退すべ)” の例文
為さんは小机の前にいざり寄って、線香を立て、りんを鳴らして殊勝らしげに拝んだが、座を退すべると、「お寂しゅうがしょうね?」と同じことを言う。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
『奧さん、うぞお願ひ致します。』と、あとをお光にまかして座敷を退すべり出た。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)