彼女きゃつ)” の例文
へえ…彼女きゃつもあゝ云う目に遭ったのはばちでげすね、だが橋場の御別荘へ押込の這入った時には私は驚いて腰が脱けちまいました、あゝ血が流れて居るのを見たが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
稗黍ひえきびの葉を吹く風もやや涼しく、熔岩とともにころがった南瓜かぼちゃの縁に、小休みの土地のもの二三人、焼土やけつちの通りみちを見ながら、飯盛めしもり彼女きゃつは、赤い襦袢じゅばんを新しく買った。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女きゃつの身分せえ知れなけあこっちの計画のばれっこはねえ。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
貞操全き婦人というではなし、高が路傍の花、れの手にも手折たおるにかたからざるものだ、この上の手段てだて彼女きゃつを公然身請して、仮令たとえ三日でもよろしい我物わがものにすればそれで気はすむ