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退
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ず
ふりがな文庫
“
退
(
ず
)” の例文
その隙である、例の
給仕
(
ボーイ
)
は影のように身を
退
(
ず
)
らすとまるで
弦
(
つる
)
を放れた矢のような
勢
(
いきおい
)
で地下室の方へ逃げだした。と見た博士が
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お八重は
背後
(
うしろ
)
へ体を
退
(
ず
)
らせたが、しかしその瞬間去年の秋の、観楓の酒宴での出来事を、幻のように思い出した。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ドクトルは一寸ためらったが、肱掛椅子を
退
(
ず
)
らかして、火の燃えさかっている暖炉の棚へ
倚
(
よ
)
りかかりながら
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
頭がぶんと鳴って、私は足をさらわれたようにふらふらとうしろ
退
(
ず
)
さりした。そして酒場の硝子窓に凭れた。
或る少女の死まで
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
と伯爵の眼がキラリと嬢の上に光った、と見た途端、さっきからソロリソロリと身体を
退
(
ず
)
らしていた右手が、柱の呼鈴に触れた。嬢の飛び
退
(
の
)
いたのと同時であった。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
浅草のも芝のもそれ/″\損じのあつたに一寸一分歪みもせず
退
(
ず
)
りもせぬとは能う造つた事の。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
浅草のも芝のもそれぞれ損じのあったに一寸一分
歪
(
ゆが
)
みもせず
退
(
ず
)
りもせぬとはよう造ったことの。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一つ拾って来てくれ。車が
退
(
ず
)
らからねえように止め石に使うんだ。そして
斜
(
はす
)
かけに登らせよう
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
すくなくとも、その不安な顔いろは、かれが何者でもないものであることを
知悉
(
ちしつ
)
しながら、なおこの空中にある自らの優しいからだを護るためにしだいにうしろ
退
(
ず
)
さりして行った。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
“退”を含む語句
後退
引退
退出
退去
立退
退引
飛退
退屈
退却
遠退
退校
退避
退治
進退
辞退
退潮
退院
退歩
追退
居退
...