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断
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たた
ふりがな文庫
“
断
(
たた
)” の例文
旧字:
斷
が、左の手は、ぶらんと落ちて、
草摺
(
くさずり
)
の
断
(
たた
)
れたような
襤褸
(
ぼろ
)
の袖の中に、肩から、ぐなりとそげている。これにこそ、わけがあろう。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
或
(
あるひ
)
は飲過ぎし年賀の
帰来
(
かへり
)
なるべく、
疎
(
まばら
)
に寄する
獅子太鼓
(
ししだいこ
)
の
遠響
(
とほひびき
)
は、はや今日に尽きぬる
三箇日
(
さんがにち
)
を惜むが如く、その
哀切
(
あはれさ
)
に
小
(
ちひさ
)
き
膓
(
はらわた
)
は
断
(
たた
)
れぬべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
グーセフの想念がぽつんと
断
(
たた
)
れる。池が消えて、縁もゆかりもない眼無しの大きな牛の頭が、いきなり現われる。馬は歩かず、橇も走らず、ただもう黒い煙のなかに渦を巻く。
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
電燈は
断
(
たた
)
れた。
幸
(
さいわい
)
に満月の夜ごろだから、月はなくても空は真暗というほどではない。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
勿体ないが、その卯の花の房々したのが、おのずから押になって、御廚子の片扉を支えたばかり、片扉は、
鎧
(
よろい
)
の袖の
断
(
たた
)
れたように
摺
(
ず
)
れ下っていたのだから。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
断
常用漢字
小5
部首:⽄
11画
“断”を含む語句
間断
切断
断念
独断
断片
引断
断崖
断然
断絶
断頭台
寸断
裁断
遮断
不断
言語道断
截断
途断
断々
診断
断定
...