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彼女
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あいつ
ふりがな文庫
“
彼女
(
あいつ
)” の例文
「へつ、勝手にさせるもねえもんだ! ぢやあ、なんだつておめえ、
彼女
(
あいつ
)
を近づけてしまつたのだい?」
教父
(
クーム
)
は冷やかにさう答へた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
川
縁
(
べり
)
の下駄も、
遺書
(
かきおき
)
も、俺のさせた狂言で、うまく国許をずらかってから、
彼女
(
あいつ
)
は、江戸で女師匠、俺は、持ったが
病
(
やまい
)
の
博奕
(
ばくち
)
、酒。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
霜を
掴
(
つか
)
んで稲を刈るやうなことは到底我輩には出来ないが——我輩がまた
其様
(
そん
)
な真似をして見給へ、直に病気だ——ところが
彼女
(
あいつ
)
には堪へられる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あゝ、さうですよ!
彼女
(
あいつ
)
のことで頭を痛めないでゐらつしやい——そんなことは考へないでゐらつしやい。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
斯うして心配しているのに
彼女
(
あいつ
)
は、あの仲間にはいって笑っているかも知れんと、水上警察の巡廻船に注意いたしつゝ、そっと首をあげまして石垣につかまり
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
私は「
彼女
(
あいつ
)
め! 何処まで譃を
吐
(
つ
)
くか。」と思って、ます/\心に
描
(
か
)
いた女の箔が
褪
(
さ
)
めた思いがした。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
困らしたらば
彼女
(
あいつ
)
頭をさげてくるだろうと、弱いものいじめをなさるから、わたしはどうしても屈服することが出来なくなって、苦しい意地も張るようになったのです
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
彼女
(
あいつ
)
め焼物が分りそうな振りをするものだから、つい
迂濶
(
うか
)
とひっかかった。こんな事ではとても性根を掴むことはできん——今度からはごまかされぬ要慎をしてかかるぞ」
嫁取り二代記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「いいえ。
彼女
(
あいつ
)
は毎晩、両親の
吩付
(
いいつけ
)
で直ぐ向うの
中
(
なか
)
の
間
(
ま
)
に寝る事になっておりますので……」
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうすると、哀れ一銭一厘たりとも私の手には入らない。そして、父の財産はすべてあの
強慾
(
ごうつく
)
ばりの雇い婆に与えられるのだ。
彼女
(
あいつ
)
は、父親の死ぬる日を待ちかねているんだ。
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼女
(
あいつ
)
を殺したのも、こんな霧の深い夜だった。ここに、この親爺がいたんだ。
撮影所殺人事件
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
「実は
彼女
(
あいつ
)
がいなくなったのであっしはすっかり参っていますので。何せ金箱でございますからな。へい大事な太夫なので。……それであっしも小屋の者も、大騒ぎをして探していますので」
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「親分。たしかに
彼女
(
あいつ
)
でしょうね」と、善八はささやいた。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あの女の亭主になるんだよ、
配偶
(
つれあい
)
にしていただくのさ。もし
情夫
(
まぶ
)
がやって来たら次の間へはずしてやるよ。そして
彼女
(
あいつ
)
の友だちの上靴も磨いてやろうし、
湯沸
(
サモワール
)
の火もおこそう、使い走りだっていとやしないよ……」
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「へえ、
彼女
(
あいつ
)
がか……」
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
⦅そら、あれが
彼女
(
あいつ
)
だ! まるで女王みたいに振舞つて、黒い眼を光らせてやあがる。
彼女
(
あいつ
)
に様子の好い若造が何か話をしてやあがるぞ。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
忌々
(
いまいま
)
しい
阿女
(
あま
)
だなあ。思い出すと、
彼女
(
あいつ
)
の
面
(
つら
)
が天井に見えてくる。……おれを
過
(
あやま
)
らした生涯の仇は、武蔵でもねえ、お通でもねえ、あのお甲だ」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから我輩は
彼女
(
あいつ
)
のことを考へる度に、一生のうちで一番楽しかつた時代を思出さずには居られない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
然
(
しか
)
し旦那、
彼女
(
あいつ
)
め以前江戸にいる時分にゃア、同じ悪党仲間で随分助け合ったものですが、此の島へ来て平林の妾になってからは、一緒になって非道なことを
為
(
し
)
やがって
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ハイ。私が気付きませんければ……
彼女
(
あいつ
)
は死人と同然で……寝ると直ぐにグウグウ……」
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
彼女
(
あれ
)
だよ、放浪(小説)のモデルの女は。缶詰事業のとき、
彼女
(
あいつ
)
の着物も質に入れてしまったので、返してくれといって来たのだ。金がなければ、証文にしろといって、持っていった。」
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「退いたとも何とも申しちゃアいません。ただ
彼女
(
あいつ
)
今日はいないので」
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あいつが笑つてるところを見ると何か可笑しい
戯口
(
ざれぐち
)
を叩いてやがるのに違ひない。だが
彼女
(
あいつ
)
はしよつちゆう笑つてゐる女だて。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
おれはお粂の
曲独楽
(
きょくごま
)
の小屋にいて、それとなく
彼女
(
あいつ
)
の楽屋を探っていたところが、ちらとそんな噂を小耳にはさんだので、大急ぎで馳けつけてみたが、もう祭は済んで
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俺あ龍代に復讐するつもりだったんだ……
彼女
(
あいつ
)
は俺に
肱鉄
(
ひじてつ
)
を喰わせやがったんだ……
妾
(
わたし
)
をオモチャにするつもり……って冷笑しやがったんだ。だからその通りにしてやったんだ。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
相「分らない婆アだな、嬢の事をサ、あすこへちょっと屏風を
立廻
(
たてまわ
)
して、恥かしくないように、宜しいか、それがサ誠に
彼女
(
あいつ
)
が恥かしがって、もじ/\としているだろうから旨くソレ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いえ——ナニ——」と稲垣は
苦笑
(
にがわらい
)
して、正直な、気の短かそうな調子で、「少しばかり衝突してネ……
彼女
(
あいつ
)
は
口惜
(
くやし
)
紛
(
まぎ
)
れに
笄
(
こうがい
)
を折ちまやがった……馬鹿な……何処の家にもよくあるやつだが……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「だといつて、
彼女
(
あいつ
)
がわしになんの用がありますだね? なんぞ好いところでもありやあ、また格別ですがね。」
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
彼女
(
あいつ
)
に見せたら何というだろう。おれは税関の倉庫係りという触れ込みになってるんだが」
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あんな奴と結婚したら、クレハ自身ばかりじゃない俺までも破滅しなくちゃならん。俺とクレハの一生涯の恥を
晒
(
さら
)
すことになるんだ。今夜こそ
彼女
(
あいつ
)
の希望をドン底までタタキ潰してくれる。
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
己が
面
(
つら
)
を出したら黙って金を出すかと思ったら、まご/\して居やアがって、
手前
(
てめえ
)
お賤に惚れていやアがる、馬鹿、
彼女
(
あいつ
)
めいゝ気に成りやアがって、呶鳴り付けるから仕方なしに云ったんだ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぬすんで、
彼女
(
あいつ
)
がおさえているこの興行の上がり銭をそッくり拝借してゆこうじゃねえか
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊「そう
彼女
(
あいつ
)
にからかうなよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ああっ、
彼女
(
あいつ
)
は、もう死んでいるかも知れない。おれは心から彼奴が憎いわけじゃなかった。おまえらがなんのかのと
讒訴
(
ざんそ
)
をするので、おれも疑いの目で見初めたのだ。山吹はおれを
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「出られねえ事情なんでさ。——で、
昨夜
(
ゆうべ
)
も
彼女
(
あいつ
)
と相談したんですが」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やっぱり——
彼女
(
あいつ
)
の魂が、おれを国へ……」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“彼女”で始まる語句
彼女等
彼女達
彼女自身
彼女程