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彼女
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あれ
ふりがな文庫
“
彼女
(
あれ
)” の例文
彼女
(
あれ
)
の美しさは
夜
(
よる
)
生くるものの為には
日中
(
ひる
)
よりもなお恐ろしい美しさだ、翼ある月の子らのためには
夜
(
よる
)
よりもなお不思議な美しさだ。
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
「では、赤橋どの、出陣の式の大床から、すぐそのまま立ち出でます。よろしく留守の事どもを。またおわずらいでも、
彼女
(
あれ
)
の身を」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第四、その代わりにマルファは時々わたしが小間使に手を出すことを許すが、しかし、これも
彼女
(
あれ
)
の内諾によらなければならぬこと。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
『
彼女
(
あれ
)
のところへ行こう』と私は思い定めた、『口実は見つかる。イヷン・イヷーヌィチに用があると言おう、それだけの話だ。』
妻
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ガラリピシャ用はねえかなんてえ
山家
(
やまが
)
の者で
面白
(
おもしれ
)
えが、
彼女
(
あれ
)
ア旦那何処へも
往
(
ゆ
)
き処がないので、可愛相で、彼女はちょいと様子が
好
(
い
)
い
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
サモワールを支度するのじゃ、分ったか? それから、この鍵を持っていってマヴラに渡すのじゃ、
彼女
(
あれ
)
に倉へ行って来いってな。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
何
(
なに
)
、
何
(
なに
)
をしたつて
身體
(
からだ
)
さへ
働
(
はたら
)
かせりや、
彼女
(
あれ
)
に
食
(
く
)
はせて、
乳
(
ちゝ
)
はのまされます。」と、
仕立屋
(
したてや
)
さんは、いそ/\と
歸
(
かへ
)
つていつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
幻影
(
まぼろし
)
のように
彼女
(
あれ
)
は現われて来てまた
幻影
(
まぼろし
)
のように消えてしまった……しごくもっとものことである。
自分
(
おれ
)
はかねて待ちうけていた。』
まぼろし
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
(間)
彼女
(
あれ
)
と俺とは(と窓を通して音楽堂を見る)今音楽堂の建っている対岸の岩の上に、小城のような家を構えて住んでいた。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
時には、とぎれとぎれに「待ってくれ! 余り早く
彼女
(
あれ
)
に逢ってはわたしは死にそうだから。」という返事をすることもあった。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
彼女
(
あれ
)
は
播磨
(
はりま
)
の
印南野
(
いなみの
)
の出身であるが、親もなくて不幸ないやしい境遇にいるので、ついふびんに思って情をかけてしまったのだ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「何が
阿呆
(
あほう
)
かいな? はい、あんた見たいに利口やおまへんさかいな。
好年配
(
えいとし
)
をして、
彼女
(
あれ
)
や
此女
(
これ
)
や
足袋
(
たび
)
とりかえるような——」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
私はあの子の母が
何時
(
いつ
)
も嫌ひだつたのさ。何故かと云へば、
彼女
(
あれ
)
は私の
良人
(
をつと
)
のたつた一人の妹で、おまけに大變なお氣に入りだつたから。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼女
(
あれ
)
には自殺する程の不満はなかった筈だ。彼女は、せい一っぱい僕を愛し、そして僕に愛されることによって満足していた。
勝敗
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
「旦那は今朝はまだここへ来ねえようだの。大方
彼女
(
あれ
)
の
傍
(
そば
)
にべたべたとくっついて、手助けでもしてござらっしゃるだろうさ」
麦畑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「どういたしまして、よく、あれの心を知ってやってくださる、あなた
方
(
がた
)
に、こうして頂いた事は、よい友達をもった、
彼女
(
あれ
)
の名誉で——」
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ぎらぎらと例の斜視をやっているとすると、
彼女
(
あれ
)
は
最
(
も
)
っと悪く最っと細く、極端にヒステリックになっていはしないだろうか。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
節ちゃんももう好い
歳
(
とし
)
だから、こんな好い貰い手のある時に俺の方では嫁けてしまいたいとそう思うんだが、
彼女
(
あれ
)
が不承知だ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今度
(
こんど
)
は、お
前
(
まえ
)
の
眼玉
(
めだま
)
も
掻毮
(
かきむし
)
るかもしれない。ラプンツェルはもうお
前
(
まえ
)
のものじゃア
無
(
な
)
い。お
前
(
まえ
)
はもう、二
度
(
ど
)
と、
彼女
(
あれ
)
にあうことはあるまいよ。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
其
(
それ
)
に梅子などは
何
(
どう
)
やら其の
僻論
(
へきろん
)
に感染して居るらしいので、
大
(
おほい
)
に其の不心得を叱つたことだ、
特
(
こと
)
に近頃
彼女
(
あれ
)
の結婚に
就
(
つい
)
て相談最中のであるから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「ま、望みを叶えてやるよう頼む。老いては子にしたがえ——とか、申すが、このわしは、とりわけ
彼女
(
あれ
)
が可愛ゆうてな」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「もつとも
彼女
(
あれ
)
には悪い気はないですよ、悪気でもある位なら、いゝんだが……」彼は巧みに母を操つてゐる気がした。
父の百ヶ日前後
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「言わないどころか、大変ですわ。この間もお店へ来て酔っぱらい、初子をのしちまうんだって暴れたんですよ。
彼女
(
あれ
)
は毒婦だ、悪党だって——」
青い風呂敷包
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「じゃその時私が
彼女
(
あれ
)
からいって来ただけの金を調えて送ったら、それで脚を抜いて、そして体は私の方に来ないで三野村の方に往ってしまったな」
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
電車に乗りながらも、
彼女
(
あれ
)
はたしかに
彼
(
か
)
の女であると思って、すぐ声をかけなかったのが、残念のような気がした。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
併し、要するに、皆な自分の腑甲斐ない処から来たのだ。
彼女
(
あれ
)
は女だ。そしてまた、自分が
嬶
(
かかあ
)
や子供の為めに自分を
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
彼女
(
あれ
)
の味方になっていた
養父
(
ちち
)
もお磯婆さんも死んでしまって、今では全くの一人ぽっちになっているんですからね
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
勘次
(
かんじ
)
さん
彼女
(
あれ
)
げ
焦
(
こが
)
れたんぢやあんめえ、
尤
(
もつと
)
も
年頃
(
としごろ
)
は
持
(
も
)
つゝけだから
連
(
つれ
)
つ
子
(
こ
)
の
一人
(
ひとり
)
位
(
ぐれえ
)
は
我慢
(
がまん
)
も
出來
(
でき
)
らあな、そんだがあれつ
切
(
き
)
り
來
(
き
)
なくなつちやつて
困
(
こま
)
つたな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
帰宅したとてもお勢の顔を見ればよし、さも無ければ
落脱
(
がっかり
)
力抜けがする。「
彼女
(
あれ
)
に何したのじゃアないのかしらぬ」ト或時我を
疑
(
うたぐ
)
ッて、覚えずも顔を
※
(
あか
)
らめた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ただ
彼女
(
あれ
)
が
余
(
あ
)
んまり
嫉妬
(
やきもち
)
を
焼
(
や
)
いて
仕方
(
しかた
)
がございませんから、ツイ
腹立
(
はらだち
)
まぎれに二つ三つ
頭
(
あたま
)
をどやしつけて、
貴様
(
きさま
)
のような
奴
(
やつ
)
はくたばって
了
(
しま
)
えと
呶鳴
(
どな
)
りましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
然しだけ余計だよ。そんなことは
打棄
(
うっちゃ
)
ってしまうさ。……がまあ、今晩はゆっくり話をしよう。そして、このことは達子には
内密
(
ないしょ
)
にしといてくれ給い。
彼女
(
あれ
)
の心を
野ざらし
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ナニ、お蓮? うむ! これはおもしろい。助けてやろう。
彼女
(
あれ
)
に娘があるとは、知らなんだが——」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼女
(
あれ
)
が
戀
(
こひ
)
はせぬと
誓
(
ちか
)
うたゝめ、
予
(
わし
)
は
斯
(
か
)
うして
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
うてゐるものゝ、
生
(
い
)
きながら
死
(
し
)
んでゐるのぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
明けの別れに夢をのせ行く車の
淋
(
さび
)
しさよ、帽子まぶかに人目を
厭
(
いと
)
ふ
方様
(
かたさま
)
もあり、
手拭
(
てぬぐひ
)
とつて
頬
(
ほう
)
かふり、
彼女
(
あれ
)
が別れに名残の
一撃
(
ひとうち
)
、いたさ身にしみて思ひ出すほど嬉しく
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「心配する必要はない。
彼女
(
あれ
)
も十六と云えば多少は物の分別もつく年頃だ。いまに何とか云って来るだろう。事情も分らぬうちに騒いだところで仕様がない。——寝よう」
劇団「笑う妖魔」
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
併し金が無い。念の爲め蟇口を開けて見る。二十錢ある。二十錢では錦絲は斷念せねばならぬ。第二に小光! さうだ、神田の小川亭に掛つてゐる。
彼女
(
あれ
)
を聽きに行かう。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
梅野は美しいから人の目につく、けれども矢張
彼女
(
あれ
)
は俺のもんさ。末は怎でも今は俺のもんさ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「現にきのうも朝から出て行ったと云いますから、三島屋の一件は
彼女
(
あれ
)
に相違ありませんよ」
半七捕物帳:52 妖狐伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「薩摩っ坊め、下らぬごたごた騒ぎをしやがって、
彼女
(
あれ
)
との約束が、ふいになってしもうた」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
まるでお姫様だね。いいえお前さんの見違いだよ。それに第一、
彼女
(
あれ
)
は醜い顔だったが、今のはそんなに悪くもないじゃないか。全く悪い方じゃない。
彼女
(
あれ
)
のはずはないよ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それは本当です——しかしそれが本当だとは、
彼女
(
あれ
)
のような若いものには分かりません
心のゆくところ(一幕)
(新字新仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
「サア、どういう気だか……
彼女
(
あれ
)
も何だか変な女だ。」新吉は投げ出すように言った。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女
(
あれ
)
はこのモンテ・カアロのばくちにかけてはじつに
天竺鼠
(
てんじくねずみ
)
のように上手に立ち廻るのです。御覧なさい。ペイジ色の
蜜柑
(
マンダリン
)
がすっかり上気してまるで
和蘭
(
オランダ
)
のチイス玉のようでしょう。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「寝顔を見せた時にやはり
彼女
(
あれ
)
は目をさましていたのだな。それをいうのかしらん」
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
実に立派な家内です。若し
彼女
(
あれ
)
がこんな怖ろしい犯罪に関係したとすれば、決して一人ではなく、いや、ルウスが主犯ではないので、ただ、手を藉したに過ぎないという程度に相違ありません。
アリゾナの女虎
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
先月
彼女
(
あれ
)
が出ました晩、旦那が途中でお待受け、私が口を開かされましたが、恠しいどころじやござりませぬ。お腹に
赤児
(
やや
)
が居ますもの。とうからちやんとお支度が、出来てゐたのもごもつと。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「エ、
彼女
(
あれ
)
こそ病身なんですが、まだ何とも
音信
(
たより
)
がありません。」
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
しかしおれの方じゃかつて
彼女
(
あれ
)
を愛した
覚
(
おぼえ
)
がない
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女
(
あれ
)
がね、この石碑を
響
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
もう何しろ、遅うございます。それに、
彼女
(
あれ
)
の親爺が長わずらいで、床についているところですから、もう四、五日のところ、折を
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“彼女”で始まる語句
彼女等
彼女達
彼女自身
彼女程