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漾
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たた
ふりがな文庫
“
漾
(
たた
)” の例文
井戸のなかの水は、朝のとほりに、静かに円く
漾
(
たた
)
へられて居る。それに彼の顔がうつる。柿の
病葉
(
わくらば
)
が一枚、ひらひらと舞ひ落ちて、ぼつりとそこに浮ぶ。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
すると、長方形の板の下の小さい眼は、
芥子粒
(
けしつぶ
)
より小さい二粒の涙を
漾
(
たた
)
えているのが見える。
不周山
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
かの
逆巻
(
さかま
)
く波に分け入りし宮が、息絶えて浮び出でたりし
其処
(
そこ
)
の景色に、似たりとも
酷
(
はなは
)
だ似たる岸の
布置
(
たたずまひ
)
、
茂
(
しげり
)
の
状況
(
ありさま
)
、
乃至
(
ないし
)
は
漾
(
たた
)
ふる水の
文
(
あや
)
も、
透徹
(
すきとほ
)
る底の
岩面
(
いはづら
)
も、広さの程も、位置も、
趣
(
おもむき
)
も
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
妻は思設けぬ
面色
(
おももち
)
の中に喜を
漾
(
たた
)
へて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
漾
漢検1級
部首:⽔
14画
“漾”を含む語句
漾々
蕩漾
漾人
蕩漾周流
乘漾
前田漾子
月漾橋
溶漾
漾蕩
漾虚集
飄漾