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すべ
ふりがな文庫
“
都
(
すべ
)” の例文
一般に
馬来
(
マレイ
)
全島が非常な低地であつて最高の山が
纔
(
わづか
)
に海抜五百十九尺しか無いのだから、山と云つても
都
(
すべ
)
て丘陵の様なものであるが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
かの
温
(
あたたか
)
い
嬉
(
うれ
)
しい愛情は、単に女性特有の自然の発展で、美しく見えた眼の表情も、やさしく感じられた態度も
都
(
すべ
)
て無意識で、無意味で
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
六時をすぎて七時となれば、見わたす街は再び昼の
熱閙
(
ねつとう
)
と繁劇に
復
(
かえ
)
りて、軒をつらねたる商家の店は
都
(
すべ
)
て
大道
(
だいどう
)
に向って開かれぬ。
銀座の朝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
弱点と申しても
最
(
も
)
っと突込んで観察が深くないと、
都
(
すべ
)
て男の方の勝手に作られた嘘の弱点になって、真実の女の醜い所が出て参りません。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
もし翰が持出した珍書の中にむかし
弘前
(
ひろさき
)
医官渋江氏旧蔵のものが
交
(
まじ
)
っていたなら、世の中の事は
都
(
すべ
)
て廻り持であると言わなければならない。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
都
(
すべ
)
て
人
(
ひと
)
たる
者
(
もの
)
は
常
(
つね
)
に
物事
(
ものごと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
留
(
とゞ
)
め、
世
(
よ
)
に
新
(
あた
)
らしき
事
(
こと
)
の
起
(
おこ
)
ることあらば、
何故
(
なにゆゑ
)
ありて
斯
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
しやと、よく
其本
(
そのもと
)
を
詮索
(
せんさく
)
せざるべからず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
此島に生ずる猫
都
(
すべ
)
て尾短く曲なりと云。依て常にも曲尾なるをば世人號して竹島猫とは稱するなり。多くは是虎生のものと云り(伯耆民談)。
他計甚麽(竹島)雑誌
(旧字旧仮名)
/
松浦武四郎
(著)
二人の衣裳持物は
都
(
すべ
)
て香以の
贈
(
おくりもの
)
で文左衛門の
銀装
(
ぎんごしらえ
)
の脇差は香以の常に
佩
(
お
)
びた物である。この狂言の作者は香以の取巻の一人河竹新七であった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
特に世の常の巌の色はただ一
ト
色にしておかしからぬに、ここのは
都
(
すべ
)
ての黒きが中に白くして赤き流れ斑の入りて
彩色
(
いろどり
)
をなせる、いとおもしろし。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
(中略)沙弥・鉦打・
鉦扣
(
かねたたき
)
とも、一体百姓より軽き者と心得、
都
(
すべ
)
ての
取斗
(
とりはからい
)
、百姓並に取扱ひ可
レ
然由の挨拶なり。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
なすべきや
都
(
すべ
)
て汝が申立は僞り飾ゆゑ本末不都合の事而已多く
聟
(
むこ
)
の惣内は九助が留守中に里と不義致し
汝
(
おのれ
)
は惣内母と
密通
(
みつつう
)
に及び居しは
畢竟
(
ひつきやう
)
子供等が不義を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然うさ、
都
(
すべ
)
て人間といふものは然うしたものさ。
眞
(
ほ
)
ンの
小
(
ちい
)
ツぽけな理由からして素敵と大きな事件を
惹起
(
ひきおこ
)
すね。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
片葉蘆
(
かたはのあし
)
按ずるに
都
(
すべ
)
て難波は川々多し淀川其中の首たり其岸に蘆
生繁
(
おいしげり
)
て
両葉
(
もろは
)
に出たるも水の流れ早きにより随ふてみな
片葉
(
かたは
)
の如く昼夜たへず動く終に其性を
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「田児浦」は今は富士郡だが、
古
(
いにし
)
えは廬原郡にもかかった範囲の広かったもので、東海道名所図絵に、「
都
(
すべ
)
て清見興津より、ひがし浮島原迄の海浜の
惣号
(
そうがう
)
なるべし」
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「何等かの運を自分の手で
切拓
(
きりひら
)
くまでは、植源や鶴さんや、以前の
都
(
すべ
)
ての知合にも顔を合したくない」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
職業の性質既に不法なればこれを営むの非道なるは必然の
理
(
ことわり
)
にて、
己
(
おのれ
)
の
為
(
な
)
すところは
都
(
すべ
)
ての同業者の為すところにて、
己一人
(
おのれいちにん
)
の残刻なるにあらず、高利貸なる者は
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
すなわち「人の悪の地に
大
(
おおい
)
なると其心の
思念
(
おもい
)
の
都
(
すべ
)
て
図維
(
はか
)
る所の恒に
惟悪
(
これあ
)
しきのみなるを見たまへ」
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
以上草々ノ略記
都
(
すべ
)
テ後日結写文飾ヲ加ル者ニ勝リ、其真卒ナル当日ノ真ヲ見ルニ足ル故ニ写置
坂本竜馬手帳摘要
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
且
(
かつ
)
既ニ不覊独立ノ国ト為リタルガ故ニ、或ハ師ヲ出シ或ハ和睦ヲ議シ、或ハ条約ヲ結ビ或ハ貿易ヲ為ス等、
都
(
すべ
)
テ独立国ニ行フベキ事件ハ我国ニ於テモ之ヲ施行スルノ全権アリ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
前の法で取ったのは一月位持ちます。モシ
匂
(
におい
)
が付いてからまた煮返しておくとその先まで持ちます。
都
(
すべ
)
て牛の
脂
(
あぶら
)
でも鳥の脂でも豚の脂でも
皆
(
み
)
んな精製しておくと料理に使えます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
東北は
鼠
(
ねずみ
)
が関(岩船郡の内出羽のさかひ)
西
(
にし
)
は
市振
(
いちふり
)
(頸城郡の内越中の堺)に
至
(
いたる
)
の道八十里が間
都
(
すべ
)
て北の
海浜
(
かいひん
)
なり。海気によりて雪一丈にいたらず(年によりて多少あり)又
消
(
きゆる
)
も早し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
Vanity of vanity, vanity, all is vanity !「
空
(
くう
)
の
空
(
くう
)
、
空
(
くう
)
の
空
(
くう
)
なる哉
都
(
すべ
)
て
空
(
くう
)
なり」或は
然
(
さ
)
うでないにしても……。いや、理窟は何もなかつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
証する無かるべけん 明珠八顆
都
(
すべ
)
て収拾す 想ふ汝が心光地に
凭
(
より
)
て
円
(
まろ
)
きを
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
吾人は運命を以つて「
都
(
すべ
)
て人の意思と気質とに出づる行為の結果なり」
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
……
其方共儀
(
そのほうどもぎ
)
、
一途
(
いちず
)
ニ御為ヲ存ジ
可訴出
(
うったえいずべく
)
候ワバ、
疑敷
(
うたがわしく
)
心附候
趣
(
おもむき
)
、
虚実
(
きょじつ
)
ニ
不拘
(
かかわらず
)
見聞
(
けんぶん
)
ニ
及
(
およ
)
ビ候
通
(
とおり
)
、
有体
(
ありてい
)
ニ
訴出
(
うったえいず
)
ベキ所、上モナク
恐
(
おそれ
)
多キ儀ヲ、厚ク
相聞
(
あいきこ
)
エ候様
取拵申立
(
とりこしらえもうしたて
)
候儀ハ、
都
(
すべ
)
テ公儀ヲ
憚
(
はばか
)
ラザル致方
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
早く善悪
都
(
すべ
)
て
報
(
むくい
)
なしと知らば
令狐生冥夢録
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
所
(
ところ
)
で旅行中の費用は
都
(
すべ
)
て官費であるから、政府から
請取
(
うけとっ
)
た金は皆手元に残る
故
(
ゆえ
)
、その金を
以
(
もっ
)
て今度こそは有らん限りの原書を
買
(
かっ
)
て来ました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
家の中の方が学校よりも
都
(
すべ
)
て厳格で、山本町に居る間は土蔵位はあったでしたが下女などは置いて無かったのに
少年時代
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
要するに
都
(
すべ
)
て人間の屍體で、都て彼に解剖されるのを最後の事蹟として存在から消滅するものと考へてゐた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
右の
訣
(
けつ
)
は『玉池集』へ出し候詩は
都
(
すべ
)
て
刪
(
けず
)
り度く存候間此度遣し候詩□□御高評下され十分に
御斧正
(
ごふせい
)
願上候。実は
纔
(
わずか
)
に七首と申すもの故
如何
(
いかん
)
ともいたし方無し。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
常に自分の周囲の男女は
都
(
すべ
)
て不潔な人間だという気がして、それで書物の中の男女にばかり親んでいた。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
堤に上りて下れば即海辺の石砂平遠なり。
都
(
すべ
)
て是
赤石
(
あかし
)
の浦といふ。石上に坐するに都て土塵なし。波濤来りて人を追がごとし。海面一仮山のごときものは淡路島なり。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼の宮に
於
(
お
)
けるは
都
(
すべ
)
ての人の妻となすべき以上を妻として、
寧
(
むし
)
ろその望むところ多きに過ぎずやと思はしむるまでに心に懸けて、
自
(
みづから
)
はその至当なるを固く信ずるなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
商ふ
物賣
(
ものうり
)
の聲も
花街
(
くるわ
)
の
夜
(
よ
)
商人
(
あきんど
)
丁稚
(
でつち
)
の
寢言
(
ねごと
)
も
禿
(
かふろ
)
と聞え犬の
遠吼
(
とほぼえ
)
按摩針
(
あんまはり
)
の聲迄も
都
(
すべ
)
て
廓中
(
くるわ
)
の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
不恰好
(
ぶかっこう
)
な洋服を着たり、自転車に乗ったりして、一年中働いている自分が、
都
(
すべ
)
て見くびっているつもりの男のために、好い工合に駆使されているのだとさえしか思われなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
東北は
鼠
(
ねずみ
)
が関(岩船郡の内出羽のさかひ)
西
(
にし
)
は
市振
(
いちふり
)
(頸城郡の内越中の堺)に
至
(
いたる
)
の道八十里が間
都
(
すべ
)
て北の
海浜
(
かいひん
)
なり。海気によりて雪一丈にいたらず(年によりて多少あり)又
消
(
きゆる
)
も早し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
月琴
(
げっきん
)
かかえたる法界節の二人
連
(
づれ
)
がきょうの
収入
(
みいり
)
を占いつつ急ぎ来て、北へ
往
(
ゆ
)
くも南へ向うも、朝の人は
都
(
すべ
)
て希望と活気を帯びて動ける中に、小さき弁当箱携えて小走りに行く十七、八の娘
銀座の朝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
満袖
(
まんしゆう
)
啼痕血痕に和す 冥途敢て忘れん阿郎の恩を 宝刀を
掣将
(
とりも
)
つて非命を
嗟
(
さ
)
す 霊珠を弾了して
宿冤
(
しゆくえん
)
を報ず 幾幅の
羅裙
(
らくん
)
都
(
すべ
)
て蝶に化す 一牀
繍被
(
しゆうひ
)
籠鴛
(
ろうえん
)
を
尚
(
した
)
ふ 庚申山下無情の土 佳人未死の魂を埋却す
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
満船
都
(
すべ
)
て相公の
※
(
しお
)
を載す
緑衣人伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
元来
(
がんらい
)
私の教育主義は自然の原則に重きを
置
(
おい
)
て、数と理とこの二つのものを
本
(
もと
)
にして、人間万事有形の経営は
都
(
すべ
)
てソレから割出して行きたい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
天床、畳、壁、障子、襖、小さな天地ではあるけれども、
都
(
すべ
)
て
敗頽
(
はいたい
)
と
衰残
(
すゐざん
)
の影が、ハツキリと眼に映る。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
五月十二日に枕山は竹内雲濤、大沢順軒らと共に
都
(
すべ
)
て四人、舟を柳橋に
艤
(
ぎ
)
して月を賞した。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
日は
没
(
い
)
りて東窓の部屋の
中
(
うち
)
やゝ暗く、
都
(
すべ
)
ての物薄墨色になって、暮残りたるお辰白き肌
浮出
(
うきいず
)
る如く、
活々
(
いきいき
)
とした姿、
朧
(
おぼろ
)
月夜に
真
(
まこと
)
の人を見る
様
(
よう
)
に、呼ばゞ答もなすべきありさま
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
偶
(
たま
)
にはそういう病的な婦人もありましょうが、婦人が
都
(
すべ
)
てそうであるとは思われません。これは婦人でなくてはなかなか解りにくい事で、男の書かれた物のみでは信用し兼ねます。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかしこれは男の事ゆえ、勝久の弟子ではあるが、名は家元から取らせた。今の教育は
都
(
すべ
)
て官公私立の学校において行うことになっていて、
勢
(
いきおい
)
集団教育の法に従わざることを得ない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
低
(
たれ
)
て
弱
(
よわ
)
りし
體
(
てい
)
に安間平左衞門は
傍
(
そば
)
に居たりしが
冷笑
(
あざわら
)
ひ
否早
(
いやはや
)
御前の樣に御心弱くては
表向
(
おもてむき
)
吟味
(
ぎんみ
)
の時は甚だ
覺束
(
おぼつか
)
なし
都
(
すべ
)
て物事は
根深
(
ねぶか
)
く
謀
(
はか
)
り決して
面色
(
かほいろ
)
に出さぬ樣なさねばならぬ事なり然るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何事に就ても
都
(
すべ
)
て其時代の有様を見て立論することなれば、君臣主従は即ち藩主と士族との関係にして、其士族たる男子には藩の公務あれども
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして適當な家を目付けて、其を借りることになツたが、敷金家賃其の他一切の
話合
(
はなしあひ
)
は
都
(
すべ
)
て綾さんが
取仕切
(
とりしき
)
ツて、由三は只其の
後
(
あと
)
について挨拶するだけであツた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
形円にして複重す。山際をすぎて洋に出れば三里ありといふ。真の入り海なり。
都
(
すべ
)
てこれ仮山水のごとし。
延袤
(
えんぼう
)
二里許あり。土人小舟にて
竜鬚菜
(
りゆうしゆさい
)
をとるもの多し。又海船の来り泊するあり。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この日より続いて二十五日に至るまで死刑に処せられたもの
都
(
すべ
)
て十四人に及んだ。かつて明倫堂の督学であった
冢田大峰
(
つかだたいほう
)
の義子謙堂(年六十一)も二十一日に刑せられた者の一人であった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“都”の解説
都(と、en: links=no)は、日本の行政区画のひとつで、都道府県の類。この項目では、都(みやこ)についても記述する。
(出典:Wikipedia)
都
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
“都”を含む語句
京都
都会
都合
都城
都々逸
都人
都市
都會
都度
都雅
首都
大都会
江都
東都
伊都
志都
不都合
都鄙
都大路
都風
...