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繰
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あやつ
ふりがな文庫
“
繰
(
あやつ
)” の例文
其船頭
(
そのせんどう
)
は
悠然
(
いうぜん
)
として、
片手
(
かたて
)
で
艫
(
ろ
)
を
繰
(
あやつ
)
りはじめながら、
片手
(
かたて
)
で
其
(
そ
)
の
水
(
みづ
)
を
飮
(
の
)
む
時
(
とき
)
、
白鷺
(
しらさぎ
)
の
一羽
(
いちは
)
が
舞
(
ま
)
ひながら
下
(
お
)
りて、
舳
(
みよし
)
に
留
(
と
)
まつたのである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
全く宗教を
異
(
こと
)
にしている北と南とを
擣
(
つ
)
きくるめて、人心の
帰嚮
(
きこう
)
を
繰
(
あやつ
)
って行かなくてはならないし、外交の上でも、いかに勢力を失墜しているとは云え
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
するとあたかも糸でひかれた、
繰
(
あやつ
)
り人形がたおれるように、そのひかれた鉄扇に連れ、千代千兵衛のからだはパッタリと、前のめりにたおれたが、起き上がることが出来なかった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
溜池
(
ためいけ
)
の
真中
(
まんなか
)
あたりを、
頬冠
(
ほおかむり
)
した、色のあせた半被を着た、
脊
(
せい
)
の低い親仁が、腰を曲げ、足を
突張
(
つッぱ
)
って、長い
棹
(
さお
)
を
繰
(
あやつ
)
って、
画
(
え
)
の如く漕いで来る、筏は
恰
(
あたか
)
も人を乗せて、油の上を
辷
(
すべ
)
るよう。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足の糸は解くに
由
(
よし
)
なし。さきにこれを
繰
(
あやつ
)
りしは、わが
某
(
なにがし
)
省の官長にて、今はこの糸、あなあわれ、
天方伯
(
あまがたはく
)
の手中に在り。余が大臣の一行とともにベルリンに帰りしは、あたかもこれ新年の
旦
(
あした
)
なりき。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
一人で
櫓櫂
(
ろかい
)
を
繰
(
あやつ
)
って紫錦は湖水を引き返した。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
溜池
(
ためいけ
)
の
眞中
(
まんなか
)
あたりを、
頬冠
(
ほゝかむり
)
した、
色
(
いろ
)
のあせた
半被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
た、
脊
(
せい
)
の
低
(
ひく
)
い
親仁
(
おやぢ
)
が、
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げ、
足
(
あし
)
を
突張
(
つツぱ
)
つて、
長
(
なが
)
い
棹
(
さを
)
を
繰
(
あやつ
)
つて、
畫
(
ゑ
)
の
如
(
ごと
)
く
漕
(
こ
)
いで
來
(
く
)
る、
筏
(
いかだ
)
は
恰
(
あたか
)
も
人
(
ひと
)
を
乘
(
の
)
せて、
油
(
あぶら
)
の
上
(
うへ
)
を
辷
(
すべ
)
るやう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
繰
常用漢字
中学
部首:⽷
19画
“繰”を含む語句
手繰
引手繰
繰返
引繰
引繰返
順繰
繰開
繰込
繰引
爪繰
遣繰
臍繰
繰出
糸繰
繰展
繰廻
先繰
差繰
繰延
素繰
...