すべ)” の例文
あれお前さんは彼のお方では無いか、私をよもやお忘れはなさるまいと車よりすべるやうに下りてつく/″\と打まもれば、貴孃あなたは齋藤の阿關さん、面目も無い此樣こん姿なり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だいばんには大野氏おほのしはづだからとかんがへながら、なほいまいはや底部ていぶらしてやうとして、龕燈がんどう持直もちなほ途端とたんに、あし入口いりくちのくづれたる岩面いはづらんだので、ツル/\とあななかすべちた。
あるひ其頃そのころ威勢めをひ素晴すばらしきものにて、いまの華族くわぞくなんとして足下あしもとへもらるゝものでなしと、くちすべらしてあわたゞしくくちびるかむもをかし、それくらべていま活計くらしは、きえしもおなじことなり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もしやお前さんはと我知らず声をかけるに、ゑ、と驚いて振あふぐ男、あれお前さんはあのお方では無いか、私をよもやお忘れはなさるまいと車よりすべるやうに下りてつくづくと打まもれば
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もしやおまへさんはと我知われしらずこゑをかけるに、ゑ、とおどろいてふりあふぐをとこ、あれおまへさんはのおかたではいか、わたしをよもやおわすれはなさるまいとくるまよりすべるやうにりてつく/″\とうちまもれば
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)