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讃
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たた
ふりがな文庫
“
讃
(
たた
)” の例文
ああ神は人に空気を与えたもう、しかも法律は人に空気を売る。私は法律を
咎
(
とが
)
むるのではありません。しかし私は神を
讃
(
たた
)
えるのです。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
漠北
(
ばくほく
)
からの使者が来て李陵の軍の健在を伝えたとき、さすがは名将
李広
(
りこう
)
の孫と李陵の孤軍奮闘を
讃
(
たた
)
えたのもまた同じ連中ではないのか。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
人生に悩みながら
繊
(
ほそ
)
い腕に悪戦苦闘して、切抜け切抜けしてゆく殊勝さを見ると、涙ぐましいほどにその勇気を
讃
(
たた
)
え
嘉
(
よみ
)
したく思う。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
とは
嗤
(
わら
)
わなかった。むしろわしの自慢以上に、
称
(
ほ
)
め
讃
(
たた
)
えてくれた。世辞でなく、穴馬の町民や土民は皆、光秀様に心服していた。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三ヶ津の
総芸頭
(
そうげいがしら
)
とまで、
讃
(
たた
)
えられた坂田藤十郎は
傾城買
(
けいせいかい
)
の
上手
(
じょうず
)
として、やつしの名人としては天下無敵の名を
擅
(
ほしいまま
)
にしていた。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「十字架上のキリストの如く、リストは彼自身よりも、むしろ他の人を救うために、いつも準備をしていた」とその
岳父
(
がくふ
)
の人格を
讃
(
たた
)
えている。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
青空の
灝気
(
こうき
)
滴
(
したた
)
り落ちて露となり露色に出てこゝに青空を地に
甦
(
よみがえ
)
らせるつゆ草よ、地に咲く天の花よと
讃
(
たた
)
えずには居られぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それは、「思いつくままに書き下す」というスタンダールの秘訣を
讃
(
たた
)
え、それとはおよそ対蹠的な例として、飜訳という仕事を挙げたものであった。
翻訳の生理・心理
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
不自由だと嘆くのは人間の
我儘
(
わがまま
)
な嘆きであって、むしろ自然の仕組みの不思議さを
讃
(
たた
)
える方がいい。陸中の竹細工はどこにもない独自の存在である。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それは「べれんの国の若君様、今はいずこにましますか、
御褒
(
おんほ
)
め
讃
(
たた
)
え給え」と云う、
簡古素朴
(
かんこそぼく
)
な祈祷だった。
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ということを思った——いま晩秋を
讃
(
たた
)
えるその言葉の裏に、どのような想いが去来しているであろうか、と。
晩秋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ジイドが、「ルナアルの日記」刊行に際し、この作家の優れた業績を一応
讃
(
たた
)
えながら、なおかつ、「ルナアルの庭には、もうすこし水を撒いてやる必要がある」
「にんじん」とルナアルについて
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
からみ合った昼と夜との
微笑
(
ほほえ
)
み。愛と憎悪との
厳
(
おごそ
)
かな結合、その
諧調
(
かいちょう
)
。二つの強き翼をもてる神を、われは歌うであろう。生を
讃
(
たた
)
えんかな! 死を讃えんかな!
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
讃
(
たた
)
うべきかな神よ。神はまことにして変り給わない、神はすべてを
創
(
つく
)
り給うた。美しき自然よ。風は不断のオルガンを弾じ雲はトマトの
如
(
ごと
)
く又
馬鈴薯
(
ばれいしょ
)
の如くである。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
書紀にも「
旅
(
いくさ
)
を
鞠
(
やしな
)
ひ衆を
会
(
つど
)
へて、
遂
(
つひ
)
に
与
(
とも
)
に謀を定めたまふ」と壬申の乱における内助の功を
讃
(
たた
)
え、また大海人皇子登位して天武天皇となられて後、崩御さるるまで
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
と
讃
(
たた
)
えて、韻律的に朝起を奨励している。而も私は一ヵ月間
実践躬行
(
じっせんきゅうこう
)
の結果、壮健にも富裕にも賢明にもならない。神経衰弱は
以前
(
もと
)
のまゝである。金は少し損をした。
朝起の人達
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
どんなにか、なつかしさに熱して、母を
讃
(
たた
)
え、母をこの画家夫妻に立派に話しているかも判らない。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
讃
(
たた
)
える意味にこそなれ
侮
(
あなど
)
る心ではなかったけれども遊里の
悪洒落
(
わるじゃれ
)
に
馴
(
な
)
れない春琴は余りよい気持がしなかったいつも眼明きと同等に
待遇
(
たいぐう
)
されることを欲し差別されるのを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この娘の舞を見た者は、優雅な姿態と、さす手、ひく手の巧みさに魅せられて、
異口同音
(
いくどうおん
)
に、その素晴しさを
賞
(
ほ
)
め
讃
(
たた
)
えるので、たちまち京の街の人気をかっさらってしまった。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
風間九十郎の節操を褒め
讃
(
たた
)
えていた、そして、
法水麟太郎
(
のりみずりんたろう
)
の作「ハムレットの
寵妃
(
クルチザン
)
」を
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
文学史上でハイヤームの詩人的才能を
讃
(
たた
)
えた例はなかったもので、したがってヨーロッパのペルシア学者も、フィツジェラルドや彼にオマルを推称した友人の東洋学者以前には
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
それにしてもともかくニュートンはイタリヤのガリレイに
次
(
つ
)
いで科学の正しい道をふみ進めた人として
讃
(
たた
)
えられていることは、今では誰もが認めていることにちがいないのです。
ニュートン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
まず鉤の霊の尊く正直なことを
讃
(
たた
)
えて、それからいよいよその指定を求め、これによって疑いを決しようとしていたので、少なくとも方式だけは、昔の神を祭った人々の
所作
(
しょさ
)
を
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
呪詛
(
のろ
)
い悲しんでいるのではなく、
否々
(
いないな
)
それとは正反対に、喜び歌い、
褒
(
ほ
)
め
讃
(
たた
)
え——すなわち何者かに
帰依
(
きえ
)
信仰し、
欣舞
(
きんぶ
)
しているのだということが、間もなく知れたからであった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
おそらくこのほかにまだ象徴詩の領分があるのだろうと思っていたらしい事は、考えられる。何よりも
讃
(
たた
)
うべきは、若い時代にすぐれた感受を持った詩人たちの多かった事である。
詩語としての日本語
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
以前この二村の娘年頃になると皆特種の勤めを稼ぎ父兄を
資
(
たす
)
け、遠近これを
讃
(
たた
)
えて善くその勤めを成した娘を争い
娶
(
めと
)
ったが、維新以後その俗
廃
(
すた
)
れ家のみ昔の構造のまま残るといった。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
後世になつてみれば、墓場の上に花環を
捧
(
ささ
)
げ、数万の人が自分の名作を
讃
(
たた
)
へるだらう。ああしかし! だれがその時墓場の中で、自分の名誉を意識し得るか? 我我は生きねばならない。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
アクロンもメーコンも、飛行船という飛行船は、遂に飾りものに終ったらしい。愛国機や愛国高射砲を献納した国民は、勇敢に戦った精悍な帝国軍人と共に、永く永く
讃
(
たた
)
えられるべきだ。
空襲下の日本
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが目をうつすと、この貧しい寡婦が、老齢と悲しみに腰をかがめて神の祭壇のところで、悲嘆にうちくだかれた心の底から、なお信仰あつく、祈りと、神を
讃
(
たた
)
えることばを
捧
(
ささ
)
げている。
寡婦とその子
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
太閤秀吉も、出でて仕えんことを以て招いたけれども辞して仕えず、関ヶ原の時、石田三成は美濃半国を与えることを以て招いたけれども行かず——その深慮を
讃
(
たた
)
えられた名家だということ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
屡々
(
しばしば
)
、その教会の中から聖母を
讃
(
たた
)
える甘美な男女の合唱が
洩
(
も
)
れてきて、それが通行人の足を思わず立ち止らせたりしたものだったが、今年の夏はどういうものか、低いオルガンの音のほかには
木の十字架
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
わが
輩
(
はい
)
が往年
塾
(
じゅく
)
にあったとき、食堂で茶碗類をこわすものがあると、人に強い
奴
(
やつ
)
と思われ、自分もまたそう思うらしく、あるいは
洋燈
(
ランプ
)
でも
叩
(
たた
)
きこわすと、強い
奴
(
やつ
)
と
賞
(
ほ
)
め
讃
(
たた
)
えられた時代もあった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
しらぬひ
筑紫
(
つくし
)
のはてにわれ居れどをしへの
親
(
おや
)
を
讃
(
たた
)
へざらめや
仰
(
あふ
)
がざらめや
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
彼は神の大智を
讃
(
たた
)
えつつヨブの
誇
(
ほこり
)
を責めているのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
讃
(
たた
)
へ
言
(
ごと
)
うち擧げむよはまのあたり今日をさやけき白梅の花
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かつそれを断行している勇気を
讃
(
たた
)
えることは忘れない。
語呂の論理
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
わが知れる
一柱
(
ひとはしら
)
の神の
御名
(
みな
)
を
讃
(
たた
)
へまつる。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ここより日本の全景を眺め
讃
(
たた
)
ふべし。
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
霜の菊
讃
(
たた
)
へて
未
(
いま
)
だ
剪
(
き
)
らずをり
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
シンデレラを
讃
(
たた
)
う
シンデレラ
(新字新仮名)
/
水谷まさる
(著)
「今、聞いておると、其方どもは、口を極めて、宮本武蔵を
讃
(
たた
)
えておるが、左様な出たらめを申し触らすと、以後承知せぬぞ」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『国民の友』の春季附録には、
江見水蔭
(
えみすいいん
)
、
星野天知
(
ほしのてんち
)
、
後藤宙外
(
ごとうちゅうがい
)
、泉鏡花に加えて彼女の「別れ
路
(
みち
)
」が出た。評家は口をそろえて彼女を
讃
(
たた
)
えた。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
悟浄は、この庵室に
一
(
ひと
)
月ばかり滞在した。その間、
渠
(
かれ
)
も彼らとともに自然詩人となって宇宙の調和を
讃
(
たた
)
え、その
最奥
(
さいおう
)
の生命に同化することを願うた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
誰か天才を
罵
(
ののし
)
り凡庸を
讃
(
たた
)
える不明を犯す者があろう。だが私は大衆の見捨てられた一生に仕組まれている驚くべき摂理を明るみに出そうとするのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「フィンランディア」はフィンランドの郷土を
讃
(
たた
)
えた音詩で、シベリウスの代表作だ。レコードはストコフスキー指揮のが良かろう(ビクター七四一二)。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
ああみなさん、こう云ったとたんのかな女の眼が想像できるでしょうか、詩人共が何千年このかた
讃
(
たた
)
えて来、何万年の将来も讃え飽かぬであろうそのまなざしが。
評釈勘忍記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
過てるを知って
憚
(
はばか
)
る
事勿
(
ことなか
)
れとは、
唐国
(
からくに
)
の聖人も申された。一旦、仏菩薩の妖魔たる事を知られたら、
匇々
(
そうそう
)
摩利の教に帰依あって、天上皇帝の御威徳を
讃
(
たた
)
え奉るに
若
(
し
)
くはない。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
このトルストイの「勇敢と権威」は、いたくチェーホフの心を揺すぶった。彼はこの老人を「神のようだ」とまで
讃
(
たた
)
えたが、さりとて善意も権威もそのまま実行とはなり得ない。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
『万葉集』に美髪を
讃
(
たた
)
えてミナのワタとあるを面妖に思い、予試みにミナという溝中の小螺を割って見るとその腸が美しい碧黒色だったので、昔の日本人もインド人と同好だったと知った。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
此歌とは比較にもならぬ、とぼけ歌や英雄主義——子規の外生活に著しく見えた——を
俤
(
おもかげ
)
にしたたかくくりの歌などの「はてなの茶碗」式な信仰を
繋
(
つな
)
いで居る類と、一つことに
讃
(
たた
)
えられて居る。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
“讃”の解説
讃(さん、賛)または倭 讃(わ さん、生没年不詳)は、5世紀前半(古墳時代中期)の倭王倭王讃(日本人名大辞典)。「倭王讃」とも倭王讃(日本人名大辞典)。
珍の兄で、「倭の五王」の最初の1人(ただし讃は史料上で王とは見えない倭王讃(朝日日本歴史人物事典))。第15代応神天皇・第16代仁徳天皇・第17代履中天皇のいずれかに比定する説がある。
(出典:Wikipedia)
讃
漢検準1級
部首:⾔
22画
“讃”を含む語句
賞讃
讃辞
讃歌
讃頌
讃仰
讃岐
讃美
讃美歌
讃州
称讃
讃歎
見讃
讃詞
称讃浄土仏摂受経
讃称
稱讃淨土經
礼讃
讃嘆
和讃
讃美者
...