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たた
ふりがな文庫
“
拍
(
たた
)” の例文
誰かぱちぱちと手を
拍
(
たた
)
いたものがあった。すると、今までペンを走らしていた人たちまでそのペンを
措
(
お
)
いて
一斉
(
いっせい
)
に彼の方を見た。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
僕は、陳君の奇計に、おもわず手を
拍
(
たた
)
いた。が、考えてみると、この奇計も、やっぱり、少年だけの
智慧
(
ちえ
)
しかないとおもった。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
するりと槍を取直し、肩に立懸け
杖
(
つえ
)
つきつつ、前に
屈
(
かが
)
みて、
突出
(
つきいだ
)
せる胸の
紅
(
くれない
)
の
襯衣
(
しゃつ
)
花やかに、
右手
(
めて
)
に押広げて
拍
(
たた
)
いたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それがいがみ合いはじめたら、そなたはまず、側で手を
拍
(
たた
)
いていてもよいということになるであろう——そなたが、最後の
刺止
(
とどめ
)
だけ刺してやればいい
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
それで、夜になりますと、橋の上に立って、手をポンポンポンと三つ
拍
(
たた
)
きました。例のお
爺
(
じい
)
さんが、どこからかひょっこり出て来ました。五右衛門は頼みました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
うやうやしくそれを捧げる真似をしたら皆が喜んでブラボーを叫んだり手と
拍
(
たた
)
いたりした。
追憶の冬夜
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それを聞きつけた気の利いた用心深い私服巡査の一人が、近寄ってバチバチと手を
拍
(
たた
)
いた。
三狂人
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
幕の後から覗く百姓の群もあれば、
柵
(
さく
)
の上に登って見ている子供も有ました。手を
拍
(
たた
)
く音が
静
(
しずま
)
って一時
森
(
しん
)
としたかと思うと、やがて
凛々
(
りり
)
しい能く徹る声で、誰やらが演説を始める。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
部屋の片隅の卓に
倚
(
よ
)
って、醜い小男と肩を並べて、あなた様のお話に耳を澄まして、誰よりも先に手を
拍
(
たた
)
き、誰よりも先に
喝采
(
かっさい
)
をし、誰よりも先に賛成をする、一人の女がありました事を。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二匹の
悲哀
(
トリステサ
)
が飼われているとも知らず、妻と一緒になって犬のぶざまな歩みに手を
拍
(
たた
)
き指ざして
可笑
(
おか
)
しがり、しかも自分の
悲哀
(
トリステサ
)
には気が付かないで、犬の
悲哀
(
トリステサ
)
ばかりを笑っていた自分の迂愚さ加減が
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「やあ、来た来た、ロッペン団長。」と二、三人が手を
拍
(
たた
)
いた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
吃りの漁夫が、
一寸
(
ちょっと
)
高い処に上った。皆は手を
拍
(
たた
)
いた。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
ファヴォリットは彼らが出て行くのを見て手を
拍
(
たた
)
いた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
イヴォンヌさんが、手を
拍
(
たた
)
きながら踊りあがった。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
手を
拍
(
たた
)
いて土蜘蛛の笑う声がしています。
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女は酒を命じるために手を
拍
(
たた
)
いた。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
諸君が手を
拍
(
たた
)
いて
喝采
(
かっさい
)
しました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
はたはたとお珊が手を
拍
(
たた
)
くと、かねて心得さしてあったろう。廊下の障子の開く音して、すらすらと
足袋摺
(
たびずれ
)
に、一間を過ぎて、また
静
(
しずか
)
にこの
襖
(
ふすま
)
を開けて
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「わしにまた用が出来たら、ポンポンポンと三つ手を
拍
(
たた
)
くがよい。そうすればいつでも出て来てやる」
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
キャラコさんが、手を
拍
(
たた
)
く。
キャラコさん:06 ぬすびと
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「手を
拍
(
たた
)
くかな。」と庄亮。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「それ
目潰
(
めつぶし
)
。」とお丹の
指揮
(
さしず
)
に
手空
(
てあき
)
の奴等、一足先に
駈出
(
かけい
)
だして、派出所の前にずらりと並び、
臆面
(
おくめん
)
もなく一斉に
尾籠
(
びろう
)
の振舞、さはせぬ奴は
背後
(
うしろ
)
より手を
拍
(
たた
)
きて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度は五右衛門も、まったく
閉口
(
へいこう
)
してしまいました。夜になると、痛みと寒さとで今にも死ぬような思いをしながら、橋の上まではい出してきまして、ポンポンポンと手を三度
拍
(
たた
)
きました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
と、誰かが手を
拍
(
たた
)
いた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
遥
(
はるか
)
の空で雲が動くように、大浪の間に帆が一ツ横になって見える時分から、爪立つものやら、乗り出すものやら、やあ、人が見える、と手を
拍
(
たた
)
いて嬉しがるッていう処でさ。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思わず軽く手を
拍
(
たた
)
くと、
衝
(
つ
)
と寄せた、刻んだような美しい鼻を、男の肩に、ひたと着けて
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俯して
答
(
いら
)
えなき内儀の
項
(
うなじ
)
を、出刃にてぺたぺたと
拍
(
たた
)
けり。内儀は
魂魄
(
たましい
)
も身に添わず
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しゃんしゃんと手を
拍
(
たた
)
いて、
賭博
(
ばくち
)
に勝ったものも、負けたものも、飲んだ酒と差引いて、誰も損はござりませぬ。
可
(
い
)
い機嫌のそそり節、尻まで
捲
(
まく
)
った
脛
(
すね
)
の向く方へ、ぞろぞろと散ったげにござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とこざっぱりした前かけの
膝
(
ひざ
)
を
拍
(
たた
)
き、近寄って声を
密
(
ひそ
)
め
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翁が、ふたふたと手を
拍
(
たた
)
いて、笑い、笑い
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しのぶ手を
拍
(
たた
)
きて
遁
(
に
)
げながら言う。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
村越 (手を
拍
(
たた
)
く。)
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“拍”の意味
《名詞》
(ハク)音楽のリズムを構成する単位。
(ハク)モーラ。
(出典:Wiktionary)
拍
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“拍”を含む語句
拍子
拍手
拍子抜
拍子木
白拍子
足拍子
拍節
突拍子
手拍子
銅拍子
拍車
拍手喝采
間拍子
口拍子
段拍子
乱拍子
艪拍子
櫓拍子
相拍子
大拍手
...