤栗毛
(
あかくりげ
)
の、すばらしいイギリス馬を持っていた。すらりと細長い首をして、よく
伸
(
の
)
びた
脚
(
あし
)
をして、
疲
(
つか
)
れを知らぬ
荒馬
(
あらうま
)
だった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そして、竹童はそのまえに
疲
(
つか
)
れたからだをすえ、咲耶子はうちしおれて、
紫蘭
(
しらん
)
のかおる
黒髪
(
くろかみ
)
を、あかい
獣蝋
(
じゅうろう
)
の
灯
(
ひ
)
のそばにうつむけていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私達
(
わたしたち
)
はその日一
日
(
にち
)
歩き
廻
(
まは
)
つた。
夕方
(
ゆふがた
)
には、
自分達
(
じぶんたち
)
の歩いてゐる所は一
体
(
たい
)
どこなのだらうと思ふほどもう三
半器官
(
はんきくわん
)
が
疲
(
つか
)
れてゐた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
少年
(
こども
)
がこれを口に
入
(
いれ
)
るのは
指
(
ゆび
)
一本
(
いつぽん
)
動
(
うご
)
かすほどのこともない、
然
(
しか
)
し
左
(
さ
)
も
疲
(
つか
)
れ
果
(
はて
)
て
居
(
ゐ
)
る
樣
(
さま
)
で
身動
(
みうごき
)
もしない、
無花果
(
いちじく
)
は
頬
(
ほゝ
)
の
上
(
うへ
)
にのつたまゝである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
富田六段はいっこう
疲
(
つか
)
れないが、かがみこんで相手のまわりをぐるぐるまわるモンクスのほうは、だんだん息が切れてくる。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
今
(
いま
)
こそ
逃
(
に
)
げるに
好
(
い
)
い
時
(
とき
)
だと
思
(
おも
)
つて
遽
(
には
)
かに
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
し、
終
(
つひ
)
には
疲
(
つか
)
れて
息
(
いき
)
も
絶
(
き
)
れ、
犬
(
いぬ
)
ころの
遠吠
(
とほゞえ
)
が
全
(
まつた
)
く
聞
(
きこ
)
えなくなるまで
走
(
はし
)
り
續
(
つゞ
)
けました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
壁
(
かべ
)
の小さい柱鏡に
疲
(
つか
)
れた僕の顔と、
頬
(
ほお
)
のふくれた彼女の顔が並んだ。僕は
沁々
(
しみじみ
)
とした気持ちで彼女の抜き
衿
(
えり
)
を女学生のように
詰
(
つ
)
めさせてやった。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
まち
子
(
こ
)
は
疲
(
つか
)
れた
身體
(
からだ
)
をそつと
椅子
(
いす
)
にもたれて、
靜
(
しづ
)
かな
下
(
した
)
の
道
(
みち
)
をのぞこふと
窓
(
まど
)
をのぞくと、
窓際
(
まどぎは
)
に
川柳
(
かはやなぎ
)
の
青白
(
あをしろ
)
い
細
(
ほそ
)
い
葉
(
は
)
が
夜
(
よる
)
の
空
(
まど
)
に
美
(
うつく
)
しくのびてた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
令史
(
れいし
)
の
家
(
いへ
)
に
駿馬
(
しゆんめ
)
あり。
無類
(
むるゐ
)
の
逸物
(
いちもつ
)
なり。
恆
(
つね
)
に
愛矜
(
あいきん
)
して
芻秣
(
まぐさ
)
を
倍
(
ま
)
し、
頻
(
しきり
)
に
豆
(
まめ
)
を
食
(
は
)
ましむれども、
日
(
ひ
)
に
日
(
ひ
)
に
痩
(
やせ
)
疲
(
つか
)
れて
骨立
(
こつりつ
)
甚
(
はなは
)
だし。
擧家
(
きよか
)
これを
怪
(
あやし
)
みぬ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
乳母
(
おんば
)
、
先
(
さき
)
へ
往
(
ゆ
)
きゃれ。
姫
(
ひめ
)
によう
傳
(
つた
)
へたもれ、
家内中
(
かないぢゅう
)
を
早
(
はや
)
う
就褥
(
ねか
)
しめさと
被言
(
おしゃ
)
れ、
歎
(
なげ
)
きに
疲
(
つか
)
れたれば
眠
(
ね
)
むるは
定
(
ぢゃう
)
ぢゃ。ロミオは
今直
(
いますぐ
)
參
(
まゐ
)
らるゝ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
昨日
(
きのふ
)
の
興奮
(
こうふん
)
の
爲
(
ため
)
にか、
彼
(
かれ
)
は
疲
(
つか
)
れて
脱然
(
ぐつたり
)
して、
不好不好
(
いやいや
)
ながら
言
(
い
)
つてゐる。
彼
(
かれ
)
の
指
(
ゆび
)
は
顫
(
ふる
)
へてゐる。
其顏
(
そのかほ
)
を
見
(
み
)
ても
頭
(
あたま
)
が
酷
(
ひど
)
く
痛
(
いた
)
んでゐると
云
(
い
)
ふのが
解
(
わか
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
二名
(
にめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
も
默
(
もく
)
して
一言
(
いちげん
)
なく、
稻妻
(
いなづま
)
は
終夜
(
よもすがら
)
吠
(
ほ
)
え
通
(
とう
)
しに
吠
(
ほ
)
えたので
餘程
(
よほど
)
疲
(
つか
)
れたと
見
(
み
)
え、
私
(
わたくし
)
の
傍
(
かたわら
)
に
横
(
よこたは
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
捕えたらあゝも云おう、
斯
(
こ
)
うも云おうと意気
組
(
ぐ
)
んでいた泉原は、
張詰
(
はりつ
)
めた気がゆるむと、一時に
疲
(
つか
)
れを感じてきた。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
なアに、痣蟹が竜宮劇場の裏口を通っていたのを発見して、また警官隊と
銃火
(
じゅうか
)
を
交
(
まじ
)
えたのだそうだ。痣蟹はとうとう逃げてしまったので、
疲
(
つか
)
れ
儲
(
もう
)
けだ。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで、
石
(
いし
)
ころの
多
(
おほ
)
い
坂路
(
さかみち
)
を
歩
(
ある
)
いても
疲
(
つか
)
れないやうな
強
(
つよ
)
い
脚
(
あし
)
の
力
(
ちから
)
が、
木曾生
(
きそうま
)
れの
馬
(
うま
)
には
自然
(
しぜん
)
と
具
(
そな
)
はつて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
踏分々々
(
ふみわけ/\
)
たどり行て見ば殊の外なる大家なり吉兵衞は
衣類
(
いるゐ
)
も
氷柱
(
つらゝ
)
垂
(
た
)
れ其上二日二夜海上に
漂
(
たゞよ
)
ひ
食事
(
しよくじ
)
もせざれば
身體
(
しんたい
)
疲
(
つか
)
れ
果
(
はて
)
聲も
震
(
ふる
)
へ/\戸の
外
(
そと
)
より案内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そしてそのまままた少しお歩きになりましたが、まもなくひどく
疲
(
つか
)
れておしまいになったので、とうとうつえにすがって
一足
(
ひとあし
)
一足
(
ひとあし
)
お進みになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
博物館
(
はくぶつかん
)
の
見物
(
けんぶつ
)
も、だいぶ
長
(
なが
)
くなつて
皆
(
みな
)
さんも
疲
(
つか
)
れたでせうが、
私
(
わたし
)
も
話
(
はな
)
しくたびれました。まづこれで
見物
(
けんぶつ
)
をやめて、お
茶
(
ちや
)
でも
飮
(
の
)
むことにいたしませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
彼としては非常な
大骨折
(
おほゞねをり
)
で、
僅
(
わづ
)
か二三日の間に、げツソリ頬の肉が
剡
(
こ
)
けたと思はれるばかり體も
疲
(
つか
)
れ心も
勞
(
つか
)
れた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
のあるところならよいが、
疲
(
つか
)
れても
翼
(
はね
)
をやすめることもできず、お
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いても
何
(
なに
)
一つ
食
(
た
)
べるものもない、ひろいひろい、それは
大
(
おほ
)
きな、
毎日
(
まいにち
)
毎晩
(
まいばん
)
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
しかし、お
腹
(
なか
)
がへって、からだが
疲
(
つか
)
れてふらふらしてくると、清造はどこか道ばたの木の根でも、お
堂
(
どう
)
の
縁
(
えん
)
にでも腰をおろして、ごろりと横になるのでした。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
恭助
(
あるじ
)
は
太
(
いた
)
く
疲
(
つか
)
れて
禮服
(
れいふく
)
ぬぎも
敢
(
あ
)
へず
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
るを、あれ
貴郎
(
あなた
)
お
召物
(
めしもの
)
だけはお
替
(
か
)
へ
遊
(
あそ
)
ばせ、
夫
(
そ
)
れではいけませぬと
羽織
(
はをり
)
をぬがせて、
帶
(
おび
)
をも
奧
(
おく
)
さま
手
(
て
)
づから
解
(
と
)
きて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのうちしかしもう
全
(
まった
)
く
疲
(
つか
)
れきってしまい、どうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ずにぐったりと
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
で
凍
(
こご
)
えてきました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
余は妻と
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
住家
(
すみか
)
を
探
(
さ
)
がして、東京から歩いて千歳村に来た。而して丁度其日の夕方に、
疲
(
つか
)
れた足を
曳
(
ひ
)
きずって、正に此路を通って甲州街道に出たのであった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ところが意地悪く門前の広場は坂から続いて同じような傾斜をなし、湿った柔い地面に車輪が食込んでしまうので、馬は
疲
(
つか
)
れて
到底
(
とて
)
も一息には曳込む事が出来ない。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
春日
(
はるひ
)
すら
田
(
た
)
に
立
(
た
)
ち
疲
(
つか
)
る
君
(
きみ
)
は
哀
(
かな
)
しも
若草
(
わかくさ
)
の
孋
(
つま
)
無
(
な
)
き
君
(
きみ
)
が
田
(
た
)
に
立
(
た
)
ち
疲
(
つか
)
る 〔巻七・一二八五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
と
訊
(
き
)
くと、娘は力無い声で、昨日から食事をしないので
饑
(
う
)
えに
疲
(
つか
)
れ、水でも一口飲もうと、やっと渚まで来たが、いつの間にか気が遠くなってしまったというのでした。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
悲
(
かな
)
しい時のもあれば、
嬉
(
うれ
)
しい時のもある。
疲
(
つか
)
れた時のもあれば、遠い
家
(
いえ
)
のことを思う時のもある。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
日は昇っても人の通りは
尠
(
すくな
)
い秋の野路、それを半日も歩いていると、
饑
(
うえ
)
と
疲
(
つか
)
れで足が動かない。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「もう二時か、そろそろ眠くなってきたな、
疲
(
つか
)
れもしたし、こん夜はこれでおしまいにしよう」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
お客はあたたかいお酒をいただき、おいしい
御馳走
(
ごちそう
)
を
腹
(
はら
)
いっぱいに食べました。そうして
大満足
(
だいまんぞく
)
で、
柔
(
やわ
)
らかいふっくらとした布団の中へはいって
疲
(
つか
)
れた手足をのばしました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
暴徒に襲われるのはこれが始めてではなかったが、この時は最も困窮に
陥
(
おちい
)
った。
糧道
(
りょうどう
)
が絶たれ、一同火食せざること七日に
及
(
およ
)
んだ。さすがに、
餒
(
う
)
え、
疲
(
つか
)
れ、病者も続出する。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
年
(
ねん
)
に一
度
(
ど
)
も、
駆
(
か
)
けたことなどのないお
蓮
(
れん
)
は、
庭木戸
(
にわきど
)
を
出
(
で
)
は
出
(
で
)
たものの、
既
(
すで
)
に
脚
(
あし
)
が
釣
(
つ
)
るまでに
疲
(
つか
)
れ
果
(
は
)
てて、
口
(
くち
)
の
中
(
なか
)
で
菊之丞
(
きくのじょう
)
の
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
びながら、
今
(
いま
)
はもはや
堪
(
た
)
えられない
歩
(
あゆ
)
みを
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
自由豪放な青春の気はその
疲
(
つか
)
れた肉体や、
衰
(
おとろ
)
えた精神に金蛇銀蛇の
赫耀
(
かくよう
)
たる光をあたえる。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
ぼくは、あるいは
疲
(
つか
)
れすぎているのかもしれない。今日は、日記を書くのはもうやめよう。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
列
(
れつ
)
の
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つ
日章旗
(
につしやうき
)
、
揚々
(
やう/\
)
として
肥馬
(
ひま
)
に
跨
(
またが
)
る
将軍
(
しやうぐん
)
たち、
色蒼
(
いろざ
)
ざめ
疲
(
つか
)
れ
果
(
は
)
てた
兵士
(
へいし
)
の
群
(
むれ
)
—
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
神田帯屋小路の喧嘩渡世、茨右近方へ帰り着いた喬之助、べつだん
疲
(
つか
)
れたようすもない。
右近
(
うこん
)
と知らずのお
絃
(
げん
)
は、この夜ふけまでどこへ行っているのか、家には誰もいなかった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「それは憂鬱病だよ、ジエィン。あんまり興奮しすぎたのか、でなけりや
疲
(
つか
)
れすぎだ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
疲
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
“疲”を含む語句
疲労
疲勞
草疲
疲憊
旅疲
疲癃
氣疲
疲弊
疲労困憊
疲瘠
疲弊困憊
疲切
疲果
御疲
身疲
疲曳
疲細
疲顇
稍疲
羸疲
...