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事勿
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ことなか
ふりがな文庫
“
事勿
(
ことなか
)” の例文
ところが、御城番、町奉行、
所司代
(
しょしだい
)
誰あって耳を
藉
(
か
)
す者なく、彼の
上書
(
じょうしょ
)
は嘲笑の種となって突ッ返された。つまり、どれもこれも
事勿
(
ことなか
)
れ主義。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
腹
(
なか
)
の中では私以上に離縁恐れてて、
事勿
(
ことなか
)
れ主義に傾いてることよう分ってますさかい、「そないに束縛するのんならほんまに家出してやるぞ」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それにも
拘
(
かゝは
)
らず、二人の娘は、默つて顏を見合せてゐるのです。この頃の町人達のやうな、
事勿
(
ことなか
)
れ主義に
徹
(
てつ
)
して、極端に掛り合ひを恐れてゐるのでせう。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さすが
事勿
(
ことなか
)
れ主義の石井外務大臣もついに勘忍袋の緒が切れたのであろう、俄然態度を硬化し、両志士を秘かに保護する決意を告げて、頭山翁に面会を求めて来た。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
所が教会の老人組と来た日には
事勿
(
ことなか
)
れ主義でね。それに少し嘘涙でも流して見せようものなら、すぐ胡魔化されるのですから——それで何ですか支倉は逃げたんですか
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
過てるを知って
憚
(
はばか
)
る
事勿
(
ことなか
)
れとは、
唐国
(
からくに
)
の聖人も申された。一旦、仏菩薩の妖魔たる事を知られたら、
匇々
(
そうそう
)
摩利の教に帰依あって、天上皇帝の御威徳を
讃
(
たた
)
え奉るに
若
(
し
)
くはない。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あん畜生——いい気味はいい気味だが、今、どこに何をしているんだ、ああして朝湯に来るんだから、この近所にいるんだろう、近所にいるんなら近所にいるで、とかく近所に
事勿
(
ことなか
)
れ……ところが
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これまでの消極的な、
事勿
(
ことなか
)
れ主義一方では、鎌倉の安泰も保持しきれないことを、近来、幕府自体もさとって来ている。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう宣戦布告をしておかないと、親分の平次が
事勿
(
ことなか
)
れ主義で尻込みをするかもわからないと思ったのでしょう。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
歳を取ると
事勿
(
ことなか
)
れ主義になるせいだろうが、性が合わなければ合わないでいい、長い間には合うようになる。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かう宣戰布告をして置かないと、親分の平次が
事勿
(
ことなか
)
れ主義で尻込みをするかもわからないと思つたのでせう。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まだ、口には出さないが、そのため、
継嗣
(
けいし
)
の争いや
閨閥
(
けいばつ
)
の内輪事が、世間へもれることも極力さけようと努めているらしい。総じて、彼の方針は、
事勿
(
ことなか
)
れ主義をもって第一としていた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
近間
(
ちかま
)
にいる月見船が二三隻、この騒ぎに寄って来ましたが、無事に救い上げられた様子を見ると、この頃の町人は「
事勿
(
ことなか
)
れ主義」に徹底して、別段口をきく者もありません。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それはよかった。とかく、大事のまえには
事勿
(
ことなか
)
れだ。飲み直そう」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
勿
漢検準1級
部首:⼓
4画
“事”で始まる語句
事
事情
事件
事実
事柄
事業
事實
事故
事蹟
事毎