“事勿”の読み方と例文
読み方割合
ことなか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、御城番、町奉行、所司代しょしだい誰あって耳をす者なく、彼の上書じょうしょは嘲笑の種となって突ッ返された。つまり、どれもこれも事勿ことなかれ主義。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なかの中では私以上に離縁恐れてて、事勿ことなかれ主義に傾いてることよう分ってますさかい、「そないに束縛するのんならほんまに家出してやるぞ」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それにもかゝはらず、二人の娘は、默つて顏を見合せてゐるのです。この頃の町人達のやうな、事勿ことなかれ主義にてつして、極端に掛り合ひを恐れてゐるのでせう。